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平和と民主主義 大分県議会 県民クラブ

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 議会報告 

2022年第4回定例会(2022/11/28~12/14)

広瀬知事、今春で勇退を表明
 大分県議会2022年第4回定例会が11月28日(月)から12月14日(水)にかけて開催されました。
 広瀬勝貞・大分県知事は、提案理由説明での冒頭、今春の知事選に立候補しないことを報告。知事就任期間中、少子化対策など県の課題に取り組んできたこと、残りの期間も大分県発展のために取り組んでいくと語りました。
 予算議案は、10月から販売を開始した「新しいおおいた旅割第2弾」が好調なことから、割引原資として国からの補助金を活用して26億円の追加の補正案を上程。
 予算外議案は、大分県立病院における一般医療と感染症医療の両立体制を強化するための医師・看護師・臨床工学技士など職員定員の増員を行う大分県職員定数条例の一部改正案。人事委員会の勧告を基にした職員の給与に関する条例等の一部改正案など15議案が上程されました。
 12月5日(月)には物価高騰の負担軽減や観光活性化策などを盛り込んだ本年度一般会計補正予算案(補正額400億2,107万2千円・累計7,747億1,711万円)が追加提案されました。併せて、決算特別委員会の2021年度決算関連議案の審査結果について「事務事業などは議決の趣旨に沿っておおむね適正な執行がされ、総じて順調な成果を収めている」と報告され、認定されました。
 最終日に全て可決されました。
 今定例会では、県民クラブから、一般質問に二ノ宮健治議員(由布市選出)、原田孝司議員(別府市選出)、尾島保彦議員(宇佐市選出)、玉田輝義義淵(豊後大野市選出)が登壇しました。

一般質問

 二ノ宮 健治 議員(由布市選出)
大分県版地方創生について
 8年前に「地方創生総合戦略」が閣議決定され、大きく「人口減少の解消」「東京一極集中の解消」の2点が示された。ようやく国も本気で「地方を元気にする」取り組を始めたと歓喜したことを思い出している。しかし8年が経過し、人口減少はさらに加速し、東京一極集中も解消されず、地方は疲弊するばかりである。
 なぜ、「地方創生」が進まないのか。それは、国が示した地方創生戦略の基本は「人口減少と地域経済縮小の克服」で、この構造的な課題の解決に国が先頭に立ってやらなければならないところを、「地方が自ら考え、責任を持って取り組むことが何よりも重要である」として、地方に押し付けたことに起因していると思っている。
 「人口減少の解消」「東京一極集中の解消」は地方が主体でできる課題ではなく国家戦略でも難しいと思っている。
 では、どうすれば地方が元気になるのか。地方・農村は、食料の供給基地の役割を担っており、国家戦略としての価格保障制度の導入など「農業への手厚い保護」により、「農業で生活できる」環境を整えることが、農村から都市への人口流失に歯止めをかけ、都市から人を呼び込み、日本の農地を守り食料を確保し地方を元気にすることに結び付き、地方創生の一役を担うことにもなる。
 勿論、地方創生が単に農業を守ることだけでは達成できない。企業誘致や宇宙港、ドローン産業、新しい起業も必要である。
 こうした地方創生を巡る経過を考えるにつけ、国主導のこの地方創生は進まなかったと考えるが、知事の考えを聞く。
(知事答弁)
 地方創生は国よりも早く取り組み「地方創生は大分県から」との気概で取り組んできた。今日の少子高齢化は長い年月かけて形成された人口行動に起因し、回復には相当な期間が必要で、自然減を社会増で補う政策を行う。大分県版地方創生をDXで加速させていく。

 地方創生は、知事回答の「少子高齢化は長い年月かけて形成された人口行動に起因」のこの部分を、国家戦略としての人口増加政策に切り替えていかなければ「人口減少と地域経済縮小の克服」はできない。地方の力だけでできる問題ではなく、今の政策を続けていけば地方は確実に消滅していくと考えている。
 この他に、食料自給率と農業の振興で(米粉利用の促進と「なつほのか」の認知度と価格の向上)、大分川水系における治水対策、中山間地における小学校の在り方についても質問した。


 原田 孝司 議員(別府市選出)
教職員の広域異動見直し
 現在、教職員の大量退職に伴う大量採用が行われているものの、受験者数の減少とともに受験倍率も低下し、採用予定数の確保自体が困難な危機的状況にあります。
 本県では、教職員に「採用から概ね10年3地域」の広域異動が実施されています。これは、教育改革の一環として2012年度に導入されたもので、周辺部の教職員確保などに効果がある一方、その負担感から他県に人材が流出する要因になっているという指摘があります。
 10月に開催された広瀬知事と県教育委員による大分県総合教育会議では、教職員の人材確保や育成について意見交換が実施されましたが、広瀬知事は「制度を維持しながら、教職員の負担感がなくなるよう改善してはどうか」と発言し、見直しを行うと報道されました。
 周辺部の教職員不足を解消するためには、私も広域異動は必要だと考えていますが、現在の制度はあまりにも負担を強いていますから、今回の見直しを始めるという方針を支持します。
 こうしたことを踏まえ、教職員の人材確保及び育成についてどのように考えているのか知事に質問しました。また、教育長に「採用から概ね10年3地域」の広域異動について具体的にどのように見直していくのか、スケジュール面も含め質問しました。
【答弁 広瀬知事】大量退職期を迎える中、教職員の人材確保は喫緊の課題である。一次試験の免除拡充や他県教諭特別選考などを行っているが、教育委員会にはさらなる工夫をしてもらいたい。一〇年の間に何度も広城異動を繰り返すことは、教職員への負担が大きいという意見があることも聞いている。
 広域異動の制度を維持しながら、教職員の負担感を軽減するよう改善する必要があるのではないかと指摘したところである。教育委員会には市町村教委の意見も聞きながら魅力的な職場環境の構築に向け検討を進め、できるだけ早く結論を出してもらいたいと考えている。
【答弁 岡本教育長】来年一月に予定する市町村教育長会議を皮切りに、できるだけ早く検討を進めたい。

 
この他、再任用教職員の処遇改善、特別支援学級の学級編制、新年度予算の歳入の確保、オンライン診療や後期高齢者医療制度など医療や高齢者を巡る課題、SNS上の誹謗中傷対策、地域公共交通について質問しました。
 私のHPに詳しく報告していますので御覧ください。



 尾島 保彦 議員(宇佐市選出)
障がい者雇用の促進について
 今回の質問では、人口減少対策、小規模集落対策、障がい者の就労支援、県立学校の諸課題、農業問題等について行ないました。
【質問】複数集落が連携協力して集落機能を維持していくネットワーク・コミュニティ推進事業の今後の取り組みについて
【答弁 企画振興部長】人口減少が特に進む山村・離島などを中心に、これまでに構築した集落を含め、令6年度までに2,125集落をカバーするネットワーク・コミュニティ構築を目標としている。そのため、専門家を派遣し、地域で円滑な話し合いや計画づくりができるよう、地元自治体と連携しながら支援している。
【質問】本県の障がい者雇用率は令和3年実績で2.59%と前年度に比べて若干伸びているが全国1位の奈良県2.88%らと比べると見劣りする。全国順位は7位となっているが、障がい者雇用をどう促進していくのか。
【答弁 知事】全国的に達成企業割合が低下する中、本県はその割合を伸ばしている。企業への働きかけの強化で、特に従業員300人以上の未達成企業41社には県と労働局が合同で訪問し、人材を紹介するとともに支援制度の活用を促している。今年度から知的・精神障がい者を新たに5人以上雇用する企業等に、受け入れに必要な環境整備の支援を開始した。引き続き、障がい者雇用率日本一の奪還を目指していく。
【質問】大分市、別府市以外の県立高校入学者の定員割れが激しくなっている。各市町村の中学卒業生がどの程度自分の住む市町の高校に進学しているのか。
【答弁 教育長】大分・別府両市以外においては、地元県立高校への進学率は過去3年間全体平均の50%前後で推移している。引き続き、すべての高校において生徒の希望や保護者のニーズに応えられるような、魅力・特色のある学校づくりに努めるとともに、地域と連携・協働した取組を推進する。
【質問】県の荒茶生産量は令和2年実績で549tと増産傾向にある。背景にはドリンク茶の成果が挙げられるが、更なる事業拡大の見通しについては。
【答弁 農林水産部長】県ではドリンク茶需要の高まりを受けて、株式会社伊藤園と茶産地育成協定を締結し、合計200haを目標に産地拡大を進めている。園地造成や新植、機械導入、防霜施設の整備等を支援し目標の達成を図るとともに、成園化に向けた栽培指導等を行い、より一層の生産拡大を目指す。


