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平和と民主主義 大分県議会 県民クラブ

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 議会報告

2026年第1回定例会

  佐藤知事「過去最高の当初予算、物価高騰対策を充実!」
 2026年大分県議会第1回定例会が2月24日(火)から3月26日(木)にかけて開催されました。途中、予算特別委員会も行われ、閉会日の採決で過去最高額となる総額7,300億5,800万円の2026年度一般会計当初予算が成立しました。

 2025年度当初と比べて273億8,100万円(3.9%)増えており、物価高対策を拡充。長期総合計画「安心・元気・未来創造ビジョン2024」(24~33年度)の実現を加速させるため、防災対策の高度化、誘客対策の強化、魅力ある学校づくりなどの事業費を意欲的に盛り込んでいます。
 物価高対策には87億4,500万円を充て、昨年度比57億100万円増と手厚く措置しています。市町村と連携した生活者支援、事業者の資金繰り支援など幅広い施策に取り組みます。  
 歳入のうち、県税は好調な企業業績を背景に個人県民税と法人事業税が増加し、5年連続で過去最高となる1,488億円で昨年比19億円増えています。
 財政の健全性に関して、預金に当たる財政調整用基金は2025年度と同額の90億円を取り崩し、2026年度末の残高は約248億円となる見込みです。知事は決算剰余金の積み立てや予算執行段階で工夫や節約を進め、行革目標の330億円に戻すよう取り組むと説明しています。

 佐藤樹一郎知事は1期目の総仕上げとして、「喫緊の課題である物価高騰対策を充実するとともに、財政の健全性を確保しつつ、将来への投資と県民生活を支える施策を着実に推進する」と提案理由で述べています。
今定例会では、代表質問に高橋 肇議員(臼杵市選出)、一般質問に玉田輝義議員(豊後大野市選出)、御手洗朋宏議員(大分市選出)、福崎智幸議員(大分市選出)が登壇しました。



 高橋 肇議員(臼杵市選出)
2026年度の県政運営について質問
 流動的で不安定な国際情勢の中で、佐藤知事がどのようなかじ取りを行うのか、「県政のめざす方向性」「県民の安心・安全」「防災・減災」や「教育行政」等について、佐藤知事他執行部に質しました。
【県政のめざす方向性について】
(質問)アメリカ・イスラエルのイランへの攻撃、終わりの見通しがないロシアのウクライナ侵攻とイスラエルのガザ地区への攻撃など世界が「戦争」へと傾く中、国際情勢が大分県政に与える影響等について見解を伺う。
(知事)トランプ大統領の追加関税措置は、米連邦最高裁の違憲判決で不確実性が再度高まっている。アジアでは、中国政府が対日圧力を強めている。これらを踏まえ、特定の国や地域に依存しない多角化を推進する。おおいた和牛のEU輸出やASEAN地域への展示会出展など、輸出先国の多角化を支援する。また、国際交流や相互理解を進め、万博を契機に交流が進んだ国や地域と友好関係を発展させる。多文化共生社会の実現にも努める。
【県民の安心・安全について】
(質問)日本もまた、「台湾有事」を想定した武器の装備を強化し、大分市にも「ミサイル弾薬庫」が増設され、湯布院にはミサイル連隊が配備された。ミサイル弾薬庫は有事の際は、真っ先に標的となる。避難計画など、大分市との連携をした取り組みをどう進めるのか。
(知事)地元住民が他国軍との訓練に対し、負担を感じていることは理解している。こうした訓練が日出生台に集中しないよう、国に訓練計画の情報開示と安全管理の徹底を要請している。米軍実弾射撃訓練に対する本県のスタンスは、将来にわたる縮小・廃止であることに変わりはない。
【防災・減災について】
(質問)昨年の佐賀関大規模火災で、多くの命が守られたのは、日頃からの地域コミュニティのつながりがあったから。1~2月に、会派で2016年に糸魚川市で発生した大規模火災の復興事例について視察した。防災性の高いまちづくりと国・県・市の連携が不可欠であることを改めて認識した。日頃からの地域コミュニティを育成する視点を含め、地域防災力の強化に向けてどう取り組むか。
(知事)現在、自主防災組織の世帯カバー率は96.4%と、全国平均の85.4%を大きく上回っている。活動の活性化を図りつつ、地域防災力の更なる強化に取り組む。まずは、地域での防災訓練等の実施。また、高齢化が進んだ地域や住民のつながりが希薄な地域では、防災学習会の開催を促している。県では、来年度から高校生防災士の養成にも取り組む。
【教育行政について】
(質問)大分県の公立小中学校では、「学力テスト」が、全国と県と市と市町村ごとに年3回行われている。その実態は、学力競争になっていないか。現在、現場の先生方は授業等で疲労困憊している。加えて、学力テストが子どもたちの「学びの楽しさ」を阻害していないか。悉皆ではなく抽出、隔年でもよいのでは。公表の廃止も検討すべき。
(教育長)近年、本県では学力下位層が増加傾向にあり、個々の学習状況に応じた指導の充実が課題。悉皆で毎年実施することで、客観的データに基づき個に応じた支援が可能となる。結果の公表については、点数のみを示すのではなく、解答状況や課題に対する指導事例などを示し、学びの改善につながるよう工夫している。
 このほかにも、【中小企業のDXの推進】【本県の農業戦略】【スポーツの振興】【手話通訳者の確保と育成】【横断歩道での運転マナーの向上】などについて質問しました。

一般質問


 玉田輝義議員(豊後大野市選出)
ユネスコエコパーク 認定10周年に向けた取組は?
 祖母・傾・大崩ユネスコエコパークは2017年の登録以来、生態系の保全と持続可能な利活用の調和を目指してきました。2027年に登録10周年という節目を迎えるにあたり、この広大で貴重な自然資源を生かすため県としてどのような地域デザインを描き、具体的な施策や取組を展開してきたのか、これまでの取組の検証が必要だと考えます。
 特に本県が制定している「おんせん県おおいたアドベンチャーツーリズム条例」の理念は、地域固有の自然や文化を生かした体験型観光の推進であり、まさにユネスコエコパークが目指す方向と軌を一にしているものです。
 一方で、当初期待された観光振興や一次産業への波及効果が、地域住民にどこまで実感されているかという課題もあります。
 そこで、登録10周年に向けた「仕込み」の年となる来年度(2026年度)は、大分・宮崎両県の自治体連携による広域エコツアーの構築や、高付加価値な体験プログラムの造成、戦略的な情報発信を強化すべきだと考えます。
 これまでの取組の総括と、今後の課題解決に向けた方針を生活環境部長に聞きました。

 生活環境部長は、「登録以来、基本方針に沿った取組を関係自治体と一体となって推進してきた」として、「まず、生態系保全については、認定後の調査により、希少種を含む約8千種の動植物が確認され、保全につながる重要な基礎情報が得られた。次に、環境教育・基盤整備について、『あ祖母学舎』等の地域の自然や文化を伝える拠点施設が整備され、自然体験プログラムが充実した。また案内板や遊歩道の整備など受入環境を整えてきた。これら取組をもとに、今年度(2025年度)は、体験型観光を提供する23の事業者と連携したスタンプラリーを実施するなど利活用を進めてきた」とこれまでの成果と利活用の状況を述べました。
 そのうえで課題と今後の展開として、一方で、「認知度は県内での認知度が4割程度にとどまっており、これを高める取組や地域での滞在時間を延ばす取組を求める声があることから、その課題解決の具体的施策が必要」との認識を示し、「2025年度補正予算(に計上した『クールサマーinおおいた推進事業』)を活用し、くじゅう地域と併せて地域の魅力や夏の涼しさを国内外に発信し、認知度の更なる向上と滞在型利用の拡大を目指す」として、「2027年度(令和9年度)の登録10周年に向け、宮崎県を含む関係自治体等とともに、具体的な取組の検討を加速させていく」と課題と今後の展開について述べました。
2026年度は1千478万6千円の予算が組まれ、関係市とともに案内看板を増設し魅力発信が進められます。2027年の認定10周年を見据えて、さらに魅力の発信を図り、地域振興を進めてもらいたいと考えます。


 御手洗朋宏議員(大分市選出)
外国人との共生について
 外国人を単なる労働力の補完として捉えるのではなく、地域社会の構成員として、互いの人権を尊重し、ともに暮らす社会を築くことが必要。外国人に選ばれる大分県であることは、持続可能な地域づくりにも直結する。外国人との共生について、今後どのように取り組んでいくのか。
(知事答弁)毎年2000人を超えるペースで増加している県内在住の外国人は、今や地域や産業を支える大切な県民だ。外国人住民が安心して暮らせるよう、多言語相談窓口の設置や日本語学習支援などを進めている。今後も市町村や関係団体と連携し、多文化共生社会の実現に向けた取組を進めていく。 

中九州横断道路の整備について
 中九州横断道路は、大分県と熊本県を結び、物流、観光、防災など多方面にわたり効果が期待される高規格道路であり、県土の将来像を左右する重要なインフラだ。国への要望活動、関係自治体との連携、県庁内の推進体制など、早期完成に向けた主体的な取組をどのように進めていくのか。
(知事答弁)九州の東西を結ぶ中九州横断道路は、新生シリコンアイランド九州の実現等に向けた人流・物流の要であるとともに、南海トラフ地震など大規模災害時の代替路としても重要な役割を担っており、早期の完成が求められる。今後も、国や関係自治体と連携し、整備促進に全力で取り組む。

就労選択支援について
 大分県は「障がい者活躍日本一」を掲げ、障がいのある方が希望や特性に応じて働き、地域で暮らし続けられる社会づくりを進めており、就労支援や職場定着支援の充実は重要な柱だ。本人の希望に沿った就労の選択肢が適切に広がるよう、創設された国制度の趣旨も踏まえ、県として就労選択の支援にどのように取り組んでいくのか。
(福祉保健部長答弁)適切な事業所の指定を進めるとともに、研修や実地指導等により質の向上を図っていく。昨年10月から開始された就労選択支援は、現在6市で11事業所を指定。各市町村で1カ所以上の指定をめざす国の方針を踏まえ、市町村自立支援協議会において、その設置について検討するよう促している。

若年層の投票率向上について
 近年、各級選挙における投票率の低下、とりわけ若年層の投票率の低さが課題として指摘されている。政治への関心を高め、主権者としての参加を促していくことは、民主主義の基盤を支える上で重要だ。若年層の投票率向上に向け、不在者投票制度の利用促進など投票機会の確保や啓発に取り組む必要がある。
(選挙管理委員長答弁)選挙管理委員会と連携し、模擬選挙などを通じて主権者教育を進めている。不在者投票制度については、多くの市町村選管においてオンラインで投票用紙等の請求が可能となっており、利用者の負担軽減を図っている。県の若者向け広報媒体等を活用し、情報発信を強化していく。

 このほかに「障がいのあるこどもたちの進路」「貧困への対応」「SNSを利用した児童生徒間の性暴力への対応」等を質問しました。詳細は議会報告「みら☆ともニュース」や動画でご確認ください(2次元バーコード)。


 福崎智幸議員(大分市選出)
公契約条例の制定について
 県はこれまで、設計労務単価の引き上げや賃金スライド制度などを整備してきましたが、現場労働者への適正な賃金を直接保障するには至っていません。全国の基礎自治体には先行事例も多く、連合大分も条例制定を要望していることから、県は検討姿勢にとどまらず、実効性ある公契約条例の制定に踏み出すべきではないかと知事に見解を求めました。
【知事答弁】庁内に勉強会を設置して先行自治体の運用状況を調査中であり、受注者の労働条件底上げへの効果が期待されると述べました。一方で、賃金下限額の設定方法や事務負担など課題も多く、政府がILO第94号条約を批准していないことから独自の賃金下限額設定は困難と判断しているとし、既存制度の着実な運用・見直しに取り組んでいくと答弁しました。

個人所有林におけるJ-クレジット制度の活用について
 2050年カーボンニュートラルの実現に向け、個人所有林でのJ-クレジットの創出・活用は重要な課題です。森林所有者の収入増や適切な森林管理の促進が期待される一方、現状はほとんど進んでいません。個人単独での申請は制度上認められておらず、森林組合などの法人が代表となる共同申請が必要なことも普及を阻む一因となっています。森林組合未加入者も含めた個人所有林におけるJ-クレジットの現状と課題の認識、および具体的な支援策について生活環境部長に質しました。
[生活環境部長答弁]県内の森林由来J-クレジットは現在6件が登録されており大規模所有者を中心に増加傾向にあると報告した上で、個人所有林での活用には30ヘクタール以上の森林規模要件や法人との共同実施の義務、審査・管理費用の負担など多くの課題があると説明しました。県としては登録・初回認証の審査費用を全額助成しており、今後は民間事業者や森林組合と連携して共同実施を働きかけていくと答えました。

県職員のヘルメット着用について
 令和5年に自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務化されましたが、県庁職員の自転車通勤時の着用状況は依然として不十分です。ヘルメット非着用時の致死率は着用時の約2倍というデータがある中、愛媛県や京都府警など先行事例も存在します。県民に交通安全を呼びかけながら自らは実践しないという状況は問題であり、県職員の着用徹底について総務部長に見解を求めました。
【総務部長答弁】ヘルメット着用は努力義務であるものの公務員として高い法令遵守意識が求められるとした上で、本庁職場での着用率はすでに50%超と全国平均21.2%を大きく上回っていると述べました。さらに、4月の交通反則通告制度の開始にあわせ、未着用での通勤は認められない旨を明記した通知を行い、県民から信頼される職員として遵法意識の醸成に努めると答弁しました。

 このほかに「クリーンエネルギー自動車の導入促進」「空き家の適正管理」「JR九州の路線・存続」「地域公共交通の維持・確保」「街路樹管理」「歩道の段差解消」を質問しました。



2025年第4回定例会

佐藤知事「物価上昇に負けない、県内企業の継続的な賃上げを後押し!」
 佐藤樹一郎知事「生活者・事業者の負担軽減と地域経済の下支えを速やかに!」
 11月26日(水)から12月12日(金)にかけて大分県議会第4回定例会が開催されました。県森林環境税の適用期間延長に関する条例の一部改正案、中津市にある県立工科短期大学で聴講生制度を創設する条例の一部改正案など20議案が上程されました。
 また、12月5日(金)には追加議案として補正額221億7,924万円(累計7,361億646万円)の2025年度一般会計補正予算案など2議案が上程されました。
 国の補正予算案が成立次第、2026年第1回定例会においても補正予算案を提出するとしています。
佐藤樹一郎知事は提案理由説明で、冒頭、大分市佐賀関で起きた大規模火災に関わり、亡くなられた方の御冥福と、被害に遭われた方々へ御見舞いの言葉を述べるとともに、この火災が強風による自然災害とする協議が整い、被災者生活再建支援法の適用が決定したことが報告されました。
 また、追加議案の提案理由説明では、長引く物価高騰への対策として、「国の重点支援地方交付金を活用し、生活者・事業者の物価高騰に対する負担軽減と地域経済の下支えを図るため、速やかに実施できる施策を盛り込んだ。」と述べています。
 議会最終日に全て可決されました。
 今定例会では、一般質問に二ノ宮健治議員(由布市選出)、吉村尚久議員(中津市選出)、原田孝司議員(別府市選出)が登壇しました。

一般質問


 二ノ宮 健治 議員(由布市選出)
 県民クラブを代表して、大分市佐賀関の大火の一日も早い復旧復興と、住宅の確保や避難生活での健康の維持などに、県民の皆さんと一丸となって取り組むことをお誓いした、お見舞いの言葉を申し上げました。
 また、大分県初の内閣総理大臣となった、村山富市さんが101歳の天寿を全うされました。戦後50年の節目で出された「村山談話」をバイブルとして、「戦争のない平和な社会の持続」が私たちの使命だと誓い、また、「常に大衆とともに、大衆に学ぶ」ことを心情とした生き方を、地方政治家の鏡として大切にすることもお誓いして、追悼の言葉を申し上げました。
大きく変化する時代の要請や潮流に対応する人口減少対策について
県長期総合計画の中で「時代の要請や潮流の変化」として「想定を上回るスピードで進む人口減少」や「地球環境問題の深刻化と自然災害の脅威」など6項目が挙げられているが、この6項目は、今後の県政推進のすべての事業に影響があり、時流の変化を的確に読み解きながら事業を執行しなければ、計画に描かれた10年後の素晴らしい大分県は実現されないと危惧している。
とくに、団塊世代の全員が後期高齢者となり、今後確実に働く側から支えられる側へと大きく転じていくことなどから、労働力人口の減少や社会保障費の増大、地域の医療体制や福祉サービスの持続可能性にも深刻な影響を及ぼすと思われる。
 そこで、これまでとは全く質の異なる、想定を上回るスピードで進む人口減少にどのように対応していくのか知事に質した。
(知事答弁)これまで、婚活イベントの充実や不妊治療・保育料の負担軽減などの「自然増対策」と、移住定住策の強化などの「社会増対策」など、これまでどおりの答弁であったが、これまでの「人口減少への適応対策」についての前向きな答弁があり、今後注視していきたい。

地域生協等と連携した持続可能な地域づくりについて
 人口減少と高齢化の進行により 特に中山間地域や郊外では従来の行政サービスだけでは支えきれない課題が増え、住民同士の助け合いや地域団体との協働がますます重要になっている。
 県内には、12の地域生協(生活協同組合)が活動しており、組合員数も48万人を超え県内全域に組織網を有しており、従来の組合員への物資供給から、買い物弱者対策に加え、県内産品の販売拡大や地産地消など地域経済の循環にも貢献している。
生協の持つデータや物流機能を活用した、地域福祉や買い物支援、災害対応などの分野での、県・市町村と生協が戦略的に協働できる仕組みづくりが必要だと考えるが、企画振興部長の見解を伺う。
(部長答弁)持続可能な地域づくりには、買い物支援のほか、高齢者の見守りなどでも事業者の協力を得ながら総合的取り組みが不可欠と考える。今後、買い物弱者の増加など様々な課題が懸念される中、地域生協や関係団体の強みを生かした共同の取り組みを進めたい。との一般的な回答であったが、生協の必要性・可能性を引き出せたと思っている。


 吉村 尚久 議員(中津市選出)
社会活動参画に向けた支援の充実による共生社会の実現について
 障がい当事者のより一層の外出支援を図りながら、健常者との交流を促進し、共生社会を実現していくために、障がい当事者が自らの意志で様々な社会活動に参画できるよう支援が必要だと思うが、社会活動参画に向けた支援の充実による共生社会の実現に、どのように取り組んでいくのか。
【知事答弁】市町村が実施主体となって行う外出支援や理解促進事業等に対し、国とともに県からも助成を行っていることや聴覚障がい者の社会参加に不可欠な手話通訳者をはじめ、視覚障がい者や重度の障がい者の外出をサポートする支援者の育成、ユニバーサルデザインマップの作成など、障がい者の社会参加に向けた支援を行っています。また、技術の力でも障がい者や多様な人の困りごとを解決していくことが重要であり、それらの動向も注視しながら「共生社会おおいた」の実現をめざします。

特別支援学校等への通学支援について
 医療的ケア児の学びの機会を保障するため、また、保護者の負担を軽減させる面からも、スクールバスや福祉タクシーなどに看護師を配置するなど、医療的ケア児が特別支援学校等に通学する際の支援について、どのように取り組んでいくのか。
【教育長答弁】福祉タクシーの利用や訪問看護師の添乗など就学奨励費制度や福祉サービスの活用について、関係部局や市町村と連携して対応していきます。

日産自動車の九州生産移管を見据えた対応について
 日産自動車が神奈川県の追浜工場での車両の生産を終え、福岡県苅田町にある「日産自動車九州」に移管することとなったが、県としてどのように対応しようと考えているのか。
【知事答弁】関連企業の誘致、進出企業へのフォローアップ、地場企業への取引拡大に向けた支援制度の活用、企業活動の基盤となる人材確保・育成、移住者には県独自に10月からこども一人当たりの加算額を50万円に引き上げるなどの支援の拡充など、市町村とも連携し、きめ細かくサポートしていきます。自動車産業は、本県経済を支える重要な産業であり、今後とも、関連投資の呼び込みや県内企業の挑戦を力強く後押していきます。

観光列車の誘致について
 夜行の観光列車を関西圏から運行することで、観光消費の拡大と広域交流の促進が期待されると思うが、鉄道事業者等と協議し、採算性や経済効果を踏まえた上で、夜行の観光列車を誘致する考えはないか。
【観光局長】
夜行の観光列車は、鉄道ファンの憧れを喚起し、本県への誘客を促す契機となる可能性がある。旅行者のニーズを踏まえながら、誘客の実現性や経済効果を見極めていきたいと思います。

【その他の質問項目】
 「県外(東京・大阪・福岡)事務所について」「観光地におけるグリーンスローモビリティの活用について」「教職員の働き方改革について」「教育事務所について」


 原田 孝司 議員(別府市選出)
今後の県政運営について
 昨秋、高市早苗自民党総裁が第104代首相に指名され、高市内閣が発足しました。高市首相は「責任ある積極財政」を掲げ、物価高対策で財源不足になれば赤字国債の増発を容認する考えも示し、経済成長を優先する方針を打ち出しています。
 その事業内容はもとより、地方に対する財政支援がしっかりと措置されているかなど、どのような対策を講じるのか注視していく必要があります。
 そこで、高市内閣に対してどのような期待を寄せているのか、また、そうしたことを踏まえて今後の県政をどのように進めていくのか知事の考えを尋ねました。
【知事答弁】新内閣には、国として大きなビジョンを持ち地方創生や国でしかできないプロジェクトについてリーダーシップを発揮し、強力に推進していただくことを期待している。
 県として、まずは、何と言っても物価高騰への対応である。今回の補正予算案では、拡充される重点支援地方交付金などを活用し、プレミアム商品券の発行や省力化投資補助金の上乗せ支援など物価高騰の影響を受ける生活者・事業者への支援を強化していく。

地域公共交通の維持・確保について
 路線バスは、住民が通勤・通学、買い物、医療機関への通院など、日常生活を送る上で不可欠な交通手段であり、地域公共交通の要です。今、県内各地で毎年のように路線が減便・廃止されています。
 公共交通を維持・充実させるための新たな財源として注目を集めているのが「交通税」で、全国で初となる導入を滋賀県が検討しています。
 そこで、滋賀県が取り組む「交通税」について、県としてどのように捉えているのか、また、コミュニティバスなどを含め地域公共交通の維持・確保について、どのように取り組んでいくのか質問しました。
【交通政策局長答弁】本県でも、路線バスやコミュニティバス等の維持のため、国・県・市町村で年間約30億円の予算により赤字補填や車輌購入等への支援を行っており、今後も増加が見込まれる状況である。
 滋賀県で導入の検討が進む交通税は、将来における本県の地域公共交通のあるべき姿を考える上で、参考になり得る取り組みである。本県において、直ちに交通税の導入の是非を議論する段階にはないが、研究は続けていく。

 この他、県内進出企業の環境対策、教育に関して義務教育段階における教育課程のあり方と公立通信制高校、県職員等に対するカスタマーハラスメントやカスタマーハラスメント防止条例の制定について質問しました。



2025年第3回定例会

  佐藤知事「物価上昇に負けない、県内企業の継続的な賃上げを後押し!」
  9月4日(木)から24日(水)にかけて大分県議会第3回定例会が開催され、補正額108億3,378万円(累計7,139億2,722万円)の2025年度一般会計補正予算案など32議案が上程されました。
 医療提供体制の確保として病床数の適正化に取り組む医療機関を支援する医療提供体制緊急支援事業(5億5,059万円)。畜産経営体の収益向上を図る畜産クラスター計画に基づく畜舎等の整備への助成を行う畜産収益力強化対策事業(7億600万円)などの新規事業の他、最低賃金改定幅を超える賃金引き上げをした企業への支援拡充、地域の見守りなどに取り組む給油所への施設整備費の助成、県立学校で使用するタブレット端末の更新などの事業が提案されました。
 佐藤樹一郎知事は提案理由説明で、補正に盛り込んだ最低賃金や労務単価の上昇を踏まえた対策について、「物価上昇に負けない継続的な賃上げの実現が求められている。県内企業の賃上げをしっかり後押しし、県経済の持続的成長につなげていく。」と述べています。
 その他、別府市石垣西にある大分県立南石垣支援学校を旧羽室台高校跡地(別府市野田)へ移転し、名称を「大分県立別府やまなみ支援学校」へと変更する条例改正案の提案。
 また、私たち県民クラブが設置を要請してきた夜間中学を、大分市にある大分県立爽風館高校内に併設し、名称を「大分県立学びヶ丘中学」として新設する条例改正案が提案されました。両校とも来春に開校します。
 最終日に、全て可決されました。
 今定例会では、代表質問に成迫健児議員(佐伯市選出)、一般質問に木田 昇議員(大分市選出)、高橋 肇議員(臼杵市選出)、守永信幸議員(大分市選出)が登壇しました。



 成迫 健児 議員(佐伯市選出)
■米の生産振興について
 これまで、安定供給されていた「米」が、突然品不足になり、以来、米不足が心配されて、店頭の米の価格が5kgで4千円を上回るまでに至りました。備蓄米の放出により価格はやや下がりましたが、以前のように気軽に安心して購入できるような状況ではありません。
 本県の米の生産については、園芸作物と比較して面積あたりの収益性が低いことから、水田の畑地化・汎用化を進め収益性の高い園芸品目への転換に重点を置いてきました。米1俵には、田植え、草刈り、稲刈り、そして、高騰する肥料代、農薬代、さらに、田植機・コンバインなどの減価償却費などの必要経費が含まれ、高騰前の価格では労務費の入る余地も無いと言われています。米の適正価格は、買い取り、流通、小売販売などでどう設定されるべきなのか、根本的な解決に向けた対策なども急務だと考えます。
 また、大規模化や集落営農体制の整備によって、合理的な生産活動を進めていかなければならないと考えます。加えて、それに対応する農家などへの支援もさらに必要ではないでしょうか。
 そこで、本県における米作りの現状をどう捉えており、米の生産振興にどのように取り組んでいくのか、知事に伺います。
(答弁)全国知事会では、米の安定供給と適切な価格形成に向けて、実態に応じた需給見通しを示し、実効性のある対策を講じるよう緊急提言を行ったところであり、国においても統計手法の見直し等が検討されている。
 米をはじめとする水田作の生産振興は、大規模経営体や集落営農法人等の中核的経営体が農地を活かし、効率的に生産していくことが重要。
 併せて、特A評価の獲得など付加価値の高い特色ある米づくりや、県内の醸造業を中心に需要が高まっている麦・大豆・飼料作物の生産も支援していく必要がある。
 現在、国において水田政策の抜本的な見直しに向け、様々な議論が進んでおり、県もこうした動向を注視しつつ、持続的な地域農業の実現に取り組んでいく。

■ホーバー就航を契機とした誘客対策について
 ホーバーの定期便が7月26日から16年ぶりに復活をしました。これまで、大分空港から大分市へ行くためには1時間10分ほどかかっていましたが、片道約30分での移動で済むことになります。また、実際に搭乗をされた多くの皆さまから「以前よりも安定していて揺れを感じず、乗り心地が快適だった」と高い評価を得ており、今後の利用・観光促進への期待が高まっております。
 ホーバーは空港と西大分を結んでいるため、県のちょうど中心部から県内各地へ旅行ツアーが組める分、PRの仕方によっては県内の広範囲にわたって観光客を誘導できる可能性があります。大分空港からホーバーを利用した観光客の方々に、別府や湯布院といった主要な観光地だけでなく、県内各地に足を運んでもらえるよう、これまでとは異なる観光客の流れを作る戦略が必要だと思います。また、これを機に、ホーバー利用者を含め大分空港全体の利用者に対する県内周遊に向けた取組も併せて検討いただきたいと思います。
 こうしたことを踏まえ、今回のホーバー就航を契機とした県下全域の誘客対策にどのように取り組んでいくのか、観光局長に伺います。
(答弁)空港からホーバーで結ばれる大分市を起点に、観光客がJRやバスなどで県内各地に足を延ばす動きが見込まれるため、国内外の商談会等で、ホーバーのPRを含めた誘客対策を実施している。加えて、年間200万人近い乗降客を有する空の玄関口である大分空港から、県内各地への周遊を促す取組も重要であり、18市町村を結ぶキャンペーンも実施している。
 さらに、空港や主要駅など交通結節点を発着するバスツアー「大分ゆめバス」を活用し、別府や湯布院のみならず県内の観光スポットへの誘導を図っている。
 今後も関係団体と連携し、ホーバー就航を契機に、観光客に県内各地の魅力をより広く伝え、周遊促進に取り組んでいく。

■ガソリン減税について
 現在、いわゆるガソリンの暫定税率の廃止に向け、政治的な協議が本格化しており、実現すれば県民の家計負担の軽減につながる一方で、地方自治体の財政運営に深刻な影響を与えることが懸念されます。暫定税率の廃止により、国・地方あわせて年約1.5兆円規模の税収減少となり、特に約5,000億円が地方の財源の減少分になるとされ、総務大臣が懸念を示したところです。
 ガソリン税を財源とする地方揮発油譲与税は、大分県においても、県政運営における重要な一般財源となっています。特に、本県のような中山間地域を多く抱える自治体では、生活道路の維持管理や防災・減災対策、過疎地域における交通インフラの整備など、継続的な投資が求められており、これら財源の確保は県政運営上の重要課題であります。
 県民の負担軽減と地方財政の安定確保の両立は容易ではありませんが、持続可能な県政運営のため、明確な答弁をお願いいたします。
今後、ガソリン暫定税率が廃止された場合、本県への影響をどのように捉え、どう対応されるのか、総務部長に伺います。
(答弁)ガソリンの暫定税率が廃止された場合の本県税収への影響を、国の試算に基づき機械的に試算すると、軽油引取税、地方揮発油譲与税を合わせて年間約50億円の減収となる。これらの税収は、道路整備や維持管理、福祉、教育等、幅広い行政サービスに活用される貴重な財源となっており、廃止される場合の影響を懸念しているところ。
 全国知事会より、暫定税率廃止については、地方の影響等を十分に考慮し、減収に対し代替の恒久財源を措置するなど、国・地方を通じた安定的な財源確保を前提に、議論を丁寧に進めるよう求めている。
 引き続き、国等の動向を注視し、必要に応じて知事会などを通じ、適切に対処していく。
【その他の質問項目】
「物価高騰対策」「日出生台での日米共同訓練」「買い物弱者対策」「大分空港の利用促進」「在宅介護を支える介護人材の確保」「今後の学校部活動」「複数校志願制度」「自転車の交通反則通告制度」

一般質問


木田 昇 議員(大分市選出)
ふるさと回帰支援センターについて
<質問>本県は有楽町のふるさと回帰支援センターで移住相談員を配置してきました。他県においては、移住相談機能の向上を図るべく、体制強化の取組が急速に進展しており、本県においても従来の「住まいと暮らし」に軸足を置いた支援体制から一歩進め、「就業・転職」といった働く場に関する課題にも的確に対応しうる人材と体制の整備が急務であると考えます。
(答弁)昨年度の県内移住者は1,746人で5年連続最多、首都圏からは約400人。東京事務所では仕事特化セミナーを毎月開催し、参加者も増加している。ふるさと回帰支援センターでは、求職者に対してハローワーク分室を通じて求人提供や資格取得支援、伴走支援も実施。他県にない手厚い移住支援施策を移住希望者に活用していだきで移住促進を図る。

教育におけるジェンダーギャップについて
<質問>「都道府県版ジェンダーギャップ指数2025」において、本県は経済分野で第7位、行政分野で第20位、政治分野で第24位と一定の評価を得た一方、教育分野においては全国43位という評価を受けております。教育は多様性と公平性の基盤であり、女性管理職登用の数値目標やロードマップを策定し、構造的格差の是正に中長期で取り組む必要があります。教育長の見解を伺います。
(答弁)公立学校等の女性管理職割合は23.1%と目標未達。長時間勤務や転勤、育児との両立不安が登用回避の要因となっている。ICT活用や休暇制度充実で環境整備を進め、次期計画ではワーキンググループ設置やロールモデル発信など実効的取組を検討し、女性活躍を着実に進める。

高校の特色化について
<質問>少子化が進む中、高校・大学には「選ばれる教育機関」としての特色化が不可欠です。拡大する大学入試の総合型選抜に対応し、探究学習や進路指導の強化、外部人材活用など教育資源の多様化を図る必要があります。本県でも特色ある高校モデルを構築し、子どもの個性と意欲を伸ばす学びを実現すべきと考えます。教育長の見解を伺います。
(答弁)変化の激しい社会を生き抜くには課題発見・解決力が重要である。大学入試でも総合型選抜の比重が増加している。県教委は探究的学びを支援し、推薦・総合型合格者は4年前比1.2倍の522人に増加。今後も地域の強みを生かした特色ある学びを充実させ、社会が求める資質能力を持つ生徒育成に取り組む。

【その他の質問】
「ウェルビーイングに基づいた政策形成」、「大友宗麟公生誕500年に向けた取組」、「二地域居住」、「物流拠点の強化」


 高橋 肇 議員(臼杵市選出)
経済・環境・教育・医療分野で質問
一 中小企業における価格転嫁について
<質問>賃上げの原資に苦しむ中小企業の価格転嫁の促進にどう取り組むのか。
<知事>本県の最低賃金は、国の目安を大きく上回る81円の引き上げで、初めて千円を超える見込み。今定例会で提案している補正予算案では、委託業務の適切な価格転嫁を図るため、変更契約を可能とする賃金スライド制度を導入する。5月に改正された「下請法」の事業者向け説明会を開催し、周知徹底を図る。

二 気候変動対策について
<質問>温暖化や大雨・洪水といった気候変動に対し、対策をどのように行なうか。
<知事>緩和策は、太陽光発電や高効率給湯器、LED証明など、家庭や企業の再エネ・省エネ設備の導入を支援する。熱中症対策として、一時休憩場やクーリングシェルターを拡大し利用を呼びかける。頻発する大雨に備えた治水対策や土砂災害対策など対応を進める。

三 教職員の労働環境改善について
<質問>教職員の不足解消や早期・若年退職者への対策を含め、労働環境改善にどう取り組むのか。
<教育長>早期退職の理由は、精神疾患によるものも増加傾向。きめ細かな健康管理とともに、時差通勤制度や休暇制度を拡充している。今後は、教員の業務量管理・健康確保措置に関わる実施計画を実効性のあるものとし働き方改革を強力に進める。管理職には、職員への声かけや面談など風通しのよい職場づくりに努めるよう徹底し、日々活き活きと子どもたちに接することができる職場環境づくりに全力で取り組む。

四 トンネルの老朽化対策について
<質問>現在の公共インフラは老朽化が目立ってきている。トンネルの数が多い大分県は、トンネルの破損や漏水、路面の老朽化対策にどう対応するのか。
<土木建築部長>トンネル長寿命化計画に基づき、予防保全型の維持管理を導入し、補修工事の平準化やトータルコストの縮減などに取り組んでいる。また、担い手不足や財源確保も今後ますます重要。そこで、着手する優先順位を定め、AIやICTを積極的に活用。老朽化対策の効率化・省力化を図っていく。

五 県立病院の面会制限について
<質問>入院中の患者の安心や精神的支えとして、家族との面会は重要。しかし、面会制限が病院の裁量によって行なわれている。県立病院の対応を伺う。
<病院局長>コロナ禍で禁止していた面会を、5類移行後直ちに再開し、人数や場所など段階的に緩和してきた。一方、院内感染を何としても防がなければならず、医療機能維持のためにも最低限の面会制限を継続している。今後も、安全で質の高い医療の提供に努める。


守永 信幸議員(大分市選出)
「戦争を繰り返さないために」
 戦後80年が経過します。戦後生まれも80代に突入する今日、戦争の悲惨さを体験した方々が少なくなっています。そこで今回の質問では、佐藤知事の平和観と戦争体験の次世代への継承をどの様に考えているかを教育長に質問しました。
 佐藤知事答弁「戦後80年間、我が国は一貫して平和国家として歩み、世界の平和と繁栄に力を尽くしてきた。県民の8割以上が戦後生まれとなった今日、大戦の実体験に触れる機会が少なくなっている。今を生きる我々一人ひとりが戦争の反省と教訓を改めて深く胸に刻み、命の尊さを、次の世代へ継承していくことが私たちに課せられた大きな使命。
 元来、人はそれぞれ人種、宗教によって異なる価値観を持ち、文化や生活様式、政治的背景なども様々。多様性を認め合う社会をめざすことが、争いのない平和な社会を築く第一歩。この考え方は、ビジョン2024に掲げた「共生社会おおいた」の基本目標に重なるものであり、この実現をめざすことが、社会全体の「平和」につながるものと考える。県民一人ひとりが安心して暮らせる社会の実現をめざして県政運営にあたる」。
 教育長答弁「戦争の記憶や教訓を後世に語り継ぐことは、平和な社会を維持していく上で極めて重要であり、教育行政の責務と認識している。戦争体験者の高齢化が進み、学校などで開催する語り部活動が困難になってきた。今後は後世に残すべき戦争資料をデジタルアーカイブ化し公開するなど、戦争体験者の貴重な証言や資料に誰でもアクセス出来る環境を整えたい」。
 守永再質問今、日出生台演習場で日米共同訓練が行われている。大分で米海兵隊がキャンプを張る機会が増えている。住民の安全・安心な暮らしを護る上で日米地位協定における問題点を政府に投げ掛ける姿勢が大切と考えるが、知事はどの様に考えるか。
 佐藤知事答弁「地位協定など外交的なことについては、国が責任を持って取り組んでいるが、私どももその内容を注視して、必要な発信をしていかなければならないと考えている」。
 在日米海兵隊については、訓練内容もさることながら、沖縄などでの隊員による事件・事故の発生が住民を不安にさせる要因となっています。日米地位協定は沖縄に限ったものではなく、米軍が日出生台で演習を頻繁に行う昨今の情勢を踏まえれば、規律ある行動を取るよう縛ることが必要です。