 玉田 輝義 議員(豊後大野市選出)
「安心」の核をなす3つの日本一に向けた取組について
【質問】
広瀬知事は、2015年に今後10年間の県政運営の道しるべとして、大分県長期総合計画「安心・活力・発展プラン2015」を策定し、特に「安心」の分野では、子育て満足度、障がい者雇用率、健康寿命の3つの日本一の実現を目指し、県政運営に当たってこられた。
 計画の最終年ではないが、現時点の成果として、①子育て満足度は、重要指標の一つである合計特殊出生率が、2015年の1.59から2021年に1.54と順位が低下。障がい者雇用率も全国順位が2014年の2位から2021年は7位と低下。しかし健康寿命は、2016年に男性36位、女性12位から、2021年に発表された2019年時点の順位が、男性1位、女性4位と飛躍的に順位を伸ばした。
 これら3つの日本一を目指す取組により、どのような大分県を創造しようとして来られたのか、知事のその思いと、これまでの成果に対する評価について伺う。

【答弁:広瀬知事】私が就任した平成15年は、一方で少子高齢化の進行、他方で長期にわたる景気低迷のトンネルの中、先行きが見通しにくい時期だった。
 そうした時にあっても、やはりこの大分県は、県民の大事な生活の場であり、仕事の拠点でもあることから、求められているのは、安心・活力・発展の大分県づくりであると考えた。3つの日本一は「安心」の礎として、プラン2015に枢要な施策に位置付けている。
 子育て満足度日本一には、若い世代が安心して子どもを産み育てられ、子どもが心身ともに健やかに育つ大分県づくりという思いを込めた。国に先駆けた県独自の施策を行い、妊娠・出産、子育てまでの切れ目ない支援に注力してきた。
 健康寿命日本一では、県民が総ぐるみで健康づくり運動を展開し、一人ひとりが健康で活力あふれる人生を送ることができる社会の構築を目指している。昨年の快挙は、これまでの県民の努力が結実したものと考えている。
 障がい者雇用率日本一の目指すことろは、障がいのある方も自分が望む地域で自立して暮らすことができる社会の実現だ。雇用自体は上昇傾向にあり、昨年度の一般就労者数は過去最多となった。
 3つの日本一の実現には道半ばではあるが、県民とともに一歩ずつ歩んできたことで、目指す社会へ着実に近づいてきたのではないかと考えている。






2022年第3回定例会(2022/9/7~26)

広瀬知事「事業者まで迅速・確実に届くよう、遺漏なく対応していく」
   9月
7日(水)から26日(月)にかけて、大分県議会2022年第3回定例会が開催されました。素案の段階では27日(火)が最終日となっていましたが、同日は安倍晋三元首相の国葬と重なり、執行部や議会から参列者が出る可能性もあるとして開会日に変更されました。
 予算議案として、補正額92億898万円の一般会計補正予算案(既決予算額7,228億8,944万円)など29議案が上程されました。内容は、原油や物価の高騰が影響する企業や社会福祉施設への支援策。中小企業・小規模事業者の事業継続と雇用維持として、県制度資金に1千億円の新規融資枠を設定し今後の資金需要に備えるとしています。
 一般議案では、職員定年引き上げなど新制度の運用に向けた条例の一部改正案、大分県マリンカルチャーセンターの解体工事契約案、2023年度中に就航予定のホーバー旅客ターミナル新築工事契約案(2面にイメージ図を掲載)などが上程。また、県の各種関連団体の経営状況についての報告がありました。最終日の採決で、全て可決されました。

全数把握の見直しと独自の仕組みを導入
 現在、大分県では、入院病床を535床、宿泊療養施設を1,370室と過去最大数を確保していると報告しています。この宿泊療養施設の活用と、自宅療養もできるだけ行っていただくことで、医療関係者の負担軽減に努めていくとのことです。
 政府はこれまでの全数把握から、把握を高齢者ら重症化リスクの高い患者だけに限定し、軽症者が自宅療養中の体調急変時に相談ができるフォローアップセンターを全都道府県に設置すると発表しました。
 大分県でも全数把握を見直し、自分で検査して陽性が判明した方や届出対象外の陽性者の方も、新たに開設する24時間体制の健康フォローアップセンターに登録をすれば、支援を受けることができるという独自の仕組みを整えていくとしています。
 今定例会では、県民クラブから、代表質問に木田 昇議員(大分市選出)、一般質問に平岩純子議員(大分市選出)、小嶋秀行議員(大分市選出)、守永信幸議員(大分市選出)が登壇しました。




①物価高騰下における賃金引上げについて
(質問)ウクライナ危機などの影響により、世界規模で不確実性が高まり、原油や穀物の供給不足が長期化し、世界的に物価高騰の状況が続いている。大分地方最低賃金審議会は、2022年度の県内の最低賃金を32円引き上げ、854円とする答申を大分労働局長に提出し、10月5日から適用される。
現下の経済状況では企業側も思い切った賃上げに慎重にならざるを得ない。物価高に苦しむ労働者を支援するため、「賃金が上がる経済」を目指し、県としても賃上げを促進していくべきと考えるが県の見解は?
(答弁)先の6月補正で国の業務改善助成金の対象となる事業者の負担を軽減する制度を予算化した。加えて、生産性向上と賃金引上げを併せて行う事業者を支援する制度も新たに創設した。持続的な賃金引上げを可能とするには、消費の活性化や労務費の上昇分を適切に価格転嫁できる企業間取引の適正化などを支援することも必要。今後とも、中小企業等が賃金引き上げに踏み出せる環境づくりに取り組む。
②子どもに関する施策について
(質問)来年四月に発足する「こども家庭庁」は、児童虐待や子どもの貧困対策など、主に厚生労働省や内閣府が所管してきた施策を一元的に担うこととされた一方で、幼児教育や義務教育は、引き続き文部科学省が担当するとのこと。子どもを取り巻く様々な問題を巡っては、福祉と教育の両部門で並行して対応する必要があるので、教育部門に関しても、「こども家庭庁」が積極的に関与できるようになってもらいたい。
県は「こども家庭庁」に何を期待し、今後どのように子どもに関する施策に取り組むのか?
(答弁)「こども家庭庁」には次の三つを期待している。一つは、省庁の縦割りを排すべく大胆な調整機能を発揮し、切れ目のない支援策を強力に推移していただきたい。二つは、子どもの視点に立ち、子どもの最善の利益を常に第一に考える「こどもまんなか社会」の実現。三つは、思い切った支援策の拡充と、そのための安定的な財源確保に取り組んでいただくこと。今後とも、「こども家庭庁」と連携して、全ての子どもが誰一人取り残されることなく、健やかに育つことのできる大分県を築いていく。

【その他の質問項目】
・社会経済の変容を踏まえた地方創生、・大分空港・宇宙港将来ビジョン、・業務継続計画、・コロナ対策における情報発信、・半導体産業の活性化、・大分港大在地区の利用促進、・ポストコロナを見据えた観光振興、・部活動の地域移行、・将来を担う県職員の確保、・労働委員会における相談体制