 これらの質問以外に、「多文化共生」、「太陽光発電施設の環境面への配慮」、「建設キャリアアップシステムの活用」、「県のオフィス改革とフレックスタイム制の導入」などについて質問をしました。



2025年第2回定例会

  佐伯湊女島地区不当用地の取得など7議案を上程
  
佐藤知事「慢性的なヤード不足に対応し、既存施設との一体的な利用を」
 6月12日(木)から27日(金)にかけて、2025年大分県議会第2回定例会が開催されました。一般家庭などのエネルギー価格高騰対策を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案4億1,6444万円(累計7,030億9,344万円)が上程されました。
 上程された予算議案で主なものは、佐伯市の佐伯港女島地区埠頭用地の取得で、木材などの保管場所の拡充がを目的としています。面積は4万2,976平方メートルで、予定価格は2億8,281万2千円。佐藤樹一郎知事は提案理由説明で「慢性的なヤード不足に対応し、既存施設との一体的な利用を可能とする」と述べています。
 その他の提出議案は、法改正に伴う県税条例の一部改正案▽県立学校職員などの定数条例の一部改正案―などです。
閉会日の6月27日(金)、本会議で全て可決されました。

ホーバークラフト運用開始
 昨年11月から別府湾の周遊は始まっていたものの、空港アクセスの定期便は訓練中に事故が相次いだ影響で稼働の見通しが立っていなかった大分空港(国東市)と大分市を結ぶ予定のホーバークラフトが、就航に向けて船体や運航の安全性を確認する九州運輸局の検査に合格し、待ちに待った運行が始まることとなりました。

大分県教委、全県立高に「学校運営協議会」設置の方針
 大分県教委は18日、県立高全校に「学校運営協議会」を2027年度までに設置する方針を示しました。教職員や保護者、地域住民らが学校づくりや運営などを共に進める組織としています。既に国東、津久見など9校は設けており、他の31校にも広げる。少子化により入試で欠員が出る高校もある中、地域連携による学校づくりを地元の活性化にもつなげるとしています。
 山田雅文教育長は「高校の魅力向上には、市町村や地元企業などとの連携が不可欠。協議会設置を通じて地域との協働を深めたい」と説明しています。
2月25日(火)、2025年第1回定例会が始まりました。会期は3月27日(木)までとなっています。
 提案された一般会計当初予算案は、総額7,026億7,700万円で2024年度当初予算と比べて128億6,900万円(1.99%)増。2年ぶりに7千億円を超える過去7番目の規模となっています。
  今定例会では、一般質問に若山雅敏議員(宇佐市選出)、成迫健児議員(佐伯中津市選出)、御手洗朋宏議員(大分市選出)が登壇しました。

一般質問


 若山 雅敏 議員(宇佐市選出)
1.宇佐神宮御鎮座1300年を契機とした観光振興について
 本年、宇佐神宮は、「勝負の神様」としても知られる八幡大神を祀った一之御殿の建立から1300年という大きな節目を迎え、さらに、10年に1度の「勅祭」が行われる年にも当たり、まさに歴史的な重要な年となっています。
関係機関と連携し様々な取組を進め、得られる成果を、県北地域だけでなく広く県全体の観光振興に結びつけるとともに、次代にも継承していくことができるよう関係機関が一丸となって臨む必要があると思います。
 そこで、この宇佐神宮御鎮座1300年を契機とした観光振興に、県としてどのように取り組んでいくのか知事に伺います。
(知事答弁)本県が誇る観光資源の中には、歴史文化遺産も数多くあり、宇佐神宮はその筆頭で、ご鎮座1300年を機に、多くの行事が予定されている。5月に将棋の名人戦が行われ、観光含めて経済的にも大変大きな反響があった。今後も、宇佐神宮への理解を深め、その歴史的価値を時代に継承できるよう取り組んでいく。
 また、県内観光地の周遊等を通じて経済効果が県全域に及ぶ仕組みづくりも重要であり、フェリー船内での各地域の体験プログラムのPRや訴求力のある商品造成を促すなど、それらを通じて本県の魅力を体感していただき、県北地域ならびに県全体の持続可能な観光振興につなげるよう取り組んでいく、

2.少子化対策に関連する地域の産科医療について
 現在、分娩可能な施設のない市町村は、8市町村に上るなど、住んでいる地域で産めない状況となっています。令和5年人口動態統計によると、県内の出生数は令和2年から令和5年の3年間で17.4%減少しています。大分市以外の地域では、約21.7%と著しく減少しています。わずか3年間で出生数が5分の1近くも減少することは、当初の想定をはるかに上回る深刻な事態です。
分娩は予測不能な緊急事態に対応する救急医療であり、分娩数にかかわらず一定数の人員配置とそれに伴う人件費が必要です。 現在、出生数が著しく減少する中で、多くの分娩施設がまさに存続の瀬戸際にある状況です。
 結婚支援や子育て支援といった各種の少子化対策を講じたとしても、このまま周辺地域の出生数が更に減少すれば、さらに地元で出産できる施設が失われる市町村が増えることが懸念され、出産施設までの距離が遠くなり、母体や胎児の安全性の確保が困難になるだけでなく、若者の都市部への移住や県外への流出も加速し、県内の少子化がますます深刻化する恐れがあります。
安心・安全に地域で出産できる体制維持のために、地域の産科医療の維持・確保について、どのように取り組んでいくのか伺います。
(福祉保健部長答弁)県の第8次医療計画では、県内1圏域であった周産期医療圏を3つに再編し、圏域ごとに参加医療を提供できる体制を確保することとした。また、産科医不足の対応、また、妊産婦健診等の交通費や宿泊費の支援制度が12市村に拡大するなどの取組を行っている。今後も、関係機関と連携しながら地域の産科医療の確保に努めていく。
 ※十分な回答だと感じられず、経済支援等も含めた様々な少子化対策に取り組むことを要望しました。今後とも県の少子化対策に十分注視していきます。


 成迫 健児 議員(佐伯市選出)
 今回の一般質問では大きく分けて5つの項目について取り上げました。
〇農林水産業における米国関税措置の影響について
 本年1月に米国のトランプ大統領が就任し、数々の新たな方針が打ち出されたことにより、世界各国がその動向に驚きをもって注視し、世界経済の先行きには不透明感が広がっています。その中でも、追加関税措置は、世界経済に大きな混乱を招いております。
 この関税措置により、4月3日からは米国に輸出される自動車に25%の関税が、同月5日からはその他の輸出品目にも一律10%の関税が適用されました。日本との相互関税の取扱いについては、現在両政府で協議中でありますが、一刻も早い解決が強く望まれるところです。
 本県においても、製造業から農林水産業に至るまで幅広い業種で影響が懸念されており、とりわけ、経営基盤の弱い農林水産業では、より深刻な影響が予想されます。仮に米国への輸出が困難になった場合には、他国への輸出体制の強化も含めた対応を進める必要があると考えます。
以上のことを踏まえ、米国も重要な輸出先である本県農林水産業において、今回の米国の関税措置の影響をどのように受け止めているのか、また今後、県としてどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いします。 
(知事答弁)県では、相互関税措置に備え4月4日に相談窓口を庁内に設置したほか、輸出事業者等への影響調査を継続して行っているが、これまでのところ、農林水産事業に関する具体的な相談は寄せられていない。現在、米国とは日本をはじめ各国政府間で協議が続いているが、その多くは合意の見通しが立っていない状況である。引続き今回の関税措置が県内に与える影響を見極めながら、必要に応じた対策を迅速に講じていく。

〇闇バイト対策について
 最近の大きな社会問題として、SNSやネットの掲示板などを通じて犯罪の実行役を募る、いわゆる闇バイトによる犯罪が全国で相次いでおります。闇バイトの内容は、特殊詐欺事件のお金の受け取り役から、住宅に押し入って住民に暴行を加えて金品を奪う強盗事件など多岐にわたり、犯罪の手口もますます凶悪化しています。本県では、闇バイトによる犯罪事件は現時点で聞いたことがありませんが、大変危惧されているところであります。
 昨今の社会状況では、誰しもが思いもよらず闇バイトに巻き込まれる可能性があり、特に社会経験の浅い若者はそのリスクが高いと言えます。闇バイトに巻き込まれないための十分な知識や、巻き込まれそうになったときの対応策を、日頃から身に付けておくことが肝要であります。
 本県においても、啓発動画や街頭・SNSでの呼びかけによる注意喚起に加え、若い世代を対象とした動画コンテストを行うなど、様々な対策に取り組んでいますが、全国的に闇バイトによる犯罪や被害が後を絶たない現状を踏まえると、対策の更なる充実・強化が求められます。
 教育機関との連携を含め闇バイト対策に今後どのように取り組んでいくのか警察本部長に伺います。
(警察本部長答弁)本県では、首都圏等で発生していおるような闇バイトによる強盗事件の発生は確認されていないが、いわゆる受け子が県外からくるような特殊詐欺事件は数多く確認されている。また、県内出身者が県外で特殊詐欺等の犯罪に加担した事例も把握されている。
 そこで、県警では、若い世代を対象に注意を呼び掛ける動画コンテストや、新聞、チラシ、SNS等による注意喚起を実施している。さらに、教育庁等との連携も深め、闇バイトの危険性を理解させる教育にも力を入れている。今後も保護対策等の取り組みも含め、取り組みを強力に推進していきたい。

【その他の私の一般質問】
■水産物の輸出促進について
■市町村と連携した人口減少対策について
■自殺対策について
■学校現場での性教育について


 御手洗 朋宏 議員(大分市選出)
物価高対策及び賃上げの促進について
 先の見通せない国際情勢が続く中だからこそ、県民の暮らしを守るために、足元の物価高対策と持続可能な賃上げの実現がより一層重要だ。物価高対策及び賃上げの促進にどのように取り組んでいくのか。
(知事答弁) エネルギー価格高騰対策として、国の支援対象外であるLPガスや特別高圧電力を使用する一般消費者や中小企業等に対し、県独自の負担軽減策を講じる。資材等の価格高騰の影響を受ける農家に対する支援も継続している。持続的な経済成長には賃金と物価の好循環の創出が欠かせない。中小企業の賃上げを後押しするため、補助事業における「賃上げ枠」を今年度から12事業に拡大した。経営力強化を通じて持続的な賃上げを目指す中小企業向けに、昨年度創設した保証料免除の県制度資金は、78件、約11億円の利用があり、金融面からの下支えも継続する。「大分県政労使会議」では、物価上昇に負けない構造的な賃上げや価格転嫁の円滑化に取り組むことを県内経済団体等と宣言した。引き続き、県民生活や中小企業の事業活動を全力で支え、足下の物価高対策と持続可能な賃上げの実現にしっかりと取り組む。
 
移住・定住の促進について
 県は、2035年の県人口100万人維持に向けて、自然増・社会増の両面から積極的な取り組みを行っている。現役世代や子育て世代といった、将来地域コミュニティを担ってくれる層の移住を進め、定住してもらうことが、地域における高齢化の課題を解決し、今後の持続可能な地域づくりにつながっていくのではないか。
(知事答弁)地域を元気にする若年層を迎え入れることは、地域活性化の起爆剤となることから、若年者や子育て世帯に重点を置いた移住・定住施策を推進している。県が委託する3名のアドバイザーが、個別面談や就職先の斡旋、面接試験対策などを通じて、きめ細やかな伴走支援を行っている。移住前にITスキルの取得や介護福祉士等の資格取得も支援しており、この4年間で172世帯255名の移住に繋げている。本年度からは、金融機関等からのニーズが高いファイナンシャルプランナーの資格取得支援も開始した。東京圏からの移住者に対する国の支援制度に加え、本県独自に、東京圏以外からの移住者にも一世帯当たり100万円を支給するとともに、子育て世帯には子ども一人当たり30万円の加算も行っている。本年10月からは、子育て世帯の移住を重点的に後押しするため、こどもの加算額を50万円に引き上げる。

障がい者スポーツの振興について
 大分県では、長期総合計画において「障がい者活躍日本一」を新たな目標に掲げ、本人の希望や特性に応じた福祉的就労や芸術文化・スポーツ分野等での活躍など、障がい者が支援を受けるだけでなく、社会を構成する一員として、自らの決定に基づき社会のあらゆる活動に参画できる社会づくりを目指している。障がい者スポーツへの支援は欠かせないが、普及・促進はもとより、特に、その振興に必要不可欠な指導者の確保・育成が重要だ。障がい者スポーツの振興にどのように取り組んでいくのか。
(福祉保健部長答弁)昨年度は、障害の有無に関わらず参加できる体験会を県内各地で19回開催し、400名を超える障がい者がスポーツを楽しんだ。パラスポーツを紹介する動画を作成し、その魅力を積極的に発信することにより、参加を促していく。各競技団体に対しては、円滑な運営に資するよう、大会の出場や地域での活動などに要する経費を助成している。毎年、日本パラスポーツ協会公認指導者の養成講習会を開催しており、昨年度は22名が資格を取得した。3月末時点の指導者数は458に上っており、人口当たりでは全国4位。

 このほかに「民間企業のハラスメント対策」「女性への支援」「教育現場の働き方改革」等質問しました。詳細は議会報告「みら☆ともニュース」や動画などでご確認ください。



2025年第1回定例会

総額7,026億7,700万円の積極的な当初予算を上程
  佐藤知事「世の中の変化に対応できる予算案」
 2月25日(火)、2025年第1回定例会が始まりました。会期は3月27日(木)までとなっています。
 提案された一般会計当初予算案は、総額7,026億7,700万円で2024年度当初予算と比べて128億6,900万円(1.99%)増。2年ぶりに7千億円を超える過去7番目の規模となっています。
 昨秋策定した新長期総合計画(2024~2033年度)の実行元年として、防災対策の強化、人材の確保・育成、子育て支援、教育環境整備などの事業費を盛り込んだ積極型の予算を組んでいます。
 歳入は円安で業績好調な大手企業中心に県税収入が増え、過去最高の昨年度比6.8%増の1,469億円。一方、歳出は高齢化の進展などで社会保障関係費は昨年度比3.4%増の940億4,800万円と膨らんでいます。
 預金にあたる財政調整用基金からは90億円を取り崩し、残高は2025年度末時点で245億円となる見通し。行革目標の330億円まで回復できるよう決算剰余金の積み立てや、事業執行段階で節約に努めるとしています。
 借金にあたる県債残高は、後年度に交付税措置される臨時財政対策債などを除いた実質額で6,242億円。目標値6,500億円を下回り、健全性は概ね確保されていると考えます。
 記者会見で佐藤樹一郎知事は「安心・元気・未来創造の各分野にバランス良く配分し、世の中の変化に柔軟に対応できる予算案とした。」と話しています。
 今定例会では、代表質問に原田孝司議員(別府市選出)、一般質問に二ノ宮健治議員(由布市選出)、吉村尚久議員(中津市選出)、福崎智幸議員(大分市選出)が登壇しました。



原田 孝司 議員(別府市選出)
 大分県議会では3月の第1回定例会と9月の第3回定例会において、所属議員3名以上の会派による代表質問が行われます。いずれも、一括質問で再質問はできません。今回、私は久しぶりに代表質問に登壇し、50分間にわたり質問しました。
その中、「大規模災害発生時の透析医療体制」と「国民健康保険税」について報告します。
大規模災害発生時の透析医療体制について
 新たな国民病と言われている慢性腎臓病患者は2,000万人を超えると推計され、人工透析の医療費は年間1兆5,700億円に上り、総医療費の4%を占めるそうです。
 今回、大規模災害発生時の透析医療体制をどのように確保していくのか質問しました。
(答弁)県では、専門医や臨床工学技士、患者団体と連携して、2017年に作成した透析施設災害対策マニュアルにより、平時からの情報連携体制や関係者ごとに取り組みを進めている。
 患者の方々には、災害時に備えて日常の透析情報を記録するなど可能な範囲での事前準備を促している。他方、県内64の透析施設には、平素からの防災訓練や設備点検等の徹底を働きかけている。
 また、医療機関相互の既存の広域災害救急医療情報システムの活用に加え、医療圏ごとに責任者を配置し、まずは各圏域内で透析が継続できるよう、連携強化を図ることとしている。
 さらに、能登半島地震の検証を踏まえ、圏域内での対応が困難な場合の広域搬送も想定したマニュアルの見直しを進めている。
と答弁がありました。
 透析医療だけでなく、大規模自然災害が発生した場合に医療体制に困難が生じる疾病は他にもあります。それぞれの疾病の医療について、その体制を整えていく必要性があると考えます。

国民健康保険税水準の県内統一について
 国民健康保険は、日本の医療制度の根幹ですが、前々から県内の保険税の格差が気になっています。保険税率は、被保険者の所得に応じた所得割、被保険者一人当たりの均等割、一世帯当たりの平等割の3方式の合計で市町村ごとに算出されますが、今年度の税率で、同じ所得、同じ世帯構成である場合、一番高い九重町は一番低い姫島村の約1.7倍の保険税となっています。県内の国民健康保険税水準の統一にどのように取り組んでいくのか質問しました。
 答弁では、2018年から県が国保財政の責任主体となっており、被保険者の医療給費を県全体でまかなうことをなっている。昨年3月、市町村の合意を得て、第2期県国保運営方針を策定し、加入者間の負担の公平性を図るため2029年度からの保険税水準の統一を行うとが示されたとのことです。。

 その他、県政運営、第3期まち・ひと・しごと創生大分県総合戦略、市町村合併、公共交通サービスの需要喚起、農業の活性化、観光振興、教育行政について質問しました。

 今回、議場がリニューアルされ、バリアフリーとなりました。また、大型ビジョンの設置、傍聴席ではモニターにAIによる字幕が表示されます。機会がありましたら、ぜひ議会傍聴に来てください。



一般質問


二ノ宮 健治 議員(由布市選出)
大分県長期総合計画の推進と、計画実現に向けた新年度当初予算での留意点について
 昨年の第3回定例会で、10年後の2033年の大分県の目指す姿を描く大分県長期総合計画「安心・元気・未来創造ビジョン2024」が可決された。
 この計画では、「時代の要請や潮流の変化」として6つの項目が挙げられているが、その中で特に心配するのは、「想定を上回るスピードで進む人口減少」だ。
 出生数の更なる減少に加えて、団塊世代の全員が後期高齢者に突入し、これまでの労働力を提供する立場から支援を受ける側になることから、労働力や介護施設の不足が深刻化することは目に見えている。
 そこで、「時代の要請や潮流の変化」への対応を令和7年度当初予算案に具体的にどのように反映されたのか、併せて、ビジョン2024の推進に向けた知事の考えを聞く。
【知事答弁】
 令和7年度は、ビジョン2024の実行元年として、計画の力強いスタート及び着実な推進に向けて諸政策を積極的に展開していく。
 特に、指摘の「想定を上回るスピードで進む人口減少」は、計画での最重要課題と捉え、可能な限り抑制を図るため、自然増・社会増対策、持続可能な社会の構築などの施策を盛り込んでいる。「時代の要請や潮流の変化」をしっかりと踏まえた大分県づくりを進める。

平成の市町村合併20周年と旧町村部地域等の振興について
 本県では、多くの市町村が合併20周年を迎える。20年を経過した今、県内のどの合併新市も、当初の構想どおりにはなっていないように思える。
 本県では、10年の節目に合併への検証が実施されたで、合併を強力に推進した県として、この検証で明らかになった課題の解決に向けて合併新市とどのような取組を行ってきたのか。また、合併新市における課題をどのように捉えているか、特に疲弊が著しい旧町村部地域等の振興に、どのように取り組んでいくのか知事の考えを聞く。
【知事答弁】
 県内の旧町村部地域等においては、特に高齢化や人口減少が進んでおり、その振興のために3つを柱に取り組みを進めている。1つ目は、地域を支える生活交通の維持・確保。2つ目は、持続可能な地域づくり。3つ目は、農業の振興や企業誘致による雇用の創出などによる地域の元気づくりで、今後も、市町村としっかり連携し旧町村部地域等の振興に取り組む。

るるパークの活性化について
 るるパークが、年間約40万人が訪れる県内でも有数の観光地となっている。そこで、農業振興を兼ねての県内の特産品を使った「るる弁当(仮称)」の提供など、県の「食のメッカ」を目指す取り組みを提案したい。このことも含めた活性化策について部長の考えを聞く。
淵野農林水産部長答弁
 さらなる魅力向上や来園者の増加に向け、遊具のリニューアルなどを行い、親子で楽しめる空間づくりを進める。食の充実に向け、オリジナル弁当の販売、キッチンカー、マルシェの出店増も進めるなど、観光資源としての磨き上げに取り組む。


吉村 尚久 議員(中津市選出)
健康寿命の延伸について
 大分県長期総合計画「安心・元気・未来創造ビジョン2024」では、引き続き「健康寿命日本一」が掲げられていますが、昨年12月に公表された令和4年の本県の健康寿命の順位は、令和元年の男性1位、女性4位から、男性25位、女性10位と大きく後退しており、この結果は重く受け止める必要があると思います。また、平均寿命と健康寿命の差、いわゆる「不健康な期間」の値の令和元年から令和4年の推移において、その差が拡大しており、健康寿命の延伸に向けてどのような取組を進めていくのか伺います。
【知事答弁】
 県全体の健康寿命の延伸に向け、働き盛りの世代も含めた県民全体の健康意識の更なる醸成、健康アプリをリニューアルした新「あるとっく」を4月から本格稼働、高齢者の健康づくりに向け、通いの場の活性化を図ります。また、健康指標の改善を図る市町村への助成を拡充します。さらに「民健康増進課」新設するとともに、多様な主体と連携しながら男女そろっての健康寿命日本一を目指します。

外国人労働者の就業環境について
 外国人労働者に選ばれる国、選ばれる大分県になるためにも技能実習生が困ったときの相談窓口の強化等が重要であり、今後ますます外国人労働者に寄り添った施策が必要になってくると思います。
 外国人労働者が働きやすく、能力が活かされる環境づくりにつながると私は考えますが、外国人労働者の就業環境の改善にどのように取り組んでいくのか伺います。
【商工観光労働部長】
 本県が外国人材に選ばれるための一層の取り組みが必要だと考え、居住環境等の整備に取り組む中小企業への助成、仕事や生活の移動に便利な電動アシスト自転車購入への支援、日本語講習の受講への支援などを実施します。また、外国人総合相談センターではさまざまな相談に対応するなど、多くの外国人に本県に来て、安心して働いてもらうための効果的な取り組みを進めて参ります。

有機農業の推進について
 県内の有機農業には、農家の少なさや慣行栽培の農産物との価格差、雑草や病害虫などの防除対策などの課題が多く、その解決には、まずもって安定かつ大規模な販路の確保が不可欠であると考えますが、学校給食での活用を含めた販路の確保を中心に有機農業をどのように推進していくのか伺います。
【農林水産部長】
 県では首都圏を中心に販路の拡大に向け、新たな出荷者の確保と安定出荷に取り組んでいます。また、「オーガニックビレッジ宣言」の3市では、食育や地産地消などの活動と併せて、学校給食への活用を積極的に行っています。今後は、省力化機械等の導入の支援、研修会の実施、病害虫や雑草対策などの技術の共有が大切であり、優良事例の横展開も進めます。このような取り組みを通じて、有機産地づくりの機運を高めるとともに、販路確保と生産拡大を進め、有機農業を推進していきます。


福崎 智幸 議員(大分市選出)
カスタマーハラスメントについて
 社会全体にカスハラを「やってはならない」という認識を浸透させ、労働者の安全と良好な労働環境を確保することが必要であり、東京都や北海道、三重県桑名市のようにカスタマーハラスメントの防止に関する条例を制定し、働く人の安全と健康を守る姿勢を明確に打ち出していくことが重要です。こうした他地域の取組を参考とし、本県でも、具体的な施策を伴った条例の制定を含め、カスタマーハラスメントの防止にどのように取り組んでいくのか知事のお考えを伺います。
【知事答弁】
 国は、ハラスメント対策の強化の一環として、労働施策総合推進法等の改正法案を今国会に提出する準備を進めています。このように、カスタマーハラスメントの法規制も検討されていることから、県としても、法令の規定に基づき、国の取組とあわせて、県の実情に応じた施策を推進していきます。なお、今月中に改定予定の第4次大分県人権尊重施策基本方針においても、新たに「働く人の人権問題」の項目を設け、職場におけるハラスメントの根絶に向け、相談体制の充実などに取り組むこととしています。こうした法令や県の基本方針のもと、施策を具体化し、関係機関と連携を図りながら、カスタマーハラスメントの撲滅に努めてまいります。

ガソリンの価格表示について
 本県のように自家用車が移動手段として不可欠な地方部においては、ガソリン価格の上昇が県民生活や事業者の経営を直撃しています。価格が高い要因として、ガソリンスタンドにおける価格表示の不明確さがあるのではないかと考えています。県内のガソリンスタンドを見てみると、価格を表示する看板があるにも関わらず、表示されていないことが多く見受けられます。そこで、ガソリンの価格表示について、その適正化を図るために県としてどのように取り組んでいくのか消費者行政を所管する生活環境部長にお伺いします。
【生活環境部長答弁】
 ガソリンは県民生活に欠かせないものであり、県にも「他県と比べて価格が高い」、「なぜ表示がないのか」といった意見が寄せられています。このため、県では平成8年度からガソリンの販売価格と価格表示を独自で調査し、半年ごとに結果を公表しており、店頭でも価格表示の割合は昨年12月の調査では4割近くとなり、開始当初の1割強と比べ上昇しています。
 価格表示の有無は事業者の判断となりますが、県では調査結果や県民意見を基に、事業者団体に対し店頭での価格表示について協力依頼をしてきており、先月も事業者への周知を改めて要請したところです。
 今後とも、県民がガソリン購入時の判断材料にできるよう、調査結果の公表や事業者への働きかけを行い、価格を表示する店舗の拡大に取り組んでいきます。
*答弁を聞き、消費者行政を司る県として、県民生活を守っていくという姿勢や考えが感じられなかったのは大変残念でした。引き続き、ガソリン問題には取り組んでまいります。


2024年第4回定例会

99億5,776万7千円の補正予算を上程  佐藤知事「一刻も早い復旧をめざす」
 11月27日(水)から12月13日(金)にかけて、大分県議会第4回定例会が開催されました。 今回、台風10号や大雨被害の復旧費などを盛り込んだ2024年度一般会計補正予算案(補正額99億5,776万7千円)など13議案が上程されました。
 補正の主な内容は、8月の台風10号で被災した農林水産施設などの復旧と防災機能強化の事業費。7月の大雨で被災した三郎丸橋(日田市)の架け替え工事費等です。
 その他、マイナンバーカードと運転免許証を一体化する手数料条例の改正案、6月に県立農業大学校が出荷した生乳に洗浄水が混入した問題で1,491万8千円を賠償する案などです。
 また、12月6日(金)には、国の補正を受け入れ、物価高対策を中心とする2024年度一般会計補正予算案(補正額62億5,607万4千円・開会日に上程された補正を含めた累計7,171億6,135万9千円)や職員給与に関する条例の一部改正案など2議案が追加上程され、最終日に全て可決されました。
 今定例会では、県民クラブから、一般質問に木田 昇議員(大分市選出)、玉田輝義議員(豊後大野市選出)、原田孝司議員(別府市選出)が登壇しました。

一般質問


木田 昇 議員(大分市選出)
宿泊税について
 大阪府、京都市、金沢市、東京都などで、九州でも福岡県と福岡市、北九州市や長崎市で宿泊税が導入されています。また、沖縄県においても、2026年度に宿泊税を導入する方針を決定したようです。
 本県においても、観光施設の整備、景観保全、ユニバーサルツーリズムへの対応や二次交通整備の課題があります。観光立県大分を実現するための新たな財源を確保するには、宿泊税の導入を検討すべきと私は考えています。宿泊税の導入に関する県の見解についてお伺いします。
【答弁】急増するインバウンドの受入環境整備などを進めるための新たな財源として宿泊税が注目されている。新たな独自財源が確保できるメリットがある一方、宿泊事業者の理解や宿泊客への周知、入湯税との調整など、様々な課題もあるため慎重な検討が必要。引き続き他の自治体の先行事例や導入状況等を注視していく。
住宅耐震化の促進について
 先般の能登半島地震で多くの被害があった石川県では、全国で最も手厚い補助制度があり、自己負担なしで耐震改修ができるとなっています。
 高知県では、南海トラフ地震対策として、住宅向けの耐震化補助金の全申請に対応するとして、補正予算に3億1,300万円を計上し、今後も必要に応じて追加するとしています。
 本県でも、すでに耐震化補助の予算の上限に達したため、耐震診断と耐震改修の補助の受付を終了している自治体もあります。本県でも予算の拡大と併せ、補助制度の拡充が必要であると考えます。住宅耐震化の促進にどのように取り組んでいくのかお伺いします。
【答弁】県では現在、市町村に対し十分な予算確保を要請しながら協力して支援を行っている。耐震改修へ進む件数は約3割にとどまっており、住宅所有者の費用負担の大きさ等が課題として挙げられる。低コスト工法の普及や住宅耐震化の重要性の周知、啓発に努めるほか、補助制度の在り方については市町村の意見を聞きながら検討していく。
米の生産拡大について
 今年の夏に入って全国各地で米不足が深刻化し、令和の米騒動とも言われる事態となりました。新米の店頭価格は昨年より大幅に値上がりし、一時は4割から5割ほど高くなっていたようです。
 米の作付面積は年々減少しています。米の生産が年間に必要なギリギリの量しかないため、このままでは来年も米不足になるのではと危惧されます。
 本県はブランド米を作るポテンシャルは高く、今こそ米の生産拡大に取り組むべきと考えます。米の生産拡大をどのように推進していくのかお伺いします。
【答弁】令和7年は米の需要量が大きく減る一方、生産量は今年と同水準としている。県では、今後の米価動向は不透明感があるものの、将来的な需要の減少を踏まえ、中核的経営体の経営拡大を進め、水田利用型農業の高収益化を推進していく。収量や一等米比率が高い新品種「なつほのか」への転換や継続的な特A評価の獲得などにより高付加価値化を推進する。
〈その他の質問項目〉
 「半導体関連産業の振興」、「一村一品」、「DXの推進」、「青少年のSNSの利用」、「消防・救急医療体制の充実強化」

玉田 輝義 議員(豊後大野市選出)
「環境先進県おおいた」農業分野の脱炭素化は?
 県内各地で行われている農林水産業は、多くの県民が関連事業に従事したり食の恩恵を受けたりしており、いわば地方創生の核と言えます。一方で気候変動による負の影響を大きく受けている産業でもあります。私は、知事が「環境先進県おおいた」と銘打って第4次環境基本計画を進めていくのであれば、農林水産業の生産、流通段階での脱炭素化も県政の大きな課題だとます。
 第4次環境基本計画には、農林水産業の地球温暖化の緩和策と適応策が記述されており、適応策については、栽培管理技術等の開発・普及や温暖化適応品種への転換などを進めるとしており、温暖化適応品種の導入割合については2031年の目標も掲げています。
 一方で、緩和策については有機農業やスマート農業、農業用栽培施設の保温対策の徹底等を計画に挙げていますが、環境先進県おおいたと言う以上、温室効果ガスの排出抑制を進める観点からしてもっと踏み込んだ策が必要ではないかと考えます。
 例えば、農業における再生可能エネルギーの積極的な活用、RE100の取組、省エネ型施設・設備の導入、農業用機械の電動化など2025年のカーボンニュートラルの実現に向けて、野心的な策を講じて温室効果ガス抑制策を加速させるべきだと考え、農業分野における脱炭素化をどのように進めていくのか農林水産部長の見解を聞きました。
 農林水産部長は、適応策と緩和策に一体的に取り組むことを前提に、緩和策については、現在、施設園芸におけるヒートポンプの導入や地熱の利用、畜産堆肥の強制発酵などに取り組んでいること、そして第4次環境基本計画を実施する中で今後、スマート技術の導入やJクレジット制度の利用などを行っていくと述べました。
 2021年5月に国が策定した『みどりの食料システム戦略』では、「2030年までに施策の支援対象を持続可能な食糧・農林水産業を行う者に集中していくことを目指す。農林水産省の補助事業については、2040年までにカーボンニュートラルに対応することを目指す。また園芸施設については2050年までに化石燃料を使用しない施設への完全移行を目指す」ことや「2040年までに農林業機械、漁船の電化、水素化等に関する技術の確立を目指す」こと、また「2050年カーボンニュートラルの実現に向けて農山漁村における再生可能エネルギーの導入を目指す」としています。
 地球温暖化の影響が私たちの暮らしの中にも実感できるようになってきました。製造業やサービス業の脱炭素化はもちろんですが、今後は、日本中で農林水産業の生産や流通過程においても脱炭素化を進める動きが加速していくでしょう。
 農林水産業の脱炭素化という潮流を考えたとき、大分県の農林水産業の脱炭素化は今の状況で十分なのか。環境先進県おおいたの農林水産業の脱炭素化策と言えるのかどうか。私は全国に先駆けた野心的な策を講じていくことが必要だと思います。


原田 孝司 議員(別府市選出)
公益通報者の保護について
 公益通報者保護法は、平たく言えば、従業員が勤め先の不正行為を通報したことを理由に、解雇や降格、不自然な異動など、勤め先から不利益な取扱いを受けることを禁じています。また、2022年の改正では、従業員300人超の大企業に対し、内部公益通報体制の整備などを義務づけました。
 昨年、兵庫県で知事に対する告発を「公益通報」として扱わずに告発者捜し、役職の解任等が行われ、その後、告発者が自ら命を絶った問題が起き、この法律が注目されました。
大分県における公益通報に関する体制の整備状況や、実際に公益通報と認定し審議した実績を含め、職員から通報があった場合の通報者保護についてどのように取り組んでいるのか知事、教育長と警察本部長に尋ねました。
 また、労働者保護の観点から、民間の雇用主に対する公益通報者保護法の周知にどのように取り組んでいくのかに質問しました。
【答弁 佐藤知事他】2006年の公益通報者保護法の施行に合わせて、任命権者ごとに通報の内部窓口を設置している。さらに、手続きの公正性、中立性を十分に確保するため、外部窓口も設置し弁護士に委託している。
 通報受理件数は、知事部局で外部通報が1件、教育委員会で内部通報が1件、県警本部では内部通報の実績はない。いずれの場合も、法を遵守して通報者保護を図り適切に運用している。
ヤングケアラーについて
 大人に代わって家事や家族の世話を日常的に担うヤングケアラーは、今、大きな社会問題となっています。県では、3年ぶりに実施する実態調査を行い、昨年十月にまとまった調査結果によると、県内のヤングケアラーは2,100人と3年前の調査から倍増しており、改めて問題の深刻さが浮き彫りになっています。
 埼玉県など他の自治体では、ケアラー条例やヤングケアラーに特化した条例の制定が進んでおり、いずれも、ヤングケアラー等を社会全体で支えることを目的として、基本理念、自治体の責務や住民、事業者、関係機関等の役割を定め、推進計画や基本方針の策定等を規定しています。
 そこで、大分県においてヤングケアラー条例の制定も含め、ヤングケアラーへの支援にどのように取り組んでいくのか質問しました。
【答弁 福祉保健部長】県では専門職員による相談窓口を開設するとともに、SNS等でも相談に対応している。一方、2023年6月の子ども・若者育成支援推進法の改正により、地方公共団体の支援対象にヤングケアラーが明記されるなど法体系が整備されてきたことから、自治体ごとの条例の必要性は低下しつつある。
 県として、学校現場と連携して実効性のある支援体制を整備することを優先して取り組んでいく。

 その他、財政運営、最低賃金、介護を巡る諸課題、県立高校における全国募集について質問しました。私のHPにも詳細を掲載していますので御覧ください。

 