一般質問

平岩 純子 議員(大分市選出)
人権が大切にされる県政を願って

 ここ数年、世界で起こる様々な事象を受け止めながら、決して心穏やかに生活できない、でも何もできないちっぽけな自分を感じています。
 ロシアの侵略、核共有論、独裁者の出現、「日本は民主主義国家だ」と言われてきましたが、民主主義を唱える前に人としての何かが欠落している社会に生きながら「人権意識が欠落しているのでは」と考えます。
 県では、人権尊重社会づくり推進条例の下、人権尊重の温かい大分県づくりに努めてきましたし、これからも続けていきたいと知事は言われました。
 女性支援法が議員立法で成立しています。これまでの困難な問題を抱えた女性への支援は、「保護」を目的としたものでしたが、新法では「救済」にとどまらず「支援」を根底に置き、婦人相談所の機能も充実させ、民間との協働を図り、女性が抱えている就労・貧困・暴力・家庭関係などの問題と丁寧に関わりながら女性とその子どもへの支援を充実させていくと答弁されました。 
教職員不足は、深刻です。全県で53名(義務制49名、特別支援2名、高校2名)不足しています。教育関係者は常時人探しをしていますが、解決できませんし、半ば諦めています。さらに今年の教員採用試験競争倍率は小学校1,0、中学校1.0でした。来年度は今以上に厳しいことになるということです。
 教員不足には様々な要因が挙げられますが、最も大きな原因は、2011年に始まった「概ね10年3地域」制度だと考えます。教員は、地域に認められ保護者と地域の方々と教育を継続しますが、それが十分できない状況は、子どもや保護者に対して安全・安心な教育ができていないということ、そして大分県を敬遠する若者の原因になっています。「対策会議を持って行き過ぎた広域人事を解消するべきだ。」この10年言い続けてきましたが、県教委の答弁は「採用試験の見直しや再任用の促進を図るとともに、あらゆる手段を講じて人材育成に取り組みたい」といつも通りの域を出ることはありませんでした。質問のたびに毎回裏切られ残念です。
 その他、「関係人口づくりについて」「外国語を母国語とする児童・生徒の支援」「夜間中学」「コロナに関する諸課題」について質問しました。
 詳細は、HPに掲載しています。


小嶋 秀行 議員(大分市選出)
空港までの鉄道の建設も選択肢の一つ


 第3回定例会では、以下の一般質問を行いました。(1)宇宙港を核とした振興策(及びアクセス)について、(2)豊予海峡ルートについて (3)ネット・リテラシー教育(及び動画の活用)について (4)アーバンスポーツについて、(5)線状降水帯発生予測の活用についてです。
今回の質問は、①大分県の今後の課題、また、②青少年の教育と活動環境、そして、③防災対策の課題を柱に、知事はじめ執行部へ問いかけしました。
 宇宙港がこれから本格化し、バージン・オービット社とシエラ・スペース社がアジア初の水平型宇宙港実現にむけ取り組まれている中で、「大分空港・宇宙港将来ビジョン」が検討されており、今後の事業展開次第では世界各国から注目されることとなります。その際、近隣自治体を含めた振興策をどのように取り組むか」を聞きました。これに対し知事は、「①宇宙関連産業の創出・集積、②新たな観光需要の創出、③教育・研究の振興取り組む」と応え、「本県がアジアにおける宇宙ビジネスの中核拠点として認められるよう取り組みを進める」とも述べました。また、宇宙港までのアクセス改善をどう取り組むかについて、企画振興部長は、「杵築から空港までの鉄道路線の建設も選択肢の一つ」と応えました。
 豊予海峡ルートについては、大分県と大分市との取り組みに大きなギャップがあるなかで、ここ数十年間動きがなく、これから30年間同じ状況が続くことが気になる点を指摘しました。県は「まずは、充実したフェリー航路により、海峡間の人と物の流れを増やし交流の軸を太くすることが重要」と応えました。
 ネット・リテラシー教育については、「ネット利用の低年齢化や情報化が進む中、ネット・リテラシーを含む情報教育は、ますます重要。各学校では、学習指導要領に基づき、小・中・高を通じ、児童生徒の発達段階に合わせて、各教科はもとより、特別活動や生徒指導等の中で情報モラル教育を行っている」と答弁がありました。
 アーバンスポーツについては、2020東京オリンピックで話題となり競技者が増加傾向にあるスポーツだが、練習場や公式の試合会場が極めて少ないことを指摘し、練習環境を改善するよう求めました。
 線状降水帯発生予測の活用については、気象台の発表を各振興局単位でどのように活用し住民の命を守る防災対策をどのように行う考えかを質問しました。これに対し県防災局は、「大雨の際は気象台、市町村と連携し防災気象情報や防災体制等の情報を共有しており、大雨の警報発表前でも災害対策連絡室を設置し、明るい時間帯の避難情報の発令を呼び掛けています。」と答弁しました。


守永 信幸 議員(大分市選出)
健康寿命日本一に向けて

客観的補助指標で見える化
 今年第1回定例県議会の代表質問で、健康寿命について質問した際に、健康寿命男女ともに日本一をめざして、より具体的な指標を用いて、状況を把握し具体的に対処すると答えた。目標実現に向けて、取組を加速させることが重要であるが、どの様に取り組むのかを尋ねた。
 広瀬知事の答弁は「昨年12月に公表された『男性の健康寿命日本一』を踏まえ、今年から開始した客観的補助指標の活用について、指標毎に市町村の強みや弱みが一目で分かるよう「見える化」したことで、早速新たな動きが出始めている。
 例えば由布市では、プロジェクトチームを編成し、わが町の健康上の強みや弱みを広報誌に毎月連載して住民に伝えるなどの取り組みにつなげている。こうした好事例を横展開できるよう「健康寿命延伸アクション部会」を新たに設置し、市町村間の情報共有を進めていく」とのこと。
 
高齢者のフレイル(注)対策
 コロナ禍で感染リスクに用心して家に閉じこもりがちな高齢者のフレイル対策について質問したところ、「日本一の参加率を誇る『通いの場』の確保に向けて、ウィズコロナ仕様としてオンラインによる開催方法の紹介や支援員の派遣等を通じて、活動の継続を支援し、併せて日頃から高齢者が自身の運動、口腔機能や栄養状態を確認できるフレイルチェックシートをわかりやすく改訂。これらの積極的な活用を促している。
 (注)フレイルとは、高齢者の筋力低下やそれを切っ掛けとする老年症候群。要介護状態に陥る直前の状態のこと。
 この他に、女性の活躍推進、地域の小児医療体制、働きやすい職場づくり・定年年齢の引き上げと職場環境、日豊本線の複線化・老朽化対策について質問しました。これらのやり取りについては県議会のホームページでご覧下さい。

2022年第2回定例会(2022/6/14~29)

広瀬知事「物価上昇に対し、国の対策を大いに活用し緊急避難的な事業を進める」
総額 7,178億円の補正を可決

 2022年第2回定例会が、6月14日(火)から29日(水)にかけて開催されました。


 今回の補正額は、国の対策を受けた措置で50億4,874万円。原材料や食料品をはじめ様々のものの値上がりによる経済的な打撃を和らげるため、私立の幼児教育・保育施設や県下内各地の子ども食堂へ助成し、保護者負担を軽減します。また、燃料価格の上昇で打撃を受ける公共交通へ運行経費などを助成します。
 さらに、生活福祉資金の貸し付け事業、生活困窮者向けの小口資金(上限20万円)について、国が受付期限を8月末まで2ヶ月延長したことに対応して予算化しています。
 広瀬勝貞・大分県知事は、「物価上昇に対し、国の対策を大いに活用し、まずは緊急避難的な事業を進める。」と説明しています。
 また、県民クラブが提出した意見書案では「義務教育費国庫負担制度の堅持を求める意見書(案)」と「地方財政の充実・強化を求める意見書(案)」は可決されたものの、「最低賃金の改正等に関する意見書(案)」は否決されました。


  今定例会では、県民クラブから、一般質問に羽野武男議員(日田市選出)高橋 肇議員(臼杵市選出)、成迫健児議員(佐伯市選出)馬場 林議員(中津市選出)が登壇しました。



一般質問

 羽野 武男 議員(日田市選出)
早急な太陽光発電施設対策を!