2024年第3回定例会

101億2,801万5千円の補正予算を上程
 第76代議長に嶋 幸一議員が就任

 大分県議会第3回定例会が9月4日(水)から24日(火)にかけて開催されました。
 開会冒頭、元吉俊博議長が体調不良で議長を辞任したことによる議長選挙が行われ、嶋 幸一議員【自民党・別府市選出】が第76代議長に就任しました。
 上程された議案は、大規模災害に備える防災対策強化事業費などを盛り込んだ本年度一般会計補正予算案(補正額101億2,801万5千円・累計7,001億782万9千円)など31議案です。
 新規事業は、災害時の通信障害発生に備えた代替手段として、県の災害対策本部や各振興局に衛星通信機器を導入する災害時通信強化事業(585万円)。来年4月に始まる大阪・関西万博での大分県ブースの出店準備を進める大阪・関西万博出店事業(550万円)などです。
 また、2023年度会計で出た決算剰余金79億3,982万円を財政用調整基金などに積み立てます。
 その他、県が関係する各種団体の経営状況など報告34件、県行財政改革計画と県長期総合計画の策定案、一般・特別会計の決算認定案などが提出されました。
 最終日に全て賛成多数で可決されました。
今定例会では、県民クラブから、代表質問に二ノ宮健治議員(由布市選出)、一般質問に成迫健児議員(佐伯市選出)、高橋 肇議員(臼杵市選出)、守永信幸議員(大分市選出)が登壇しました。




 二ノ宮 健治 議員(由布市選出)
○農林水産業と商工業の併進と県農業非常事態宣言・行動宣言の進捗状況について
【質問】県の農業産出額は九州最下位、工業生産高は第2位。50年前の「農工併進」は、新産都を誘致し働く場を確保するなど工業の振興に取り組んだ。今回は、当時とは正反対の、工業に比して大きく落ち込んだ農業の引き上げ。
 このままの農政では、10年先に農林漁村は壊滅的になると考える。県政のバランスある発展のための「農工併進」の取り組み。合わせて、県農業非常事態宣言・行動宣言の進捗状況についても伺う。
【知事答弁】行動宣言に基づき、キャトルステイションの整備などを実施してきた。しかし人口減少や気候変動、食料安全保障上の懸念などから、食料・農業・農村基本法の改正など農業情勢は大きく変化。
 これを踏まえた、新たな農林水産業振興計画を策定。また、「農業成長産業化推進本部」を市町村ごとに立ち上げ、県農業を成長産業として発展させたい。
○企業誘致について
【質問】県の企業誘致数は年々増加しているが、大分市や県北・国東地域への企業集積が進み、地域的なバランスが課題となっている。特に、農村部への誘致は、働く場が近くにできることにより農業との兼業も可能となり過疎対策にもつながる。このためには、企業が求める適地の掘り起こしや市町村による新たな産業団地整備に対する支援強化は欠かせない。県の見解を伺う。
【商工観光労働部長答弁】昨年度は市町村合併後で最多の16市町村で企業誘致が実現したが、受け皿となる用地の不足が大きな課題となっている。昨年、県全域を調査して各自治体が計83か所・1102ヘクタールの候補地を選んだ。本年度拡充した用地整備の補助金などで市町村を後押ししていく。
○地域の高校について
【質問】定員割れが続く県立高校が増え、少子化等もあるが「普通科全県一通学区制度」も一因であると考える。未来創生ビジョンでは策定後5年を目途に見直しが予定されているが、県民クラブでは、これからの高校教育のあり方を考える専門部会を立ち上げ、遠隔授業、全国募集、地元自治体の支援などの先行事例を学び提案をしている。普通科全県一通学区制度や高校再編等の検証、地域の高校の存続の方策について伺う。
【教育長答弁】全県一通学区制度については評価もあるが、定員割れ等を心配する声も承知している。地域の高校が選ばれる学校づくりは喫緊の課題であり、検証委員会を立ち上げ検証を行い、地域の高校の存在価値を高める取り組みや遠隔教育の導入など、魅力ある学校づくりに全力を傾注していく。


一般質問


 成迫 健児 議員(佐伯市選出)
今回の一般質問では大きく分けて5つの項目について取り上げました。
〇南海トラフ地震に向けた防災対策について
【質問】南海トラフ地震が発生すれば、瓦礫や津波で運ばれる土砂の発生量が、最大で約3億4,900万トンと東日本大震災の実に約11倍にも上り、こうした災害廃棄物を既存施設のみで処理する場合には、最長で20年もの年月を要するとの推計が、環境省からは発表されている。地震で発生した膨大な災害廃棄物が放置されれば、救助・救援の妨げになると考えられることから、迅速な処理は欠かせない。実際に、今回の能登半島地震においても、今後、災害廃棄物の処理が大きな問題となり、復旧・復興にも多大な影響を及ぼすことが危惧されている。そこで、災害廃棄物の仮置場の確保や迅速な処理に向けた計画の策定などについて、南海トラフ地震に向けた防災対策にどのように取り組んでいくのか知事に伺う。
【知事答弁】事前準備の要となる災害廃棄物仮置場については、県全体の確保目標111haに対 し、約3倍の364haを候補地として選定しており、このうち佐伯市では目標の1.8倍にあたる82haを 選定済としている。 加えて、仮置場からの運搬、選別、処分までの実施手順を定めるとともに、企業・団体 と協定を締結し、計画に基づく迅速な処理体 制の構築も進めている。 また、実効性の確保に向けては、市町村や 関係団体を対象に初動対応に関するワークショップ等を開催するとともに、県総合防災訓練において、実際に廃棄物仮置場の設置や、 運搬手順の確認を行うこととしている。
〇アタマジラミ対策について
【質問】最近全国的に、こどもたちの間でアタマジラミの発生が増えてきていると言われている。シラミは不潔によるものと思われがちだが、清潔にしていても頭と頭の接触があれば寄生する場合があり、特に小学校や幼稚園では、遊びの中や集団でお昼寝をする際など、頭を接触する機会が多いため季節を問わず発生している。アタマジラミは、1年中流行がみられるが、6〜7月の初夏と10〜11月の秋に増加する傾向があり、一度アタマジラミに寄生されると、頭に卵を産んで住み続けるため対処が必要となる。アタマジラミを全滅させる治療は、すきぐしを使って除去する方法、また、殺虫効果のあるシャンプーで頭髪を洗浄して死滅させる方法の二つがあり、皮膚科でも同様の指導を受けるが,いずれも正しい知識がなければそのままになってしまい、アタマジラミが他人に寄生する範囲が広がっていく可能性がある。
 そこで、県内におけるアタマジラミの発生状況をどのように把握しているのか、また、その対策にどのように取り組んでいくのか福祉保健部長に伺う。
【福祉保健部長答弁】保育施設ではこども家庭庁、学校で は日本学校保健会が策定したガイドラインに則した対策を講じることとしており、それぞれの現場での対応を基本としている。なお、その際には、アタマジラミ症についての正しい知識を提供し、差別や偏見が生じないような配慮も求めている。しかしながら、国の調査では発生率が1%程度でそれほど多くない感染症であり、経験不足から現場で対応に苦慮する場合など、 保健所において年間数件の相談に応じている。今後も、感染の予防や対策について適切に助言等を行い、関係者や保護者の不安解消に取り組んでいく。
【その他の私の一般質問】
■多文化共生の推進について
■中体連全国中学校体育大会について
■不登校児童生徒への支援について
■アタマジラミ対策について


 高橋 肇 議員(臼杵市選出)
夜間中学26年4月開校
 今回の一般質問は、「子育て支援」や「夜間中学」、「県民生活における安心の確保」「臼杵津久見警察署の移転」などを取り上げました。紙面な関係上、2点について報告します。
○子育て支援について
【質問】今の支援策は、経済的負担に対するものが主で、子育てで母親たちが何に悩み、何に苦しんでいるのか十分に寄り添えていない。助産師の皆さんは、その悩みを親身になって聞き、解決のため日夜尽力している。助産所など病院以外の専門機関にももっと焦点を当て、産後ケアを中心に子育てをメンタル面からしっかりとサポートできる人材の育成と産後ケアの充実といった、子育てをしている方に寄り添った支援が今必要ではないか
【知事】経済的支援に加え、産婦の産後ケアはこどもを安心して生み育てるための重要な支援の一つ。産後ケア事業では、宿泊型の利用が昨年度500件、またデイサービス型の利用は約900件に上る。加えて今年度から、助産師が子育て世帯に出向く訪問型サービスを12市町で開始し、270件を超える利用をいただいており、県助産師会からは地域での活動の機会が広がったとの声も届いている。今後も、産後ケアの利用拡大と担い手の中核となる助産師の資質向上にも併せて取り組む。
○夜間中学について
【質問】昨年、本県でも夜間中学の設置のため県内6か所で模擬教室を行ったが、その後の夜間中学設置に向けた検討状況が伝わってこない。不登校の子どもたちが増加している現在、おもてに表れていなくても待っている子どもや保護者がいる。模擬教室の参加者の声からも一定のニーズが確認できたので、県教委はここで足踏みをせず、早急に現在の検討状況と今後のタイムスケジュールなど具体的な案を示すべき。
【知事答弁】これまで、県教委では検討会議を設置しアンケートや聞き取りなど行ってきた。昨年度は、模擬教室を実施し31人が参加し、「不登校等を経験した方にとっても大切な学校になる」といった声が寄せられた。今年3月の総合教育会議でも夜間中学設置に向けて確認した。7月の第1回支援委員会では、4月に開校した熊本県の夜間中学の報告をもとに、方向性について検討した。今後とも、様々な事情で教育を受けられなかった方の学びたい気持ちに応えるため、令和8(2026)年4月の開校をめざして準備を進める。


 守永 信幸 議員(大分市選出)
○旧優生保護法の被害者救済について
【質問】本年7月3日、旧優生保護法に基づいて実施された強制不妊手術に関する国家賠償請求訴訟5件の上告審において最高裁判所は国の責任を認め被害者への損害賠償の支払いを命じました。最高裁は、除斥期間の経過により請求権が消滅したとして国が損害賠償責任を免れることは、著しく正義・公平の理念に反し、到底容認することが出来ないとも断言しています。この最高裁判決に対する県の見解について福祉保健部長に尋ねました。
【福祉保健部長答弁】県では、平成31年4月の一時金支給制度の開始当初から、専用の相談電話や窓口を庁内に設置し、広く周知に努めてきた。これまでの相談件数は7月3日の最高裁判決以降の16件を含めて9月1日時点で497件と全国的には多い状況。
 旧優生保護法の下で、子どもを持つ権利を奪われた当事者の方々のお気持ちを考えると、大変心が痛む。
 判決後7月17日に総理が原告団等と面会し丁寧に意見をお聞きした上で、新たな補償の仕組みや、被害を受けた方々への周知の在り方等の検討に着手したと承知している。県としては、今後の国の動向を注視し、新たな動きがあった際は、迅速・適切に対応して、被害を受けた方々の一日も早い救済に努めていく。
【質問】現時点では、大分県が把握できている方々が、どの様に暮らしているのかさえ把握できていない。強制的に手術を受けた方々が、そのことを周囲に知られたくないと今でも考えているのかどうかも判らないまま、本人の申告だけに頼っていては、十分な救済は出来ないと考える。もしも苦しい生活を強いられ、支えてくれる家族もいない状況にあった時、余生を笑顔で暮らせるように整える義務が私たちにあるのではないでしょうか。リストにある方々は高齢になられているでしょうから、迅速に対応できるよう準備を進めるとともに、誤解を払拭する取り組みや個別に対応できる準備を強くお願いしておきます。最後に、この件について知事の思いを伺いたい。
【知事答弁】子どもを持つ権利を奪われて、心身に多大な苦痛を受けてこられた当事者の方々のお気持ちを考えますと、大変心が痛むものでございます。国の真摯な対応と速やかな対策に寄りまして、被害を受けた方々の一日も早い救済と、尊厳の回復を望みたいと思います。



 

2024年第2回定例会

広域交通網整備に向けた副知事人事も
 
6月13日(木)から28日(金)にかけて大分県議会2024年第2回定例会が開催されました。
 今回、1億7,181万4千円の本年度一般会計補正予算案(累計6,899億7,981万4千円)が上程され審議されました。

 補正の内容は、国のデジタル田園都市国家構想のモデル案に採用された要介護認定業務のデジタル化に向けた事業費で、大分市・別府市と共同して取り組みます。財源は政府のデジタル田園都市国家構想交付金などが充てられます。
 開会日に行われた提案理由説明で佐藤樹一郎知事は、「増加が見込まれる要介護認定事務の迅速化と効率化を図る。地域包括支援センターの介護予防プラン策定にAI(人工知能)を導入し、最適なサービス提供につなげたい。」と述べています。
 予算外議案では、毎年5月1日を基準日とする学校基本調査の結果、県立学校及び市町村立学校の児童生徒及び学級数が確定したことによる県立学校職員定数及び県市町村学校県費負担教職員定数条例の改正案などが上程されました。なお、この春に大分市東大道に新設された県立中央支援学校の開校に伴い、県立学校職員定数は94名増えています。
 また、人事案件では、国土交通省出身の桑田龍太郎さんが副知事として提案されました。県の副知事は通常2人体制ですが、厚生労働省出身の吉田一生・副知事が3月末で退任したため、この数ヶ月間、県職員出身の尾野賢治・副知事1人となっていました。
 桑田副知事は、佐藤知事が大分市長時代に副市長をされていた方で、豊予海峡ルート構想作りに関わっていたそうです。広域交通網や地域公共交通整備などの推進に向けた人事だと言えます。
 最終日の採決で全て承認されました。

一般質問


 玉田 輝義 議員(豊後大野市選出)
 改正地方自治法は地方分権に逆行
 今回の一般質問では、(1)国と地方自治体との関係、(2)農業政策、(3)認知症施策、(4)祖母・傾・大崩ユネスコエコパークの4項目について執行部の見解を質しました。
  (1)については、今回の地方自治法改正で非常時に国が自治体に対応を指示できるようになりますが、これを私は地方分権改革に逆行するものだと考えます。質問日の6月19日に改正地方自治法は参議院で可決されましたが、基礎自治体(大分市)の首長を経験した佐藤知事はこの改正をどう評価しているかその考えを聞きました。
 次に(2)について。人口戦略会議が公表した消滅可能性自治体の中に県内の10自治体が含まれています。私は、その解決のためには何と言っても地場産業を振興させることが必要で、本県にあっては特に農業の振興が重要であると考えます。現在策定中の県農林水産業振興計画で、今後、県農業の振興策をどのように進めていくのかを、①「農業システム再生に向けた行動宣言」に基づく取り組みと成果、農協改革の評価と今後の支援など農業振興全般、②農業の担い手の確保・育成、③集落営農組織への支援の以上3点について知事及び農林水産部長の考えを聞きました。
 次に(3)について。昨年の認知症基本法制定後、今年度から「第9期おおいた高齢者いきいきプラン」に基づき高齢者福祉施策が進められています。この中で特に若年性認知症の支援施策について、私は、早期発見・早期対応の体制強化や企業等への幅広い普及啓発、そして診断直後からコーディネーターにつなげる仕組み等がさらに取組が前進するものと期待しています。こうしたことを踏まえて、若年性認知症への対応も含め、誰もがなりうる認知症に対する施策を今後どのように進めていくのか福祉保健部長に聞きました。
 最後に(4)について。祖母・傾・大崩ユネスコエコパークは、2017年6月、ユネスコMAB計画国際調整理事会において、登録地として決定されました。登録して10年経過後にはMAB国際調整委員会に活動内容等を報告するようになっていますが、登録後7年を経過した今、これまでの活動を振り返る必要があると思います。登録により期待される効果として、「国内外への情報発信力の強化による地域活性化」「世界基準の認定によるブランド価値の向上」「環境教育、研究の拠点としての活用」が挙げられていますが、果たして期待通りの効果は出ているか。私は、地域活性化の起爆剤にはなっているものの、ブランド価値の向上、環境教育・研究の拠点についてはまだまだこれからだと考えています。またユネスコエコパークをフィールドとした環境教育の可能性や登山者の安全の確保等の課題もあると思います。そこで、①これまでの取組の総括と今後の取り組み、②三重総合高校におけるユネスコエコパークの活用、③祖母・傾・大崩山系における安全な登山環境の整備の3点について生活環境部長の見解を聞きました。


 御手洗 朋宏 議員(大分市選出)
 議員となって2回目の一般質問では、以下の項目について質問しました。一部報告します。
1 子育て支援(経済的負担の軽減・給食費無償化)について
2 こどもたちを取り巻く諸課題(ヤングケアラー・一時保護)について
3 教員の確保について
4 不正防止に向けた監査の強化について
5.高齢化集落対策について

○ ヤングケアラー
 子どもは自分自身がヤングケアラーという認識を持ちづらい傾向にあると考えられ、周りの大人等の適切な対応が必要不可欠だ。県では、再度の実態調査を行うが、前回の調査結果をどのように施策に反映させているのか。子どもたちへの対応は、教員個人や学校任せにはできず、教育や福祉分野の関係機関等が連携した組織横断的な対応が必要であり、ヤングケアラーの早期発見や切れ目のない支援につなげる取組が強く求められている。ヤングケアラーを取り巻く問題の解決に向け、どのように取り組んでいくのか。
* 知事答弁
 令和3年度に県が実施した小5から高3まで計8万人を対象とした調査では支援を必要とする子どもが県内には千人程度いると推計されたことから、次の3点に力を入れて取り組んできた。1点目は県の相談体制の整備。電話とSNSによる専門相談窓口を開設し、児童・生徒には相談カードを配布して広く周知に努めた。2点目は市町村の支援体制の構築。庁内に配置した専門アドバイザーが、市町村をくまなく訪問して働きかけた結果、全市町村で相談窓口が設置された。3点目はアウトリーチ型支援。児童家庭センター等の職員が弁当を持参し、見守りが必要な家庭を個別訪問する取り組みが3年目を迎え、現在では17市町に広がっており、ヤングケアラーの早期発見につながっている。こうした中、コロナ禍後の現状を把握するため、改めて2度目の失敗調査を行う。速やかに結果を取りまとめ、来年度以降の施策の展開に活用する。

○ 不正防止に向けた監査の強化
 「旅割クーポン不正利用問題」が明らかになって半年以上が過ぎたが、現時点でも全容解明ができていない。多額の不正がなぜ行われたのか、どこに問題があったのかなど、県民の皆さんに明らかにし、新たな問題が起きたときには速やかに公表することこそが再発防止につながる。また、「子ども難病ナビ」に関わる詐欺事件も発生した。不正事案を発見し、さらには防止するために重要な役割を果たすべきなのが、監査委員が行っている各種の監査だ。外部委託の適正性を確認する監査等を行うことも検討してはどうか。また、個別事項を指摘することにとどまらず、同種の事例が今後発生しないように、県庁内でしっかりと共有することも重要だ。本県の監査委員として不正防止に向けた監査の強化にどのように取り組んでいくのか。
* 代表監査委員答弁
 近年、プロポーザルやコンペといった提案競技による委託が広がりを見せていることから、昨年度の行政監査において、これらの業務実施状況を重点的に監査した。加えて今年度の財務監査では、旅割クーポンの不正利用事案等を受け、委託及び補助事業の執行状況を重点項目とし、各所属の監査を実施しているところ。中でも、県が自ら行うべき業務を外部に委ねる委託事業については、委託する理由が妥当か、事業費の積算や実績確認、所属長等による進捗管理が適切に行われているか等を詳細に監査している。これらの監査の実効性を高めるため、不適正事案については直接知事に報告するほか、部局長をはじめ全庁に情報共有を図っている。


 若山 雅俊 議員(宇佐市選出)
 中小企業への賃上げ支援について
 全国的に最低賃金の引上げが進み、各企業においても賃上げが進む中、経営基盤の弱い中小企業においては、十分な賃上げが進んでおらず企業規模間で賃金格差が広がる状況も見えている。
 適正な価格転嫁が進んでいない中小企業や、経営状況が厳しい産業においても継続的な賃上げができるための環境を整え、大企業と中小企業の賃金格差を是正し、県全体の均衡ある発展につなげるためには、これまで以上の中小企業への下支えや支援策の取組を進めることが必要です。今後、中小企業における賃上げの支援にどのように取り組んでいくのかお伺いします。
知事答弁
 物価高騰が続き、人口減少・少子化による人手不足が進む中、県民生活を守るとともに、県内企業がビジネスの維持・発展に必要な人材を確保していくには賃上げの実現が重要。賃金と物価の好循環を確実なものにするため、中小企業が賃上げに踏み出せる環境整備を加速する必要があり、賃上げ原資確保のための適正な価格転嫁対策や「賃金枠」を設け拡大した県の補助事業の利用促進、さらに、金融・経営面からの下支えの支援体制等も構築するなど、複層的な取り組みを通じ、賃上げにつなげていくための環境づくりをしっかりと進めていく。

多文化共生の社会づくりについて
 国内では深刻化する人材不足の中、多くの企業が外国人労働者の採用に取り組んでいる。近年は、外国人労働者が日本を優先的に選ぶ状況ではなくなっており、国はこれまでの技能実習制度や特定技能制度に代わり、在留資格として「育成就労」を創設する法案が今国会において成立させた。各県においても外国人労働者の確保に向け様々な取り組みを進めている状況もある中、外国人が選んでくれる魅力ある県や市町村となる取り組みが更に必要となる。日本語教育や相談窓口の拡大・充実を含め、市町村と連携しながら多文化共生の社会づくりに、どのように取り組んでいくのかお伺いします。
知事答弁
 本県においても多くの外国人が生活を営み、地域に欠かすことのできない存在となっている。また、社会経済の担い手としての期待も高まり、育成就労制度の対応も含め多文化共生の社会づくりは重要。
 外国人が本県を選び活躍していただくためには環境を整えていくことが大切であり、そのために、相互交流・理解の促進、生活支援の充実、日本語教育の充実の三つの観点から、多文化共生の推進に取り組み、今後とも、外国人に選ばれる県になるため、市町村と連携しながら、多文化共生の社会づくりを一層推進していく。

宇佐神宮創建1300年を契機とした観光振興について
来年には全国4万社余りある八幡様の総本宮の宇佐神宮が創建1300年を迎え、秋には10年に一度の勅裁も執り行われる予定である。情報発信と合わせて2次交通も課題であり、県が連携の中心となり支援や下支えを行う中で、それら強化を含め、近隣市ともと連携した観光振興にどのように取り組んでいくのかお伺いします。

観光局長答弁
 宇佐神宮は国内外から観光客を惹きつけられる本県観光の重要な資源の一つ。
 県としても、来年の宇佐神宮創建1300年に合わせ、宇佐・国東半島など県北・東部への誘客に力を入れる。また、地元と連携して情報を発信し、更に、自動車以外で訪れる観光客にバスの実証運行に加え、レンタカーやレンタサイクルも含めた2次交通強化の可能性を協議していく。県立歴史博物館での記念企画や国の補助金を活用した取り組みも進めるなど、しっかり支援していく。

その他の私の一般質問
〇県指定管理施設における従業員の賃上げについて
〇外国人労働者の受入環境整備について
〇食の魅力を活かした観光振興について
〇高速道路料金所のETC専用化について


2024年第1回定例会

佐藤樹一郎知事「人口減少対策、産業の振興、未来へつながる投資」
 2024年第1回定例会が2月26日(月)から3月27日(水)にかけて開催されました。

 佐藤樹一郎知事が就任後初めて組んだ当初予算案は総額6,898億800万円。新型コロナウイルス対策事業が大幅に減ったことで11年ぶりに前年度を下回りました。
 県税収入は1,375億円と過去最高を見込んでおり、佐藤知事は会見で「誰もが安心して元気で活躍できる県づくり、未来に向けて発展するための予算をバランスよく編成できた。財政運営の健全性は維持する。」と述べています。
 2月29日(木)には先議案件として補正案も示されました。会期中には当初予算案を集中審議する予算特別委員会も行われ、閉会日に全て可決されました。
 また、閉会日には、新たな副議長の選出、常任委員会の委員選出と正副委員長の選出、議会運営委員会の委員選出と正副委員長の選出などが行われました。
 今定例会では、県民クラブから、代表質問に木田 昇議員(大分市選出)、一般質問に吉村尚久議員(中津市選出)、高橋 肇議員(臼杵市選出)、福崎智幸議員(大分市選出)が登壇しました。



 木田 昇 議員(大分市選出)
人口ビジョンについて
 本県の現人口ビジョンにおける国立社会保障・人口問題研究所の推計に準拠した人口推計によると、今から約30年後の2055年近辺の本県人口は約80万人と予測されています。
そこで、今世紀末時点で90万から100万人の人口を維持するという現人口ビジョンの目標を見直す考えはないかを含め、まずは本県の30年後の人口ビジョンについて知事のお考えをお伺いします。併せて、そのお考えを新長期総合計画及び次期総合戦略の策定にどのように反映させていくのか、知事にお尋ねいたします。
(答弁)先月公表された人口動態統計の速報値では、本県の出生者数は6,593人と過去最少となり、現行ビジョンの目標人口である約30年後の100万人弱の達成は極めて困難と思われる。しかしながら、少しでもこの目標に近づけるように、新しい長期総合計画案においても、自然増・社会増の両面から人口減少の抑制に取り組むこととしている。
 県の人口ビジョンと次期総合戦略については、今年末に国の人口ビジョンと総合戦略が改訂される予定となっており、そこで示される国の方向性や考え方を十分勘案したうえで、必要な見直しを行う。

不登校対策におけるDXの活用について
 全国的に不登校の児童生徒は増加していますが、昨年10月に発表された令和4年度における本県の小中高校生の不登校は、3,285人と過去最多となっています。
 本県でも様々な不登校に対する取組が進められてきましたが、他県においてはメタバースを利用する事例が見受けられるようになってきました。NPO法人が提供する、小中学生を対象にした無料の不登校支援プログラムのメタバース上の学習支援システムと連携して取組を進める自治体もあります。
 自治体の教育支援センターやフリースクールなど不登校の支援体制はありますが、家から出ること自体が難しい子ども達にとっては通いづらい状況もあります。メタバース運営会社の話によると「リアルな場所にトラウマや恐怖心がある子ども達にとって、小さな成功体験を重ねて心の栄養を蓄える居場所や学びの場になれば」とのことです。
そこで、不登校対策において、DX、とりわけメタバースを活用することについて、教育長のお考えをお聞かせください。
(答弁)ご提案のメタバースによる不登校対策については、導入している自治体も一定数あり、学習活動のためのツールや他社とのコミュニケーションを取る新たな選択肢となり得るものと考えている。
今年度、(他の自治体を訪問し)調査したところ、仮想空間から現実空間につなげることの難しさや、夜間や休日に緊急性のあるメッセージが届いた時の対応等に課題があることが分かった。
引き続き先行地域の成果や課題等を研究していきたい。

遠隔教育システムの活用について
 新年度当初予算事業として「遠隔教育システム構築事業」を計上し、どの地域においても、生徒自らの可能性を最大限に伸ばし、多様で質の高い高校教育を提供するとし「遠隔教育システムの整備等を行う」計画であると承知しております。
 近年の出生数の減少は、小中学校の存続にも大きな影響を与えています。児童生徒数の減少を理由に、県内各地で学校統廃合が進められた結果、「地域の学校」がなくなり地域が衰退してしまったという話も聞かれます。
先ほどの遠隔配信システムを小中学校にも導入することで、地域の学校を存続させることが地域の活性化につながり、ひいては地域の消滅を防ぐ手立ての1つとなると考えます。
 そこで、これまで行ってきた遠隔教育の成果と課題、そしてそれらを踏まえ、地域の高校の活性化や入学者数の確保に向け、遠隔教育システムをどのように活用していくのかお伺いします。また、小中学校に遠隔配信システムを導入する市町村を積極的に支援していくことを検討できないか、見解をお伺いします。
(答弁)県立高校の遠隔教育については、国の事業指定を受け、学校間の連携により、プログラミングや最新測量機器の取扱方法を配信するなど、実証研究に取り組んできた。
来年度は、新たに県内の普通科の生徒に対し、数学や英語などの習熟度別授業を遠隔配信するための拠点を整備したい。
 地域の高校に質の高い遠隔教育を提供することで、生徒の多様な進路実現を支援し、学校の魅力向上や入学定員の確保につなげていきたい。
市町村立中学校では、来年度は技術・家庭科以外の教科でも遠隔授業を行うなど、引き続き市町村教育委員会と連携しながら取組を進めていく。
<その他の質問項目>
「今後の県政運営」「行財政改革」「DXの推進」「交通政策」「観光施策」「多文化共生社会の推進」「災害時の避難支援」「農林水産業の振興」「物価高騰下における土木建築事業の推進」「遠隔教育システムの活用」


一般質問


 吉村 尚久 議員(中津市選出)
地域防災力の強化について
 被災した方が早期に生活再建するためには行政の力はもちろん、自助・共助による住民主体の地域防災力を強化していくことが重要です。寄附や募金を原資とした「災害ボランティア活動支援基金」を設置し、災害ボランティアの活動経費に対し助成したり、事前登録制の災害時有償ボランティアの組織化にも取り組んではどうですか。
 また、防災意識を高める手段として、各地域で行われている炊き出しのレシピを作成したり、それを持ち寄ってのイベントをしたりしてはどうかと考えます。
 更に、市町村と連携し災害時に井戸水を生活用水として提供していただける方を募集し、防災井戸の登録をしてもらい、地域の防災井戸マップの作成を進めてはどうかとも考えます。このようなことを含め、地域防災力の強化にどのように取り組んでいくのかお伺いします。
【知事答弁】
 自主防災組織のリーダー養成など地域活動団体との連携を深め、担い手の強化・拡充を支援します。また、ボタンティア活動を支援するために県社会福祉協議会と連携し、研修の充実、資機材や移動手段の確保など体制強化に取り組みます。炊き出しの支援に取り組むとともに、災害時に住民同士で利用できる防災井戸については、これを登録し、マップを作成している自治体が7市村にとどまっていることから、取組の拡大を働きかけていきます防災井戸の拡大に向けて働きかけていきます。さらに基金については、他県の事例を参考にしながら研究してまいります。

東九州新幹線について

東九州新幹線については、本県としても一日も早くルートを選定し、基本計画路線から整備計画路線への格上げに向け、国に積極的に働きかけをしなければならない時期を迎えているのではないでしょうか。そのためには、これまで以上に県民の理解促進を図ることが必要であり、多額の費用負担を始め、並行在来線の取扱い、地域間格差の拡大、福岡市などへの更なる一極集中などの問題について丁寧な説明が必要と思います。
その上で、私は、東九州新幹線のルート案について、人や物の九州内での円滑な循環や交流促進を目指すためにも日豊本線ルートを基本にすべきだと考えています。そして、20万人経済圏である飯塚・田川地区を通るルートや、北九州空港を通るルートなど具体的なルートの選定について福岡県に働きかけることはできないかと考えます。東九州新幹線のルート案についてどう考えているのか、また、ルートの決定時期やルート選定の判断材料をどう考えているかお伺いします。
【知事答弁】
新幹線の整備には何より地元の理解と熱意が欠かせません。ルートを決定するためには、あらゆる角度からの慎重な検討が必要です。結論を急ぐよりも、並行在来線や地域間格差等の課題を含め議論を尽くし、新幹線について県民の理解を深めてもらうことが大事と考えています。ルート案を決めるにはいろいろな要素があり、これが決めてというものはありませんが、例えば、「ソニックがなくなると困るのか」「ゆふいんの森号がなくなると困るのか」という在来線との調整も含めて、地元の熱意がどのくらいあるのかということは大変大きな要素になると思います。
【その他の私の一般質問】
 自動車メーカーの出荷停止に伴う影響について、交通弱者対策について、教育を巡る諸課題について、中津地域の道路整備について


 高橋 肇 議員(臼杵市選出)
久しぶりの一般質問
 今回、一般質問の主な質疑は次の通りです。
1 県民の安全・安心について
(1) 日出生台米軍実弾射撃訓練について
日出生台での米軍実弾射撃訓練について、改めて県の基本的方針を伺う。
(佐藤知事)米軍実弾射撃訓練に対する県の基本的な姿勢は、将来にわたる縮小・廃止であり、変わりはない。射撃時間の短縮や安全管理の徹底、地元への丁寧な説明、早期かつ適切な情報開示等を国に要請していきたい。
(2)大分分屯地の弾薬庫について
 大分市敷戸の自衛隊大分分屯地の弾薬庫新設について、九州防衛局から十分な説明がなく不安と不信は広がっている。不安解消のため県としてどう取り組むのか。
(佐藤知事)陸上自衛隊大分分屯地弾薬庫の整備について、九州防衛局が昨年5月に各自治会長、11月に近隣住民に説明を行った。県としては、大分市と情報共有や情報収集に努め、不安解消と安全確保に取り組む。

2 教育行政について

(1)教職員の働き方改革について
 2019年3月に「学校における働き方改革に関する取組の徹底」という通知が出されたが、5年経っても現場から楽になったという声は聞かない。業務負担が軽減され本来の教育の姿に戻れば人材は集まるはず。県教委として教職員の働き方改革にどう取り組むのか。
(教育次長)通知を受け、スクール・サポート・スタッフや部活動指導員等の外部人材の活用を推進。また、ICT利活用による業務の効率化も図っており、小中学校共通の校務支援システムを順次整備し、運用を開始する予定。欠員等による厳しい状況が続いており、人員確保に引き続き取り組む。
(2)中学校の少人数学級の実施について
 小学校では21年より順次「35人学級」となっているが、中学校や高校は見直しされていない。県では中2からまだ40人学級。机が大きくなったが教室は広くなるわけでなく、教員の机や子どもたちのカバンを廊下に置かざるを得ない学校もある。中2についても少人数学級を実施すべきだ。
(教育次長)県では、独自に中1で30人学級を導入。中学校の全学級数のうち、35人を上回る学級数は24・4%。少人数学級の拡大には、新たな教室等の整備が必要で国に財政措置を要請してきた。引き続き、国に教職員定数の確保充実と安定的配分を要請していく。

3 中小企業における賃上げ支援について

 大分県下の中小企業・小規模事業者は、県内企業の99・9%を占め極めて重要な存在だが、後継者がいないため廃業するところも少なくない。人材を雇用するためには賃金が大きな比重を占める。大企業は大幅賃上げを表明しているが、厳しい環境の中小企業には賃上げに向けた県からの支援が必要だ。
(商工観光労働部長)成長と分配の好循環には、中小企業・小規模事業者も賃上げに踏み出せる環境整備が不可欠。先月末に大分県政労使会議を開催。賃上げの必要性を共有し共に取り組むメッセージを発出。県では、賃上げを行う事業者に補助率をかさ上げする「賃上げ枠」の対象事業を3事業から10事業に拡大。国の業務改善助成金に県独自で奨励金の上限額を大幅に引き上げた。さらに「価格転嫁の円滑化に関する協定」を締結。中小企業が持続的な賃上げに踏み出せる環境整備を進める。


 福崎 智幸 議員(大分市選出)
水素の利活用について
 知事は、大分市長時代から水素をエネルギーとして活用する水素社会の実現に取り組まれており、知事に就任後も水素利活用協議会の立ち上げや水素利活用計画の策定など取り組まれてきました。水素社会の実現を目指すにあたって、CO2資源化研究所等との産学官連携や先端技術への挑戦を含め、水素の利活用にどのように取り組んでいくのか、お伺いします。
【知事答弁】大分コンビナートの脱炭素化と持続的発展の両立や、豊富な再生可能エネルギー資源の有効活用の観点等から、水素は「未来創造」の大分県づくりで重要な鍵となる技術と考えています。一方で、水素の地活用拡大に向けては、コスト低減等の大きな課題が残っており、大分県も産学官で連携し、水素サプライチェーンの構築に向けた挑戦を計画的に進めていきます。2月に東京大学先端科学技術研究センターと産業発展や学術振興等に向けた連携協定を締結しました。引き続き、CO2資源化研究所等産学官の様々なパートナーとの連携を検討しながら、水素社会実現に向けた挑戦を進めます。

カスタマーハラスメントについて

 労働者保護の観点から、カスタマーハラスメントに関する県の認識及びその防止に向けて今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
【商工観光労働部長答弁】顧客等による著しい迷惑行為、いわゆるカスタマーハラスメント(以下、カスハラと略)は、労働者の就業環境を害するとともに、企業の生産性にも悪影響を与え、パワハラ、セクハラと同様に重要な問題であり、とりわけ、人材不足の中にあって、ハラスメントのない働きやすい職場環境の整備は急務であります。大分県では、冊子「ポイント労働法」や情報誌「労働おおいた」等により労働者や事業主にカスハラ対策の周知・啓発を行っています。また、昨年2月のカスハラ対策をテーマの労働講座に105人の参加、さらには、12月開催のカスハラ対策セミナーでも、企業ほか介護施設や病院関係者等から163人が参加するなど、関心の高さがうかがわれました。引き続き、関係機関とも連携して、カスハラへの適切な対応を促していきます。
【要望】県のホームページでのカスハラの記載を充実していただくと共に、カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」が徹底されるよう、県内企業に対するセミナー等の開催をさらに行ってもらいたい。