【質問】太陽光発電施設の設置拡大に伴い全国的に住民とのトラブルも増加している。
 トラブルの原因は主に、①景観、②発電施設の倒壊・飛散等、③土砂災害、④反射光、などが挙げられる。
このようなトラブルに対しては、景観法や森林法、急傾斜地法等に基づく対応が考えられるが、規制区域の指定や施設の規模、法の遡及適用等の課題があり、全ての施設に適用できるわけではない。加えて、今後は、老朽化した施設の維持管理、また、廃止等に対する事業者による適切な対応が必要となる。
 他県では、条例やガイドラインで発電設備の設置や維持管理、撤去・廃棄について、適切な対応を求めているケースも見受けられる。
 本県の取組の現状と今後の課題について、見解を伺う。
【答弁】太陽光発電所については、昨年、環境影響評価条例の面積要件を改正し、対象となる施設を拡大した。
施設の維持管理・更新、廃止については、環境影響評価手続きの中で景観や廃棄の他、濁水や反射光対策等への配慮を求めている。
 事業の内容については、説明会等を通じ、地域の理解を十分得るように指導している。
加えて、条例の対象規模未満の発電所についても、県の指針に基づき、自主的に環境への配慮を行うよう事業者に求めている。
 また、発電施設等の維持管理体制などについては、再エネ特措法上の計画認定基準となっており、発電事業の円滑・確実な実施を国が確認している。違反に対しては、国の指導や認定の取消も想定されている。県としても、事業者に対し各所関係法令の遵守を求めている。
 本年4月から、国において省庁横断的な検討が進められているので、その動向を注視していく。
【羽野】環境影響評価条例も制定している山梨県では、2015年にガイドラインを策定し、適切な保守管理などを求めてきましたが、強制力がなかったので、森林伐採や土砂災害の発生を危惧する相談が市町村に寄せられました。
 そのため出力10KW以上の太陽光パネルを対象に、昨年7月に適正な設置及び維持管理に関する条例を制定。その後、他県で、出力10KW未満の施設で、地域住民とのトラブルが起こったらすぐ規制対象から発電出力を外して、野立ての太陽光発電施設すべてに拡大する条例改正を行い4月から施行されています。


 高橋 肇 議員(臼杵市選出)
県の福祉保健・教育政策を問う

 今後の認知症施策について、臼杵市が昨年9月に認知症の条例化をしたことを引き合いに、県の条例制定を含めた今後の取り組みについて質しました。知事は、認知症になっても地域の一員として自分らしく日常生活を過ごせる社会の実現に向け、今取り組んでいる「おおいた高齢者いきいきプラン」をしっかり進めるとして、「条例化は今後検討」と答えました。
 子どもの入院に付き添い入院する家族の負担の現状と、その支援について見解を質しました。福祉保健部長は、困りごとや個別の相談に丁寧に応じながら、子どもや保護者が安心して治療に臨める環境づくりに努めると回答しました。強い要望として、家族が病院の近隣で安価に宿泊できるファミリーハウスの設置を検討するようお願いしました。
 また、子どもの長期入院時に対応できる休暇制度についても質問しました。教育長は、現状ではそのような休暇制度はないことを認め、「国レベルでの見直しを注視したい」と回答。子どもがいつ長期入院となっても、職員が安心して休める制度の検討を要望しました。
 子宮頸がんワクチンの接種については、希望制であることを確認しその趣旨を徹底することと、接種の勧奨が学校現場を通して行われていないかを質問しました。福祉保健部長は、学校を通さず市町村から直接対象者に正確な情報提供を行っていると答えました。しかし、今回も前回と同様に、一部では学校を通じ接種の資料等が配布されたと聞いています。対処を求めました。
 その他、日出生台の米軍実弾射撃訓練について、「将来にわたり縮小・廃止」という県の基本スタンスを忘れることなく、訓練の拡大を許さない取り組みを知事にお願いしました。
 教育関係では、県立高校の制服について私服を含めた選択制の検討と、特別支援教育について特別支援学級の数や専門性を持つ教職員数は足りているのかを質しました。
 教育長は、私服について「私服登校の許可は、学校と生徒、保護者が話し合っていくことが大切」と回答しました。特別支援学級については、「要求に可能な限り応えている」とし、教職員についても「早急に専門性を高める必要がある」と答えました。
 最後に、学校現場での働き方改革が進んでないことをあげ、「過酷な働き方を一刻も早く改善し、若い人が教育現場を職場として選びたくなる魅力あるものにしないと、大分の教育は先細りになる」と訴え、その改善を要求しました。


 成迫 健児 議員(佐伯市選出)
地域共生社会の実現、生涯にわたる県民スポーツの推進
 今回の一般質問では、◆地域共生社会の実現について、◆生涯にわたる県民スポーツの推進について、◆障がい者スポーツ者の振興について、◆地域における芸術の振興について、◆父子家庭への支援についての5点について質問をしました。
 地域共生社会の実現についてでは、地元佐伯市の一般社団法人共生社会実現サポート機構『とんとんとん』での活動の紹介を含め、県民が安心して暮らせる社会の実現に向けて県としてどう取り組んでいくのか伺いました。答弁としては、県の「地域福祉基本計画」に基づき、3つの柱として取り組みを進めていくとし、1つは多世代が集う共生の場づくりを各地で展開できるよう、活動拠点の整備などを支援していく。2つは、住民自らがボランティアとして参加する支え合いの推進として、「住民参加型福祉サービス」の取り組みを市町村や社会福祉協議会等の関係団体と連携しながら、活動組織の立ち上げ等を支援していく。3つは、地域や住民活動を支える人材の確保・育成として、協働意識の醸成や、住民自らが地域課題を解決できるようコーディネーターを行う「地域力強化推進員」を育成し、地域共生社会の実現に向けてしっかりと取り組んでいくとのことでした。
 また、生涯にわたる県民スポーツの推進について、県内一周大分合同駅伝競走大会の終了に伴い大分県のスポーツの推進や県民の皆さまの活力を衰退させるのではないかといった懸念から、別の形での開催を検討するべきではないかと質問しました。
 答弁としては、60年以上に亘り開催された県内一周大分合同駅伝競走大会が終了したことは誠に残念である。大分合同新聞社からは、経費や交通渋滞等の課題に加え、都市によっては選手の確保も困難となっていると説明を受けている。こうした中、県陸上競技協会では、新たに「大分県郡市対抗駅伝競走大会」の開催を企画しており、大会の在り方や今後の方向性等について同協会と協議していきたいとのことでした。再質問として、大分県郡市対抗駅伝競走大会については、これまで通りの各市町村の応援体制が築けない点から、県民スポーツ大会の種目に駅伝競技を加えることを検討してみてはどうかと伺いました。答弁として、駅伝競技を新たな競技種目として設けることは不可能ではないため、県民スポーツ大会実行委員会で協議し検討していくとのことでした。


 馬場 林 議員(中津市選出) 
教員不足への対応について

 今回の一般質問では、1、社会的養育の推進、2、特例貸し付けの現状と課題、3.ひきこもりの現状と対策、4、中津日田道路の整備、5、教育について①長期入院中の児童生徒の学習等の支援②教員不足への対応➂教職員の現職死亡者と病休者の現状と対策の5項目について質問しました。
 教育不足への対応について
 (質問)  大分県での教員の欠員は、1学期の始業式の時点で、2018年度は、 小学校・中学校・高校・特別支援学校全体で27人、2019年度は、38人、2020年度は、29人、2021年度は、37人となっています。
 そして、2022年4月8日現在の状況は、小学校29人、中学校17人、義務教育学校3人、県立高校2人、特別支援学校2人、全体では、53人が欠員となっており、教員不足が深刻化しています。
 教員の欠員状況は、全体的には年々増加傾向にあり、さらに、一学期、二学期と進むにつれて増加する傾向にあります。
 教員を確保するために、臨時講師の方、退職された方をあたったり、また、専門知識を持つ社会人を採用する「特別免許制度」を活用したりされていると思いますが、教員不足は依然として解消されていません。
 免許失効者への対応など、新たな取り組みを検討することも必要ではないでしょうか。
 そこで、欠員が出る原因をどのようにとらえているのか、また、教員の確保に向けてどのように取り組んでいるのかお尋ねします。
 (教育長答弁)欠員の原因としては、少子化等の影響による大学教育学部の定員減少や、教員が大量退職期を迎える中、全国的に教員確保が厳しい状況となっていることが考えられる。本県では、教員の確保に向け、今年度の採用試験においても、1次試験免除の拡充や2次試験の口頭試問の廃止、他県教諭特別選考の受験資格緩和といった策を講じるなど、受験しやすい環境づくりを進めている。また、再任用校長や再任用指導主事制度の導入をはじめ、退職予定者の意向確認時期を早めて、より丁寧に聞き取りを行うなど再雇用に向けた環境整備にも取り組んでおり、今後の定年引上げへの対応も検討。さらに、本県における教員の養成・輩出に大きな役割を担っている大分大学と連携し、国にも要望した結果、来年度入試から教育学部定員の増員が予定されている。なお、教員免許法の改正については、制度改正の概要や諸手続きについて、ホームページや広報誌などにより周知徹底を図っていきたい。