改正地域交通法への対応について

 人口減少等による長期的な利用者の落ち込みに加え、コロナ禍の影響により、地域交通を取り巻く環境は年々悪化してきています。このような現状を踏まえ、2023年10月に改正地域交通法が施行され、持続可能な地域モビリティ実現に向けた実効性のある議論が推進されることとなりました。また、真に持続可能な交通体系を構築していくためには、ポリシーミックスの観点から、地域公共交通を「リ・デザイン」し、鉄道からバス等へのモード転換や上下分離方式をはじめとする公有民営方式の導入などを含めた総合的・横断的な交通政策を実施することが重要だと考えます。そこで、昨年10月に施行された改正地域交通法に対する県の認識と、今後の対応についてお伺いします。
【企画振興部長答弁】改正地域交通法は、人口減少が進む中、自治体や交通事業者、NPO等の様々な主体が連携して、地域公共交通の再構築を図ることを目的としています。公共交通機関の運賃については、利用者保護の観点から一定の規制が必要と考えるが、今改正では地域の関係者間の協議により、鉄道とバスの共通運賃や通算での割引き運賃等の柔軟な運賃設定が可能となりました。また、バリアフリー化や災害対策としては、県内6か所の駅におけるエレベーターやスロープ等の設置に加え、別府駅の耐震化についても、国と県でJR九州への支援を行っています。なお、電気料金については、低圧・高圧契約は、大企業も含め国が負担軽減策を実施しており、特別高圧契約についても、国の責任において全国一律の対策を講じるよう、全国知事会を通じて提言したところです。今後は、様々な分野と連携して、地域の暮らしを支える移動手段の確保に努めてまいります



2023年第4回定例会



佐藤樹一郎知事「物価高等対策、国土強靱化に注
  大分県議会2023年第4回定例会が11月27日(月)から12月13日(水)にかけて行われました。
 開会日に提案されたのは、県職員や知事・県議の給与や報酬などを引き上げる条例の一部改正案、ホーバークラフトのターミナルを設置する条例制定案、パトカーとの衝突事故で重い障害を負った男性への和解案などでした。
 また、国の補正予算が11月29日(水)に成立したことを受けて、12月4日(月)には総額358億円3,650万円(累計7,796億7,201万円)の一般会計補正予算案(12月補正)が提案されました。
 内容は、物価高対策に計23億4千万円。LPガス利用者に対し1契約当たり1,500円の助成。燃料の高騰で経営が厳しい乗合バスやタクシーへ燃料費の一部を補助する事業を来年4月末まで延長します。
 また、飼料の値上がりや子牛価格の下落に苦しむ牛の繁殖農家への緊急支援。人材確保が厳しい介護職員や看護補助者の賃金引き上げ経費として月額6千円を助成。
 補正の大半を占める国土強靱化関連(285億9,360万円)では、緊急輸送道路の整備や砂防ダムの建設、ため池の耐震化などを進めます。
 13日(水)の最終日に全て原案通り可決されました。
 今定例会では、県民クラブから、一般質問に成迫健児議員(佐伯市選出)、原田孝司議員(別府市選出)、木田 昇議員(大分市選出)が登壇しました。

一般質問


 成迫 健児 議員(佐伯市選出)
 今回は、スポーツの振興について、子ども食堂について、多文化共生の推進について、男女共同参画の推進など4項目にわたり県の見解を質しました。
 スポーツの振興について
 県民スポーツの推進については、子どもの体力低下や20歳以上の運動・スポーツの実施率の減少などを課題として、どのように今の現状に合った県民スポーツの推進に向けた取り組みを行っていくのか伺いました。
 知事は、令和3年に「第2期スポーツ推進計画」を策定し、各種スポーツ推進施策を展開しているところだが、コロナ禍が3年以上にも及んだ影響などにより、スポーツを取り巻く情勢は変化しているとし、「する・みる・ささえる」スポーツの推進を掲げ取り組みを進めていきたいと述べました。「する」スポーツでは具体的なものとして「おおいた歩得」を活用したスポーツイベントの開催、「みる・ささえる」スポーツではプロチーム等の地域資源を活用し、県民の関心拡大とスポーツに親しむ機運の醸成を図っていきたいと述べました。
 また、スポーツの指導者の資質向上について、全国的にスポーツハラスメントのニュースが尽きない中、指導者の現場のアップデートも含めて県としてどのように対応していくのは伺いました。
 教育長は、スポーツ指導を行う上で、暴力・暴言等のハラスメントは絶対にあってはならないことで根絶を目指すとされ、学校現場の指導者についても、技術だけでなく高いコンプライアンス意識が求められることから、既存の研修の活用や新たな研修制度の創設など、実施主体の市町村と検討を進めていくと回答しました。
子ども食堂について
 2021年6月から県の取り扱いに変更があり、飲食代として料金を徴収する施設は飲食店の営業許可が必要となっており、許可を取得するとなると施設の基準にも影響し、普段から活動の拠点としている公民館等も使用できなくなるなどの課題を取り上げ、食材の確保を含め、子ども食堂の運営についてどのように支援していくのか伺いました。
 福祉保健部長は、一昨年からふるさと納税の仕組みを活用したクラウドファンディングを実施している。今年も11月末までの3か月間募集を行い、県内外の個人や企業から200件の幅広い賛同をいただき、目標を大きく上回る689万円余りの浄財が寄せられたところであり速やかに各子ども食堂に分配する予定と回答しました。
 生活環境部長からは、子ども食堂は誰もが自由に参加できる地域交流拠点としての展開もみせているため線引きが難しい面もある。飲食店営業の取り扱いについては今後検討していくと答えました。
 多文化共生の推進について
 近年の新型コロナや激甚化する気象災害への対応等を踏まえ、将来的に外国人が本県で活躍できるよう、多文化共生の推進についてどのように取り組んでいくのか伺いました。
 企画振興部長は、生活支援のうち、相談対応については、対応言語を令和元年の外国人総合相談センター開設時の17言語から、現在はウクライナ語も含めた22言語まで拡大している。また、地域での円滑なコミュニケーションが在住外国人の生活満足度に直結することから、県内各地の日本語教室の設置・運営支援や日本語教育ボランティアの育成に力を入れている。人口減少が進む中で、在住外国人は貴重な地域社会の構成員であり、今後とも本県が外国人に選ばれ続けるよう、多文化共生の推進にしっかり取り組んでいきたいと答えました。


 原田 孝司 議員(別府市選出)
災害対策について

(1)土砂災害防止対策について
(2)空き家の適正管理について
(3)避難所運営について
(4)災害時のデマ情報への対応について
 土砂災害による人的被害を防止するために、土砂災害警戒区域の周知等を含め、土砂災害防止対策にどのように取り組んでいくのか質問しました。
 また、車中泊避難について、国はエコノミークラス症候群が発生する危険性があるとして推奨していません。一方、「避難所は人が多く落ち着かない」、「子どもや高齢者、ペット等が一緒のため避難所では気を遣う」と車中泊避難を選択される方もいます。
 エコノミークラス症候群を予防し、かつ、快適に車中泊避難できる方法の研究や実験を検討しても良いのではないかと提案しました。
【答弁】 土砂災害警戒区域内の住宅の販売に関しては、宅地建物取引業者が、重要事項として、買主に説明をすることが義務づけられている。
 また、宅地分譲等の目的で開発が行われる場合、土砂災害のおそれがある箇所に対し、適切に対策工事が行われる計画であるかを厳密に審査している。
 車中泊避難場所の運営・管理方法や支援については、現在、国も検討を進めており、こうした動向も注視しながら、さらに安全安心な避難所等の環境改善に努めたい。
教育行政について
(1)教職員の異動方針の見直しについて
(2)夜間中学について
 小中学校の教職員の異動に関して、これまでの「採用から概ね10年3地域」の広域異動は、負担感から他県に人材が流出する要因になっているという指摘があり、昨年10月に今春の異動方針の見直しが発表されました。
 今回発表された教職員の異動方針の見直しの考え方と内容を質問しました。
【答弁 岡本教育長】 教職員の異動については、採用から概ね10年以内に異動する人事地域数を、現行の3地域から2地域とし、配置年数についても職員個人の事情に応じて柔軟に対応するよう見直しを行った。
 さらに、職員が将来的に人事管理を希望する市町村など、個々の職員の希望や事情等をより詳細に把握することとした。
枯葉剤原料の国有林での埋設について
 猛毒のダイオキシン類を含んだ「2,4,5-T系除草剤」は、枯葉剤の原料で、染色体異常を引き起こす非常に危険なものです。この「2,4,5-T系除草剤」が、全国15道県42市町村の国有林に計約26トン埋設されていることが明らかになっています。県内でも別府市の十文字原の国有林に75kgの除草剤がセメントで固められたコンクリート塊として埋められています。
 そこで、別府市に埋設されているこの危険な除草剤の撤去について、撤去に向けた調査が今後どのようなスケジュールで行われるのか、また、県としてはどのようにお考えているのか質問しました。
【答弁】 地域からのご心配の声も踏まえ、県では9月に九州森林管理局に出向き、早期の撤去を要望した。
 国の動向を引き続き注視しつつ、早期撤去等に向けて国に粘り強く働きかけていく。
 この他、財政状況や県職員・教職員の人材確保などについても質問しました。私のHPにも報告していますので御覧ください。


 木田 昇 議員(大分市選出)
トラック運送業における価格転嫁について
(質問)ドライバーの残業規制が適用されることによりドライバーが不足し、物流が滞ることが懸念されている「2024年問題」については、抜本的な解決の見通しがなく、物流の危機が目前に迫っている。
 この解決には、労働の対価としての賃金が適正に運送費用に反映されること、また、陸送でも燃料サーチャージが適用され、適正に算定された運送費用を荷主が負担することが必要。
運送費用は商品の買い手が負担するのが世界的には常識とされているが、日本は売り手が運送費込みで販売する、いわゆる「売り手持ち」の商習慣が根強い。
 運送費が「売り手持ち」になっている日本の商習慣を変える一つの方策として送料無料表示を見直す必要があるり、知事会でもその事を議論すべき。送料無料表示の見直しを運送業における適正な価格転嫁の実現につなげ、それがトラック運送業の体質強化につながると考える。
 トラック運送業における適正な価格転嫁の実現に県としてどのように取り組んでいくのか。
(答弁)トラック運送業における適正な価格転嫁を実現するには、燃料サーチャージ制度の早期浸透が重要と考え、経済団体等と協定を締結するとともに、セミナーの開催や県の広報誌等で周知を図ってきた。
また、荷主との交渉を後押しするため、運送事業者への経営環境改善支援金給付事業において価格交渉の実施を支給要件とした。
 消費者庁では、送料無料表示の見直しに取り組むこととし、一般消費者に向けて意識改革や行動変容を促している。県としても、適正な価格転嫁の実現に向け、国に対しても知事会等を通じてより実効性のある対策を要望していきたい。
大分空港の利用拡大について
(質問)大分空港の利用者はコロナ禍の影響から一時、百万人を割り込む状況だったが、昨年度は3年ぶりに150万人を超える水準まで回復してきた。長らく途絶えていた国際線も今年の6月から韓国線が復活するなど、大分空港の利用は復調に近づいている。
 しかし、かつて200万人を超えていた水準までには到達しておらず、また、昨年9月に県が策定した「大分空港・宇宙港将来ビジョン」で示した乗降客数の目標値(2032年に260万人)を達成するには、国際線・国内線ともに更なる拡大が必要。
 今後どのように国際線及び国内線の路線誘致に取り組んでいくのか。また、空港コンセッション(*)について、現在の検討状況を伺う。
(答弁)国内線は首都圏等からの利用促進に向け、航空会社と連携してデジタル広告等のPRを行うとともに、新たな地域間路線の誘致を目指し、航空会社への働きかけを強めている。
 国際線は本年6月に就航したチェジュ航空のソウル線が好調で、来年1月からの増便が決定したところであり、昨日は大韓航空による冬季の運行も発表された。今後は本県へのインバウンドが増加している台湾を中心に新規路線の誘致を進める。
 コンセッション方式は、こうした路線誘致も含め、空港と周辺地域の活性化に役立つと期待できることから、導入の検討を進めている。2024年2月には、経済団体等を対象とした説明会を開催し、コンセッションへの理解促進を図ることとしており、官民一体となって大分空港の利用拡大を図っていく。
*空港コンセッション:滑走路等の基本施設と空港旅客ターミナルビルなどを民間が一体的に経営することにより効率的な運営をめざす取組
<その他の質問項目>
「男性の育児休業」、「県立高校における生徒の昼食」、「トラック運送業における価格転嫁」、「廃食油の再利用」、「運輸部門における二酸化炭素削減の取組」、「大分市に対する県費補助金」




2023年第3回定例会



佐藤樹一郎知事「原型復旧はもとより、再度災害防止に向けた機能強化を図る
 9月19日(火)から10月4日(水)にかけて大分県議会2023年第3回定例会が行われました。


 本年6~7月に県内を襲った大雨による災害復旧費101億2,823万千円を盛り込んだ総額192億2,450万円の一般会計補正予算案など21議案が上程され、最終日に全て可決されました。(本年度の累計は総額7,438億3,550万円)

 県北部と西部を中心に被災した河川や道路、漁港などの本格的な復旧・復興に着手するとともに、一部の河川は再発防止に向けて改良工事も進められます。
 佐藤樹一郎知事は提案理由説明で「災害復旧では、原形復旧はもとより再度災害防止に向けた機能強化を図っていきたい。また、新たな行財政改革計画についても策定を進め、確固たる行財政基盤の構築に努めていきたい。」と述べています。
 また、最低賃金が大分地方最低賃金審議会の答申通り、現行から45円引き上げ899円となったことが報告され、「県として企業の生産性向上や原材料費や燃料費等の上昇分を適切に価格転嫁できる環境づくりを支援する。」と述べています。
 財政面では、2022年度の決算剰余金を財政調整用基金などに積み立て、本年度末の財政調整用基金残高は329億円となる見込みとなります。行革目標は330億円ですが、目標に近づいていることは評価できます。

大分市東大道に新たに大分県立中央支援学校
 予算外議案では、大分市東大道に新たに開校する大分県立中央支援学校設置に向けた条例の一部改正案が可決されました。

県民クラブから2本の意見書案を提出
 今定例会では、県民クラブから「陸上自衛隊大分分屯地に新設する火薬庫への長距離射程ミサイルの保管に反対する意見書(案)」と、「健康保険証の存続を求める意見書(案)」の2本の意見書案を提出しました。
 大分市敷戸にある大分分屯地の火薬庫増設計画により、「有事の際に攻撃対象となる可能性」や「火災や事故の際の被害範囲の拡大の危険性」が高まるのではないかという地域の方々の不安の声を受け止め提出しました。
 また、マイナンバーカードを健康保険証として利用することは否定しませんが、マイナンバーカードの運用トラブルが続々と報告される中で、システムの総点検を行うとともに、これまでの健康保険証も存続すべだと考え意見書案を提出しました。
 最終日の採決では、残念ながら賛成少数で採択されませんでしたが、大事なことや必要な事は言い続けていきます。
 今定例会では、県民クラブから、一般質問に守永信幸議員(大分市選出)、若山雅敏議員(宇佐市選出)、御手洗朋宏議員(大分市選出)が登壇しました。

一般質問


 守永 信幸 議員(大分市選出)
『高齢社会の公共交通は!』

公共交通を巡る諸課題
 人口減少と高齢社会という現象の中で、高齢者の交通事故抑止策の一つとして運転免許の返納を進めている。そのような中で、運転免許を持たない方々が、行きたい所へ安心して行ける移動の手段が確保されなければならない。大分県下全域で、鉄道の駅をハブとした地域公共交通のあり方を検討し、特に大分市内では人口が増加傾向にある大分市の東部のエリアと中心市街地を結ぶ公共交通について工夫を凝らす必要性を訴え、知事に見解を問いかけた。
 佐藤知事の答弁は、「公共交通は豊かな暮らしの実現や社会経済活動に不可欠なものであるが、人口の減少やライフスタイルの変化等に伴い、多くの課題を抱えている。県は地域の公共交通網が持続可能なものとなるよう、地域公共交通計画を策定してきた。移動弱者に寄り添う公共交通への転換を課題の1つに掲げ、高齢者等の通院・買い物需要に対応した路線やダイヤの改善等を検討していく。また、乗合タクシーや渋滞解消、路線バス維持のための人材確保などに取り組む」とのこと。
 大分駅以南の鉄道の複線化や豊肥線の下郡地区の新駅などについては、「県と日豊本線沿線市町で組織する『日豊本線高速・複線化大分県期成同盟会』が、大分駅以南の全線複線化の早期実現を粘り強く働きかけていく。また、下郡地区の新駅設置は、市長時代から課題と捉えており、関係者の検討状況を踏まえつつ、必要に応じて助言を行うなどの協力をする」との答弁。

SSSによる駅の無人化
 7月1日から大分市内の5つの駅で、新たにスマート・サポート・ステーション(SSS)の運用が始まった。先行して無人化された3つの駅を含め、乗降者数も多く、県としてJR駅の無人化に関する安全対策についてどう取り組むのかを企画振興部長に質した。
 部長からは、「大分市内の5駅に新たにSSSが導入された際に、駅の無人化に関するガイドラインの遵守と併せて、IoT等を活用した、より高性能な安全装置等の研究を進めるように働きかけた。今後とも引き続き利用者の声に耳を傾け、とりわけ障がい者や高齢者に配慮した安全・安心な輸送サービスの提供を行うよう、JR九州に対し要望・提言を行っていく」との答弁がされた。
 万が一のケースなどは、頻繁に発生するわけではないが、その時に守れる命を守るために必要な要員として公共交通事業者と行政との連携で、責任の持てる体制を検討頂きたいもの。

陸自大分分屯地の火薬庫
 大分市鴛野にある陸上自衛隊大分分屯地に新しく火薬庫が2棟設置され、スタンド・オフ・ミサイルが保管される計画が進められている。更に湯布院駐屯地に地対艦ミサイル連隊が発足する計画も公表された。鴛野地域は敷戸団地をはじめ住宅密集地であり、大分大学など若者も集中して居住する地域。スタンド・オフ・ミサイルが格納されると、有事に至った途端に先制攻撃の標的となりかねない。地域住民に対して具体的な説明がなされず、住民は不安を抱えている。県に権限がないとはいえ、国に対して意見すべきではないかと質問した。
 県防災局長からは、「県民の不安などに対しては、国が責任を持って、地元に丁寧な説明お行うとともに、安全対策などに万全を期して頂きたいと考えている。県としても引き続き、国の動きや工事の進捗などを注視し、大分市と情報共有や連絡を密にしながら、県民の不安解消と安全確保に取り組んでいく」との答弁でした。

 これらの質問の他に、プラスチックごみゼロ宣言、農協改革、県職員の定数のあり方、学校における事故防止などについて質問した。


 御手洗 朋宏 議員(大分市選出)
県民の「声」を届ける!!
 みなさんの生活の向上につながることを願いながら、初めて県議会での質問を行いました。
1 DXの推進について
2 教員を取り巻く現状について
3 インクルーシブ教育について
4 大分市東部地域の道路整備について
5 福島第一原発ALPS処理水の海洋放出について
いくつかの質問と、それに対する執行部答弁の要旨を紹介します。
◆ 教員不足への対応について
 必要な人員を配置しないまま働かせ続けていることこそが「学校現場はブラックだ」と言われる大きな要因だ。すべての教職員が生き生きと働ける職場環境にしていくことが、子どもたち一人ひとりの豊かな学びを保障することであり、保護者や地域の皆さんから信頼される学校づくりにつながる。教職員定数が満たされていないことは、憲法で定められた「教育の機会均等」に反する、大変憂慮すべき事態だ。県は「教育県大分」の創造を掲げているが、学校現場の実態をどう認識しているのか。「人員不足」の具体的な解決策、学校現場の「働き方改革」についてどう考えているのか。
【教育長答弁】
 教員不足は、全国的な課題であり、本県においても厳しい状況。また、依然として長時間勤務者が存在することも課題と考える。教員採用試験の見直し等による受験者の確保や、再任用の促進、教員免許状所有者で教職に就いていない方を対象とした説明会を新たに開催することで、臨時講師等の掘り起こしを行っている。国は、働き方改革に関する緊急提言を取りまとめ、来春、教員の勤務制度や処遇改善等に、一定の方向性を示す予定。今後も、国の動向を注視し、教員不足の解消や、働き方改革に向け、職場環境の充実を図っていきたい。
◆ 放課後等デイサービスについて
学校に就学している障がい児に、授業の終了後または休業日に、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進などの発達支援を供与するサービスである放課後等デイサービス事業所を利用する特別支援学級在籍児童も多く、これまで空き店舗等だった建物が事業所になっているのをよく見かけるようになった。「障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる大分県づくり条例」前文にある「障がいのある人が選択の機会を確保されつつ必要な支援を受けて地域社会の中で安心して心豊かに暮らせる日」の実現のためには、組織横断的な取り組みでインクルーシブを実現する施設や制度が必要だ。放課後等デイサービスをどのように充実させていくのか。
【福祉保健部長答弁】
 県内の放課後等デイサービス事業所は、ここ5年間で倍増し、254事業所、2,965人の利用定員となっている。約3割の事業所では、夏休みや地域でのイベント等の際に、放課後児童クラブや児童館との交流を行っている。今後も、放課後児童クラブ等とも連携し、放課後等デイサービスの充実に努め、子どもたちの健やかな成長を支えていく。
◆ 大分市東部地域の渋滞対策について
 大分市東部地区は人口増加などにより、各所で交通渋滞が発生している。乙津川と大野川という2つの川にかかる鶴崎橋をはじめ、乙津橋、高田橋、川添橋周辺の交通渋滞は、地域住民の悩みの種となっている。国道197号の鶴崎拡幅が進んではいるが、それだけでは交通渋滞の解消には不十分だ。4つの橋周辺の抜本的な渋滞解消への取り組みを進めるべきだ。
【土木建築部長答弁】
 東部地域の渋滞対策を重点課題とし、大野川大橋の無料化、県道坂ノ市中戸次線川添バイパスおよび都市計画道路岡臨海線の整備などに取り組んできた。しかし、人口の増加もあり、交通渋滞の解消までには至っていない。現在、国道197号線鶴崎拡幅を実施しており、4つの橋周辺などへの効果も期待される。早期完成に努め、効果を確認する。


 若山 雅俊 議員(宇佐市選出)
県民や地域の願いの実現に向けて
 県議会で初めての一般質問で、緊張の中でも県民や地域の願いを代弁してきました。
1 災害対策について(2項目)
2 小中学校給食費の保護者負担について
3 駅館川地区国営かんがい排水事業について
4 教育現場を巡る種課題について(4項目) 以上の質問を行いました。
その中から抜粋した質問と、それに対する執行部答弁の要旨を紹介します。
◆ 災害対策としての流域治水について
 防災・減災として治水対策に当たっては、県、市町村など行政だけでなく、流域の住民や地域における事業者など幅広いあらゆる関係者により流域全体で水害を軽減させる「流域治水」という考え方が広がってきている。
維持管理の多くを地元地域から要望の多い樋門の改修・自動ゲート化や河川の中に設置された許可工作物管理などについて十分地域と協議・対応しながら多くの関係者と治水を行うべきであり、今後、流域治水対策にどのように取り組んでいくのか。
【知事答弁】
 県としても主要な河川を流域ごとに8つのエリアに分け、関係機関からなる流域治水協議会を設置し、治水対策の全体像を「流域治水プロジェクト」として定め、「氾濫を出来るだけ防ぐ・減らす対策」「被害対象を減少させる対策」「被害の軽減と早期の復旧復興への対策」の3つの視点から対策を講じ、毎年、進捗管理や情報共有を行っている。
樋門のゲート化は、現在、県管理施設の70%を終了し今後も取り組む。許可工作物に対しても、適時河川巡視を行い、許可期限の過ぎたものは撤去指導を行うなど、河川の適正管理に努める。今後とも、各関係者一体で流域治水に取り組む。
◆ 不登校児童生徒への支援について
 不登校児童生徒への支援については、関係者において様々な努力がなされているが、全国の不登校児童生徒数は増加傾向にあり、令和3年度の調査では、小・中学校で約24.5万人、高等学校を合わせると約30万人となり、過去最高になるなど、喫緊の課題となっており、県内でも同じような状況。
県教委が取り組む登校支援員活用事業は、「登校支援員」と生徒との関わりにより登校につながる例もあり、高く評価されている。しかし、中学校のみ配置であり、その勤務条件もまだまだ不十分である。「登校支援員」の拡充・増員、勤務条件の整備などが必要と考える。
それを踏まえ、不登校児童生徒が教室に復帰できるよう、また、誰一人取り残されない学びの保障に向け、今後どのように取り組んでいくのか。
【教育長答弁】
 教育機会確保法の趣旨を踏まえ、学校復帰はもとより、社会的自立に向けた多様な学習機会の保障が重要と考えている。令和3年度から中学校に配置している登校支援員の効果が表れており、本年度は対象校を拡充した。来年度以降も市町村教委の希望にこたえていきたい。県及び全市町村での教育支援センターの設置や県内6か所での補充学習教室や自宅で学べるICT学習教材を活用した学習支援も行っており、今後も、児童生徒一人ひとりに応じた教育機会の確保を推進していく。





2023年第2回定例会



「安心元気」「未来創造」 ~佐藤新知事、所信表明~
 7月5日(水)から8月2日(水)にかけて第2回定例会が行われました。また、会期中には、予算案を集中審議する予算特別委員会が開催されました。



 開会の冒頭、佐藤樹一郎知事が下記のように所信表明を行いました。


 当面する課題にしっかり対応し、力強い推進力で大分県を新たなステージへと発展させていきたい。そのため、「対話」「継承・発展」「連携」という3つの基本姿勢を徹底した上で、「安心元気」「未来創造」を県政執行の方針とし、誰もが安心して住み続けたい大分県、知恵と努力が報われる大分県、誰もが訪れたい大分県づくりに全力を尽くしたい。
 また、安定的な財政運営に向け行財政改革を徹底し、確固たる財政基盤構築に努めたい。

「コロナ禍で失った元気を取り戻す」
 今定例会、佐藤新知事は政策的な事業を計上する「肉付け予算案」を提案。
 補正額は472億5,900万円で当初予算を含めた総額は7,246億1,100万円となり、過去最大となっています。
 コロナ禍で疲弊した地場産業の振興、喫緊の課題である物価高騰や人口減少等の対策にも配分されており、知事のやりたいことが示された予算案だと感じています。
 知事による予算説明の際には、「コロナ禍で失った元気を取り戻し、若者が誇りを持てる大分をつくっていく第一歩として、しっかりした予算が組めた」と言われていました。
長期総合計画を前倒し刷新
 また、県政の指針である長期総合計画「安心・活力・発展プラン2015」(20年に改訂版策定、24年度末終了予定)について、時代の変化に即した行政運用を図るため、その終了を待たず、有識者会議を立ち上げ新たな計画策定作業に入ることを表明しました。
 今定例会では、県民クラブから、代表質問に玉田輝義議員(豊後大野市選出)、一般質問に二ノ宮健治議員(由布市選出)、福崎智幸議員(大分市選出)、吉村尚久議員(中津選出
)が登壇しました。



 玉田 輝義 議員(豊後大野市選出)
どうする豊予海峡ルート
 佐藤知事は、大分市長時代から一貫して、「豊予海峡ルート」整備の実現に意欲を示している。
 対して、広瀬前知事は東九州新幹線整備を目指し、整備計画路線への格上げを国へ要望してきた。
 双方の調査結果をみると費用を上回る効果があるということだが、いずれの試算でも本県の負担額は数千億円以上と巨額になっている。また、2つもの巨額なプロジェクトを抱えるとなれば、財政面で大きな影響が出ることは避けられない。
 広域交通網整備としては、重要課題の一つの中九州横断道路はようやくその全貌が見えつつある段階、東九州新幹線の方はまだこれからという中で、提案理由説明でも四国新幹線に触れていたように、突然、豊予海峡ルートにスポットがあたったという感が否めない。
 知事に、①豊予海峡ルートの推進に当たっての財政的な負担についての認識と、②まずは現在取り組んでいる広域交通網の整備に優先して取り組んでいくべきでは、と2点について考えを聞きました。
【佐藤知事答弁】
 今後、東九州新幹線が整備されると、大分から福岡や宮崎へのアクセスが大幅に改善する。同じ基本計画路線である四国新幹線が計画どおり大分まで開通すれば、新大阪までが2時間余りとなり、東京、名古屋、大阪間のリニア中央新幹線によって形成される巨大経済圏とも短時間で結ばれます。加えて、このように複数の広域交通ネットワークが連結することで、国土の均衡ある発展や、災害時のリダンダンシーの確保など、我が国全体に大きな効果が期待されることから、国家プロジェクトとして進めなければならない。
 議員ご指摘のとおり、地方にも一定の財政負担が生じるが、新幹線・道路とも現在は計画段階のため、具体的なルートや事業主体は今後の検討事項であり、建設費用や負担割合も同様。県としては、引き続き、地方の財政負担が軽減されるよう、国に働きかけていく。
 一方、広域交通網の整備についても、まずは、東九州自動車道や中九州横断道路等の髙規格道路の整備に全力を傾注する。加えて、これらの道路ネットワークが豊予海峡を通じて四国の高速道路とつながることで、これまで取り組んできた髙規格道路の価値も飛躍的に髙まることを念頭に、今後の広域交通網の整備に取り組んでいく。
 豊予海峡ルートにどのように向き合うか。これからの大きな課題です。

一般質問



 二ノ宮 健治 議員(由布市選出)
新知事へ新たな県政の推進を期待!! 
❖農工併進の県政推進について
 本県の鉱業製造品出荷額は福岡県に次いで九州第2位、一方、農業産出額は、毎年佐賀県と最下位争いを展開しており、県民の農業県だとの思いとは乖離しています。
 県は、昭和39年に大分地区が新産業都市として指定されるまでは、農業中心の県でしたが、働く場の創出そして県民所得の向上を目指した「大分地区新産業都市構想」により工業重視の県政が進められてきました。
 今回の提案は、当時とは真逆の、工業に比べ極端に落ち込んでいる農業を引き上げるための「農工併進」政策の推進についてです。
 決して工業県が悪いと言っているのではなく、さらに工業重視の県政が進んでいくと、工業地域に人口が集中し農村から人が消えて崩壊していくとの思いからです。
 県農政も,「大分県農業非常事態宣言」など多くの取組を行ってきましたが、広瀬前知事を以てしても農業・農村地域政策については残念ながら成果を上げることが出来ず、結果、九州最下位の農業産出額となっております。
 一方、工業については、「地域バランス」という点で農村地域への配慮が必要だとの提案です。これまでの企業誘致は、勿論企業の利便性が一番だと思いますが、ほとんどが大分市かダイハツ関連の中津市・宇佐市に集中しています、この地域に、人口をはじめとする一極集中が進んだ結果、農村に人がいなくなり疲弊している現状に、企業誘致の偏りが大きく影響していると感じています。
 地方に働く場が出来れば、農業との兼業も可能となり人も住むようになると考えています。新しい県政のスタートに当たり、農業政策の抜本的な見直しを行い農業・農村が活性化するための農政の推進と、企業誘致においても農村地域へ配慮するなど、農業と工業の均衡ある県政運営が急務と質しました。
【佐藤知事答弁】
 農業と工業のバランスある県政推進を重点課題として取り組んでいく。これまでの県農業は、米中心であったが平成29年を「水田畑地化元年」と位置づけ、ネギ、ピーマンなどの園芸品目主体の農業に取り組んでいる。特に中山間地域での担い手確保等の観点から法人の組織化など中山間地農業の推進に努める。企業誘致ついては、「地域バランス」が重要であり、競争激化の中で企業に選んでもらえるための、地域の特性を生かした企業誘致に取り組む。特に農村部への農業関連企業の参入を積極的に進める。
との一般的な回答でした。


 福崎 智幸 議員(大分市選出)
 「カーボンニュートラルの実現についてカーボンニュートラル」の実現は、持続可能な新しい社会を創造する上で不可欠であることから、本県での取り組みや考え方等について質問しました。
■実現に向けた機運の醸成は
 カーボンニュートラルの実践に当たっては、エネルギー等に関する幅広い知見や事業者が省エネ化を実施するための資金供給など、自治体だけではカバーできない分野も多くある中で、近年、地方自治体と民間企業とがカーボンニュートラルに関する包括連携協定を結ぶ事例が増えてきています。包括連携協定を締結することで民間企業が持つ技術やノウハウを活かせることから実現に向けての力強い推進力になると思います。そこで、民間企業等との包括連携協定を含め、どのように機運を醸成していくのかお尋ねします。
【生活環境部長答弁】
 カーボンニュートラルの実現には、県民一人ひとりの行動変容を促す機運の醸成が大切です。県民運動として取り組むため「おおいたうつくし作戦県民会議」において幅広く議論してきました。本年度は、環境アプリ「エコふぁみ」に自身の活動で削減したCO2排出量が確認できる機能などを追加し、ユーザー数の拡大を目指します。また、中小企業が脱炭素経営に取り組む契機となるよう県独自の新たな認証制度を創設し、取り組みの裾野を拡げていきます。地域の脱炭素化を進める上で効果的な包括連携協定について検討していく。
■森林分野のJ-クレジットへの取り組みは
 県土の約7割が豊かな山林に恵まれている本県が率先していくものが森林経営活動等を通じたJ-クレジットであると考えますが、2023年6月時点で登録状況は本県では3件と少ない状況にあります。昨年8月に森林経営のルールが改正され、主伐後に再造林を行うことで「排出」が控除される仕組みへ変更されました。これ好機を捉え、本県における森林分野のJ-クレジットを推進していくべきと考えますが、見解をお尋ねします。
【農林水産部長答弁】
 森林分野のJ-クレジットを広く普及し、森林の適切な管理に活用していくことは本県としては大変重要であり、早速、県有林においてJ-クレジットの登録申請に向け、約一千haの現況調査をスタートしたところです。現在の試算では、二酸化炭素換算で年間約五千tの吸収量をクレジット化し、令和7年度から最長16年にわたる販売を計画しています。」


 吉村 尚久 議員(中津市選出)
 
一人ひとり学びや暮らしが大切にされる社会に向けて
 県議会での初めての質問でもあり、緊張感の中で次の4項目について一般質問をしました。
1.ひとり親家庭への支援について
2.一人ひとりの子どもを大切にする教育の充実について
3.商工・雇用政策について
4.誰一人取り残さない社会の実現について
教員の確保や広域の人事異動について
 教員不足の実態や原因について、どのように認識しているのか。また、産育休代替については、さらなる制度の拡充が必要だが、教員確保に向けた取組をどのように行っていくのか。教員不足の一因ともなっている「おおむね10年での3人事地域の広域異動」についての見直しの進捗状況はどうなっているか。
【教育長答弁】
 教員不足については依然厳しい状況にあるが、解消に向け、働き方改革や職場環境の改善に取り組んでいく。加配措置の充実や産育休代替教員に対する国庫負担金の対象に正規教員や非常勤職員を認めるなどの改善を国に対して要望していきます。今後とも教員確保に向け、最大限努力していきたい。
 広域人事異動制度については、見直し作業を進めており、10月に公表予定の令和6年度定期人事異動方針に反映させたい。この人事異動方針は、すべての教職員の人事異動に適用されるものであり、既に採用されている教員についても、見直し後の方針を適用したい。
障がい者の福祉の充実について
 駅の無人化等に伴う障がい者等への安全対策について、どのように取り組んでいくのか。また、手話通訳者の確保に向けどのように取り組んでいくのか。さらに、重度障がい者のヘルパー不足解消に向け、待遇改善などにどのように取り組んでいくのか。
【企画振興部長、福祉保健生活環境部長答弁】
 県として、JR九州に対し、無人化に際しては、利用者への丁寧な説明や必要な安全措置を働きかけてきた。今年2月には、JR九州が視覚障がい者を対象に、バリアフリー設備の体験会や意見交換会を行っており、引き続き、このような場を設けるよう要請していく。手話通訳者については、今年度から、1時間当たりの報酬を1700円から2500円に引き上げ、処遇改善をした。
 今後とも、手話通訳者の養成・確保にしっかり取り組んでいく。ヘルパーについては、来年4月の報酬改定に、物価高騰分はもとより、職員の処遇改善分も確実に反映するよう、国に強く求めている。今後も、諸施策を組み合わせながら、ヘルパー人材の確保に努めていく。
 誰一人取り残さない社会や共生社会の実現に向けて、今後とも取り組んでいきたいと思っています。


2023年第1回臨時会

佐藤知事「県民の幸せのため日々全力で、粉骨砕身の覚悟で県政を運営していく」
 5月18日(木)と19日(金)に改選後初めてとなる第1回臨時会が開催されました。
 臨時会では議席の決定後、正副議長の選出、議会運営委員会や常任委員会などが決定しました。
 開会前には佐藤樹一郎・新知事が「県民の幸せのため日々全力で、粉骨砕身の覚悟で県政を運営していく」と挨拶しました。所信表明と「肉付け予算」案の審議は第2回定例会で予定されています。
【写真は、議長選の投票の様子】



※代表質問・一般質問については、後日、大分県議会HPに議事録が公開されます。詳細は、そちらで御覧ください。


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