2022年第1回定例会(2022/2/24~3/25)

過去2番目となる当初予算 総額 7,178億円
広瀬知事「ポストコロナ社会の県づくりを力強く、効率的・効果的に展開」

 2月24日(木)から3月25日(金)にかけて2022年第1回定例会が行われました。会期中には予算案を集中審議する予算特別委員会も行われました。


 今回、可決された当初予算は、総額7,178億4,100万円となり、昨年度当初を151億円(2.2%)上回る過去2番目の規模となりました。これは、平松守彦・前知事時代の2000年度当初予算(7,206億円)に次ぐ大型予算で、総額が前年度を上回るのは9年連続。
 感染拡大防止に前年度当初と比べ52億の大幅増となる247億円を充てるほか、重要政策と位置づける先端技術・デジタル活用による社会変革、低迷が続く県農業の活性化に向けて農林水産業の成長産業化などの政策経費を意欲的に盛り込んでいます。

 歳入では、大幅増となった県税収入や国からの地方交付税を活用して財源を確保しています。なお、財政調整用基金の取り崩しは2021年度と同額の65億円にとどめています。
 広瀬勝貞知事は、「新型コロナへの守りを固めつつ、進展する技術革新を取り込み、ポストコロナ社会の県づくりを力強く、効率的・効果的に展開していく」と説明しています。

 2月28日(月)には、1月専決の報告と2月補正が提案されました。内容は、国の補正を受けて「新たなGoToトラベル」(113億円)、軽症及び無症状の方の療養のためのホテル確保や医療設備補助等の感染症対策(72億円)、大分農業文化公園等整備推進事業(8,896万円)、食肉生産流通多角化支援事業(1,333万円)などで、先議案件として3月3日(木)に可決されています。

 今定例会では、県民クラブから、代表質問に守永信幸議員(大分市選出)、一般質問に藤田正道議員(大分市選出)浦野英樹議員(大分市選出)、木田 昇議員(大分市選出)平岩純子議員(大分市選出)が登壇しました。



 守永 信幸 議員(大分市選出)
大分県を元気にするために
人口減少への対応について
大分県版地方創生

 大分県の人口は1985年を境に減少を続けており、2020年の国勢調査の結果から、減少傾向は加速しています。人口減少に歯止めを掛け、将来に向けて大分県を発展させるためには、地方創生への取組について、任期最後の1年で真剣に議論しなければなりません。この1年地方創生にどのように取り組んでいくのか尋ねました。
 広瀬知事は「人口減少に歯止めをかけ、人を育て、仕事をつくり、人と仕事の好循環で地域を活性化する大分県版地方創生を加速前進させる」として次のように語りました。
 「男女の出会いの場を創り、結婚から妊娠・出産、更には子育てまで切れ目のない支援に引き続き全力を傾ける。出会いの応援強化のために、AIが相性の良い相手を提案するマッチングシステムを導入。また、不妊治療についても保険が適用されない「先進医療」に県独自で助成し、子どもを望む方が治療を諦めることがないように支援する。
 人の受け皿となる仕事づくりには、DX、デジタル革命の流れを捉え、ドローン、アバターなどの先端技術で地域課題の解決を図り、これら技術をシーズ(種子)として新産業の創出やデジタル人材の育成につなげる。
 更に世界的に成長する宇宙産業に着目し、ヴァージン・オービット社との提携に続き、米国のシエラ・スペース社等との間で、大分宇宙港の活用に向けたパートナーシップを締結した。これを弾みに、宇宙関連企業とのネットワークを広げ、アジアにおける宇宙ビジネスの拠点化をめざす。
 県下全域で営まれる農林水産業は、地域の隅々まで仕事を生み出す基幹産業であり、魅力ある産業へと成長させることで、新規就業者を呼び込む。
 移住決断の大きな壁は、仕事と住まい。好調なIT分野のスキル習得から移住・就職までのワンストップ支援を、福祉・医療分野に拡充しつつ、空き家対策を抜本的に見直し、移住者のニーズに沿った空き家の探索や取得をサポートする。
 「創生本部会議(市町村長がメンバー)」で知恵を出し合い、議論を重ねている。私(広瀬知事)と市町村長が互いに手を携えて、この難局を打破し、夢と希望あふれる大分県を実現する。

大分空港の利用の在り方
 県政発展のプロジェクトとして、知事が触れた宇宙港計画と併せて、空港・大分間のホーバークラフト再就航について、大分空港の利用者の増大を前提としたもので、見込みを誤ると、ホーバーの経営だけでなく、空港バスを運営するバス会社の経営や地域の営業路線の維持などに深刻な影響を与えかねないことを指摘し、大分空港に人が集まる新たな利用のあり方を検討し、必要な施策を上乗せしていくべきと訴えました。
 企画振興部長から、「大分空港アクセスは、陸路と海路の両ネットワークの安定的な維持が重要。空港の魅力を高め、利用者を増加させるために、県内の幅広い関係者とともに、大分空港の将来ビジョン策定に着手。陸・海・空、そして宇宙に繋がるドリームポートおおいたの実現に向け、官印一体となり取組を推し進める」との回答がありました。

 これら課題の外に、「県と大分市との連携の在り方」、「日出生台における米軍実弾射撃訓練等への対応」、「健康寿命日本一に向けた取組」、「南海トラフ地震臨時情報に関する県の対応」、「再生可能エネルギー等を活用したカーボンニュートラルへの取組」、「発達障がい児への早期支援の取組」、「県職員の確保と職場環境の充実」等について質問しました。


一般質問

 藤田 正道 議員(大分市選出)
地域公共交通を守れ!
 私は 地域公共交通とは、法律上「地域住民の日常生活若しくは社会生活における移動又は観光旅客その他の当該地域を来訪する者の移動のための交通手段として利用される公共交通機関」と定義されますが、それを維持することについては、国、県、市町村、そして事業者にも、法的な義務付けはありません。ただし、地域公共交通活性化再生法に基づく「法定協議会」において策定された「地域公共交通計画」については、協議会の参加者、つまり県、市町村、事業者、そして住民は、ともに尊重する義務があり、計画に基づく事業を実行していくことが求められています。
 一方、利用者の減少等により交通事業者は厳しい経営環境にあり、2年にわたるコロナ禍と、燃油価格の高騰が追い打ちをかけています。20年度決算を見ると、JR九州の経常赤字193億円を筆頭にバス、フェリー各社は軒並み赤字、純損失を計上し、収支と財務の悪化に加えて、収入減や将来不安から離職者も増加していると聞いています。このままコロナ禍、燃油高が続けば、路線維持のみならず事業の存続に関わる事態も想定され、交通崩壊の引き金にもなりかねません。
 県内交通体系の維持のため、鉄道、バス、フェリー、航空など関係事業者と連携し、路線の存続と安定化を図るべきだと知事の見解を求めました。
知事は「住民の通勤・通学等の日常生活を支える交通基盤であると同時に、産業振興や観光振興、関係人口の増加など、本県の将来にわたる発展を支える社会基盤でもあり、この両面を見ながら取り組むことが大変重要。」として、①幹線的なバス路線やコミュニティバス等の運行赤字に対する補助、バスロケーションシステムや低床バス車両の導入、鉄道駅のバリアフリー化等への支援、フェリー・航空事業者と連携したPRやプロモーション等の利用促進など県内各地域を結ぶ公共交通ネットワークの維持に対する支援、②県内6圏域で「地域公共交通計画」を策定し、バスと鉄道との接続改善、商業施設へのバスの乗り入れ、運行便数の調整や路線の延伸など、利便性・運行効率向上など利用者目線に立った持続可能な公共交通ネットワークの再構築、③旅行商品造成や感染防止対策に対する支援、バス・タクシー車両維持のための支援金で事業者の経営の下支えなどコロナ禍で苦境に直面する交通事業者への総合的支援に取組んでいると答弁しました。
人口減少社会にあっても、年少人口と高齢人口つまり交通弱者人口は減らないし、全てのみなさんがいつか必ず免許返上する訳ですが、その時に公共交通がなくなっていた、2020年代のコロナ禍がそのきっかけだった、とならないよう部局横断的に本腰を入れた取組を要請しました。


 浦野 英樹 議員(大分市選出)
精神障がい者をとりまく状況について
 
心の病について、自分の心と向き合うことができるきっかけづくり、就労継続の環境の整備について質問しました。
■心の応急措置
体の不調はすぐに病気と気づき、薬を飲んだり病院に行き、何らかのサポートを受けつつ病気を治します。しかし、心の不調や障がいはなかなか気づきません。気づいても認めたくないという社会的な雰囲気もあります。結果、生きづらさを抱えたまま、状況が悪くなってしまうことがあります。早いタイミングで、自分の心の状態と向き合うきっかけと周囲の理解があることが重要です。心の応急処置「メンタルヘルス・ファーストエイド」の知識の普及が必要です。また、家族だけでなく、自分の心と向き合う為に、仕事を休む重要性を周知すべきと質問しました。
知事からは、ケアマネジャーや企業の健康管理者向けにメンタルヘルスに関する知識やスキルの研修を実施。こころのサポーターを今後3年間で120人養成、早期支援の裾野を広げてゆく旨。商工観光労働部長からは、健康保険の傷病手当金等、活用できる制度の周知につとめてゆく旨、答弁がありました。
■就労継続支援事業所に対する支援
多くの精神障がい者が利用している就労継続支援事業所。労働法や最低賃金の適用を受けるA型事業所では、最低賃金の引上げに対する対応が難しいといった声が聞かれました。B型事業所からは、事業所に対する報酬体系が令和3年に見直しがあり、平均工賃によっては、報酬が引き下げとなってしまう事業所があり、事業所を維持する為に「平均工賃をあげる為に生産性の低い利用者の割合を減らすことも検討せざるを得ないのだろうか」と、苦渋に満ちた声を伺い、県にAB型それぞれの影響をどのように受け止め、対応してゆくかを質問しました。答弁では、事業所の受託業務の量的拡大と多様化等によって、事業所を支援してゆきたい旨、答弁がありました。
■軽度の障がいと就労
手帳を所持しない程度の、軽度の発達障がいは、本人・使用者双方気づいていないケースもあります。必要な支援を提供する為にも、障害者就業・生活支援センターの周知、就労移行支援事業所を増やしてゆくべきと質問しました。県としても、発達障がいについての基本的知識の周知に加え、関係機関の機能強化につとめる旨、答弁がありました。


 木田 昇 議員(大分市選出)
「将来の食料危機に備えよう」

①フードテックについて
(質問)現在でも世界人口の約1割は飢餓にあるとされるが、昨今の気候変動やコロナ禍によりさらに深刻な世界的食糧危機の到来が予測されている。こうした中、注目されるのがフードテック。特に代替タンパク質は、食料不足への懸念のほかにも健康志向の高まりから、欧米、アジアを中心に市場が急速に拡大している。
本県においても老舗の醤油メーカーが食用コオロギを使った醤油を開発し、既に販売を開始している。昆虫食ビジネスを始めフードテック産業の育成支援、特に商品開発や販路開拓への支援に対する県の見解は?
(答弁)県では、産業科学技術センター内に「おおいた食品オープンラボ」を開設し、コオロギ醤油の開発における技術相談を受けて対応してきた。また、代替肉である大豆ミート入りの巻き寿司を開発し、輸出に取り組む企業に対し、生産販売システム等の導入を支援してきた。ミールワームという昆虫を飼育し、代替タンパク質として販売する取組も応援している。今後も、フードテックに挑戦する企業を支援する。
②在来種苗の継承について
(質問)在来種は生育の揃いは良くないが、「野菜本来の味わいが楽しめる」、「F1種に比べ、環境適応能力が一般に高い」等の特徴がある。また、化学肥料や農薬のない時代に生まれたものが多く、有機栽培に向いているし、ほかの土地にない農産物として、地名を冠したブランド野菜化も将来性が見込める。
本県の各地域に根ざした特色ある農作物の種苗を、新たな地域ブランド品として展開するため、市町村とも連携して発掘し、認定するなど、まずは、認知度向上に取り組んではいかがか。地道な活動を続けることで、農家にも、消費者にも在来種の良さが浸透し、在来種を繋いでいく土壌が育つと思うが県の考えは?
(答弁)国の農研機構が、収集等を行った県内の種子を農業生物資源ジーンバンクに306件保存している。今後も必要に応じて、この施設での種子の保存を検討する。在来種については、地元でストーリー性を持たせて、地域振興のツールとして活用することなどが考えられ、このような市町村等の取組が出て来れば、県としても対応を検討する。

*この他、「地方回帰と移住政策」「地方移住のサポート体制」「ユニバーサルツーリズム」「サイクルツーリズム」「観光コンテンツとしての空港の活用」「青少年のICTの利用」について質問。


 平岩 純子 議員(大分市選出)
子育て満足度日本一をめざすのであれば
 平和から遠くなる世界情勢の中で広瀬県政は20年目を迎えます。知事の政治姿勢を問い、一党に偏らない県民党でいることを要望し、子育て支援策の拡充を求めて質問しました。
子どもの居場所づくり、里親支援、単身者やLGBTQの里親
 県内里親は、全国平均より増えています。「子どもの最善の利益」を大切にして厳しい環境で育った子どもとの時間を紡いでいますが、それは簡単なことではありません。家庭的養護が進んだ背景と今後の方針、単身者やLGBTQの里親認定について質問しました。
 全国に先駆け、専任職員を中心に里親募集やマッチング、制度の普及、委託後の支援に取り組んできた。日本財団と連携して、里親家庭への訪問やレスパイトケアを行う「児童家庭支援センター」を佐伯市と日田市に開設する。今後も市町村と連携して家庭擁護を推進していく。
 単身者やLGBTQの方の里親認定は特段異なることなく、専門家の意見を伺いながら丁寧に対応していく。
 県内単身者の里親は5世帯。大阪、名古屋では男性カップルが里親認定されています。
教員の育児短時間勤務について
 育児短時間勤務はそれをカバーする非常勤教員が必要となり、学級担任をすることは現実的でなく、小規模校では取りづらい制度です。短時間勤務教員を定数外とし、県単独で予算措置すれば、フルタイム勤務教員プラス育児短時間勤務教員という体制になり、気兼ねなく育児短時間制度を取得できると考えました。
 教職員の定数については、標準法で定められており、定数外とすることはできない。
 良い制度があっても、使えないのでは意味がありません。制度が周知されてなく管理職が「使ってほしくない。」と言われることもあります。若い教員が増え、頻繁に異動させられる現状の中で、保育所の送迎など大変な状況に置かれています。教職員にも子育て満足度日本一が叶えられるよう願います。
子どもへのワクチン接種について
 県での進め方について質問しました。
 
感染に占める小児の割合が増えている。重症化リスクは低いが、全国で中等症や重症例が確認されていることから基礎疾患を有する小児への接種は重要。小児科での個別接種を中心とし、接種券と合わせて接種の効果と副反応を解説したリーフレットを送付し、正しい知識に基づいて保護者の判断をいただく。手続きの簡素化や同調圧力、差別が起きないよう啓発している。
 他に福祉関係職場の専門人材育成、教職員の心のケア、夜間中学校について質問しました。全文はHPに掲載しています。


 

2021年第4回定例会(2021/11/24~12/10)


広瀬知事「感染拡大防止対策と経済活動の回復、災害に強い強靱な県土づくり」
 11月24日(水)から12月10日(金)にかけて2021年大分県議会第4回定例会が行われました。
 本会議では、国東市にある本年度で閉校する国東高双国校に関する県立学校設置条例一部改正案、国道194号の4車線化に伴う大分市西鶴崎の乙津橋の下流側に新設する橋に上部工を架ける工事請負契約の締結案、竹田市の玉来川に建設中の玉来ダムでの追加漏水対策の工事請負契約変更案など11議案が上程されました。
  また、新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大が世界各地で起きつつある中、12月1日(水)から県内でも3回目のワクチン接種が始まりました。
 過去最大の感染規模となった第5波の検証結果を踏まえ、入院病床や宿泊療養施設をあらかじめ確保するとともに、健康上の理由等によりワクチン接種できない方へPCR検査等の無料実施を始めました。提案理由説明で広瀬知事は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が落ち着いてきた状況に関して、「目先の危機が遠のいた今こそ、これまでの対策を検証し、得られた知見や反省点を今後に生かしていくことが大事」と述べました。
 12月1日(水)には、補正額455億1,139万円の本年度一般会計補正案が上程されました。既決予算と合わせた累計は7,801億9,451万円となります。
 国の補正を受け入れ、国土強靱化対策に267億円。保育士・介護職の方々の処遇改善としての経費を助成するため30億円。プレミアム付き商品券の発行事業に当たる市町村に補助として24億円。3回目の新型コロナワクチン接種の体制強化として10億円を計上。その他、観光需要喚起のための事業費、地域公共交通の運行継続を目的に、バス・タクシーの台数に応じて維持管理費の助成などが提案され、最終日に可決されました。

 今定例会では、県民クラブから、一般質問に二ノ宮健治議員(由布市選出)、原田孝司議員(別府市選出)、成迫健児議員(佐伯市選出)、玉田輝義議員(豊後大野市選出)が登壇しました。

一般質問

 二ノ宮 健治 議員(由布市選出)
持続可能な県農業の振興
県農業非常事態宣言から行動宣言へ
(質問)今年3月に「大分県農業非常事態宣言」が発出され、「大分県農業総合戦略会議」による「行動宣言」が10月に取りまとめられた。ここには、県農業産出額の増額とともに、生産者、農業団体、行政が一体となった取り組みが示されており、県農業再生に向けた最後の挑戦と捉えている。
 この実現のためには、知事の強い牽引力と、JA本来の販売流通や営農指導強化が求められるが、JAでは不祥事が起きたり、支所廃止などの合理化が打ち出されており不安である。
3者一体の取り組みをどのように展開するのか、知事の本気度についてお尋ねする。
(知事答弁)行動宣言により、まず、JA自らが農協改革をしっかり進め、営農指導員を確保した上で、県の普及指導員と共同して、専門知識の習得など農家に即答できる営農指導体制を作るなど、JA主導で進めながら行政がこれを支援する。
(私の思い)主体はJAでなく、県農業の再生には知事が先頭に立ち、目標実現に向け3者を強力に牽引していかなければ、宣言は画餅になると危惧している。

水稲を基軸とした中山間地域農業の推進
(質問)中山間地域農業を守るには、高齢者でも耕作が可能な「稲作」を基軸として、これまでの経済効率面を重視した農業・農村支援だけではなく、農業・農村の持つ環境保全などの多面的な維持機能を支援する仕組みが求められる。
 中山間地域では「稲作」を、その他の地域では食料自給率を高めるための大豆や小麦などの作目を基軸とすること、また、以前の食管制度の流れをくむ「農業者戸別所得補償制度」の復活など、国策として中山間地域農業への手厚い支援がなければ中山間地域が崩壊し、農村の持つ多面的な維持機能も失われて、農業・農村が消滅すると危惧している。
(知事答弁)①マーケットを起点にした儲かる農業の実現 ②地域農業の持続発展に欠かせない営農継承の促進 ③中山間地域等の農業を面的に支える集落営農組織の経営強化、の3点を主体として、中山間地域農業を支えていく。
(私の思い)米余りによる価格低下で農家は泣いている。米の輸入や宇佐平野での一枚2町歩を超える水田を造成し「稲作」を進める姿を見るとき、ますます国の農政に不信感をおぼえる。知事回答の3点は当然の施策であり、さらに踏み込んで、農村の実情を汲み取った県農政の推進が必要との回答は示されなかった。
 その他に、「県種子条例の制定」「ランドセルが重すぎる」「人口減少に伴う地方交付税の影響」についても質問した。


 原田 孝司 議員(別府市選出)
観光産業の基盤強化や効果的な情報発信や攻めの誘客
日本一のおんせん県おおいたツーリズム戦略について

 地域振興と観光振興を一体的に進めるツーリズムを着実に進展させることを目的として策定された第3期ツーリズム戦略ですが、今年度で終了します。この第3期の取り組みをどのように総括し、第4期となる来年度からの取り組みを進める上で、どのようにツーリズム戦略に反映をしていくのか質問しました。
 また、リスクマネジメントはとても大事な視点です。今回、これまでのツーリズム戦略で触れられていなかった危機状況として、「感染症」をどのように位置づけるのかを尋ねました。
知事答弁 11月26日(「いい風呂の日」だそうです)に発表された「全国温泉県イメージランキング」で、本県が第1位に選定された。これからも新たな魅力の発掘、観光産業の一層の基盤強化や効果的な情報発信を推し進め、大規模観光キャンペーンの誘致など攻めの誘客を展開したい。
 感染症等の危機に際し、観光産業のリスクマネジメントの重要性を再認識した。リスクを平常時から想定し、発生時の影響を最小限に抑え、早期回復できるよう準備する必要がある。今後、観光関係者や有識者の意見を踏まえ、より適切なリスクマネジメントのあり方を検討したい。

ダイバーシティ社会について
 人には、多くの違いがあります。生まれつきのものや自分の意思で変えることが困難なものや内面的な違いがあります。その違いを個性として捉え、認め合う社会にしていこうというのがダイバーシティ社会の考えです。
ダイバーシティ社会の推進は不可欠だと考え、大分県としての姿勢を、また全国で拡大している同性婚の方々のパートナーシップ制度やそれに伴うファミリーシップ制度の導入について質問しました。
 さらに別府市にある県立翔青高校で実施されている帰国・外国人生徒特別入学者選抜について、実施校の拡大と、多言語対応、当該学校への教職員の増員の必要性を伝えました。
部長・教育長答弁 ダイバーシティ社会づくりを進める県の姿勢を一層明らかにするため、現在、「人権尊重社会づくり推進条例」の改正を検討中である。
 高校入試における多言語対応は、入学後の学習保障にも関わる問題であり、学校の体制強化とセ ットで進めていく必要がある。他県の入試の状況、本県の日本語指導が必要な児童生徒数の推移等も鑑み、研究を重ねたい。

 
この他、来年度の予算編成方針、小中学校の教員不足について質問しました

 成迫 健児 議員(佐伯市選出)
県産ブランドイチゴ「ベリーツ」
 今回の一般質問では、◇移住定住、◇健康寿命日本一(取り組みと方針/食育)、◇障がい者のスポーツ参加機会の充実、◇県産ブランドイチゴ「ベリーツ」(販売・広報戦略/技術的課題)、◇不登校児童生徒への学習機会の確保の5点について質問をしました。
県産ブランドイチゴ「ベリーツ」について
(質問)ベリーツは、鮮やかな見た目、甘さと酸味のバランス、香り、クリスマス需要に合わせた早期出荷に向くこと等から、期待の中でデビューしたが、3年が経過し課題も見えてきている。「ベリーツなら間違いない」という、プレミアム感を取り戻すための販売広報の戦略が必要。県としてベリーツ栽培が広がらない現状をどう分析し、どのように単価の引上げを図っていくのか戦略を伺う。
(農林水産部長)ベリーツは色や食味に優れ、大玉傾向が特徴。高単価時期に収量が多く、この時期だけでも、さがほのかの平均的年間販売額の1.4以上を売り上げる方もいる。優良事例を普及し、生産者のベリーツ栽培意欲が増進するよう、技術・流通販売まで県を挙げて取り組む。販売戦略は、県内外百貨店や高級量販店をターゲットに、大玉パックや化粧箱のような高価格アイテムの出荷比率を拡大、全体の単価向上を図っていく。
(質問)ベリーツ生産農家へお伺いしたところ、手入れと収穫期が重なるため作業が追いつかず、2反のハウスを5人で管理している状況であった。2反を夫婦2人で管理できる「さがほのか」と比較しても非常に大きな人件費の負担。年間収量も、さがほのかに比べ700キログラムほど少なく、栽培面積が増えないのも当然である。生産者からは作りやすい品種を自由に選択したいといった声も。こうした声に対する県の考え方と、技術的課題への対応策を伺う。
(農林水産部長)ベリーツは摘果や葉かぎなど手間がかかるが、それを克服して生産する価値ある品種。生産者に魅力を感じてもらうため、適正な施肥管理や温湿度管理、病害虫対策等による高収益技術の構築に取り組む。県内15か所に設置した実証圃では、モデルとなる経営体が育成されている。特性を生かせる技術普及の為、意欲ある生産者の組織化を進める。手間のかかる作業は、草丈をコントロールする冬場の温度と電照時間の調整、脇芽の整理方法等の課題解決に向け、令和4年度中に成果が出るよう研究を進める。県では、生産販売までをパッケージで短期集中的に支援、生産者・農業団体と一体で県の顔となるベリーツの産地拡大に取り組んでいく。

 玉田 輝義 議員(豊後大野市選出)
持続可能な開発のための教育(ESD)について
 今回の一般質問で取り上げたのは、①ポストコロナ時代の県政、②介護離職ゼロに向けた取組み、③本県の有機農業の振興について、そして④ESDについての4点でした。ここではESDについて報告します。
ESDは国連が掲げるSDGsが目指す、持続可能な社会の創り手を育む教育のことで、現代社会の問題を自らの問題として主体的に捉え、身近なところから取り組みを進め、持続可能な社会づくりのための問題解決につながる新たな価値観や行動等の変容をもたらすことを教育目標としています。文部科学省及び日本ユネスコ国内委員会では、ユネスコスクールをESDの拠点校と位置付け、その加盟校を増やし、加盟校間のネットワークの強化、活動の充実を図っています。
 2017年及び2018年には「持続可能な社会の創り手」の育成について明記された新学習指導要領が公布され、既に新要領が実施されている小・中学校に続いて、来年度からは高等学校においても実施されることになります。
 私の地元、三重総合高等学校もユネスコスクールに認定され、地域の課題解決に係る探究活動に大学、行政、企業等と取り組んでおり、三重町駅前通りの再開発におけるデザインについて、地域行事の中で実証実験を行い、市に対して提言を行っています。
 次代の社会を創造する子どもたちが、ESDという形で持続可能な社会について学ぶことは、人口減少等で地域社会の存続そのものが危ぶまれる中、大変意義のあることです。
 しかし学校の取組のみでESDを推進することは困難であり、学校が地域社会と理念を共有し、連携・協働して取り組むことや、学びの深化、活動の質の向上に向けて企業等、様々な主体とのネットワークを構築するが求められると思います。
本県のESDの認識はどうか。またどのように進めていくか。そしてESDに取り組む人材の育成と確保は。それぞれの考え方を聞きました。
 答弁に立った岡本教育長は、「ESDについて本県では、ユネスコスクールの取組を先行事例とし、総合的な学習・探究の時間で、各教科の学びを活用しながら、地域社会の課題解決に向けた学習を進めている。取組に当たっては、多くの学校で市町村や外部機関との連携が図られており、例えば姫島小学校では、豊後大野市内の小学校とジオパークを通じた交流会を行い、村の支援を受けながら地域の魅力発信を行っている。また、国東高校や別府翔青高校では、バーチャル市役所と銘打ち、市が抱える課題の解決に向けて、提言する取組を行っている」と述べ、人材の育成と確保については、「宇目緑豊中学校や大分雄城台高校が国の研究指定を受け、学校全体でESDに取組む手法の研究を行っており、その研究成果を波及させることで、県全体の指導力向上に役立てている」として、「今後も、地域社会の課題解決に向けて取組むことのできる児童生徒を育成するとともに、地域と協働してESDに取組む人材の確保を図っていく」と述べました。
 ESDが本県で積極的に取組まれることを願っています。


 

2021年第3回定例会(2021/9/8~28)

広瀬知事「医療提供体制の維持にできる限りの対策、多岐にわたる社会経済支援策を用意」
 9月8日(水)から28日(火)にかけて2021年第3回定例会が行われました。
 今回、最低賃金の引き上げに対応する中小企業への支援などを盛り込んだ51億3,159万円の一般会計補正予算案など計28議案が上程されました。さらに14日(火)には、時短要請を2週間延長するための協力金23億円の補正案が追加上程されました。
 その他、大分空港と大分市を結ぶ海上交通となるホーバークラフト3隻の取得(予定額41億6,486万円)、公衆浴場の混浴制限年齢を6歳までに引き下げる公衆浴場法施行条例の一部改正、佐伯市にある大分県マリンカルチャーセンターの廃止などが上程されました。
 広瀬勝貞知事は提案理由説明で、新型コロナウイルス感染症の第5波に触れ、「医療提供体制の維持にできる限りの対策に取り組む」と述べるとともに、深刻な打撃を受けた社会・経済活動の再生に向け、「広域多岐にわたる支援策を用意しており、引き続き目詰まりなく迅速・着実に執行していく」と説明しました。
 最終日の28日(火)に、原案通り全て可決されました。
今定例会では、県民クラブから、代表質問に馬場 林議員(中津市選出)、一般質問に高橋 肇議員(臼杵市選出)、小嶋秀行議員(大分市選出)、尾島保彦議員(宇佐市選出)、羽野剛男議員(日田市選出)が登壇しました。




 馬場 林 議員(中津市選出) 

新型コロナウイルス感染症対策について

 今回の代表質問では、「新型コロナウイルス感染症の対策」を中心に、「ウイズコロナにおける県政運営」「地球温暖化対策」「大規模盛土の災害防止対策」「農業分野への企業参入」「夜間中学校の設置」「県立高校入学者の定員割れ」などについて質問しました。

①質問 ワクチン接種の現状と今後の見通しについて
(答弁)県内では、7月末までに高齢者への接種を終え、現在(9月14日現在)、すべての市町村において12才以上の全世代を対象として接種が進んでいます。今後10月上旬までに県民の8割以上の方が2回接種できるワクチンが国から供給される見通しであり、14市町村では、10月中の接種完了が見込まれています。県としても、希望するすべての県民へのワクチン接種をさらに加速し、11月末までの接種完了目標をできるだけ前倒しできるよう、市町村と連携して全力で取り組んでまいります。
②質問 市町村に、どのようにワクチン供給関係の情報提供をしていくのか
(答弁)7月は、市町村の接種ペースに対して全国的にワクチン供給が追い付かず、県も市町村と同じ思いで全国知事会等を通じ、極力早期の配分提示を国に対して強く求めてきました。その結果、10月上旬までに県民の8割以上が2回接種できるワクチン量が確保できる見込みとなっています。県はこれまでも、国から示された配分枠をもとに、各市町村の接種計画や未接種ワクチン量を丁寧に聞き取ったうえで、各クールの配分量をきめ細かく調整してきました。現時点で10月上旬までの市町村ごとの配分量をすでに示しており、これにより多くの市町村では、10月中の接種完了を見込んでいます。
③質問 児童生徒への感染予防対策をどのように徹底していくか
(答弁)国が示す衛生管理マニュアルに基づき、児童生徒のみならず、同居家族も風邪症状がある場合は登校を回避するなどの基本的な感染防止対策の十分な周知や部活動での県内外の学校との交流などを制限しています。また、クラス等で陽性者が確認された際、濃厚接触者から外れるとしてPCR検査の対象外となった場合や県外から帰県した生徒などには、抗原検査キットを活用し、感染の蔓延を防いでいます。さらに、通学時の感染リスクを減らすため、密集が想定される区間でJRを利用する高校生を対象に、登校時のバス輸送を実施しています。
 その他に、生活が厳しい人への支援と企業・事業者への支援の現状と新たな支援について質問しました。

一般質問

 高橋 肇 議員(臼杵市選出)
コロナや学校勤務の実態改善にどう取り組むのか
 今回は、新型コロナ感染症の子どもの感染防止対策や通学路の安全確保、発達障がいが疑われる子どもたちへの支援など、4項目にわたり県の見解を質しました。
 まず、新型コロナ感染症の子どもの感染防止対策については、ワクチン接種対象でない12歳未満の子どもたちへの感染防止対策について質しました。
 知事は、子どもの感染予防のために、学校や幼稚園等での感染対策の徹底をお願いしていることや、体調が悪い時は躊躇なく休むように呼びかけていること、教職員のワクチン接種を8月末までに完了していること、万一感染が確認されたら幅広なPCR検査を実施し、クラスターの早期封じ込めに成功してきたことを挙げ、安全・安心な学びの場を提供できるよう全力で取り組むと述べました。
 次に、コロナ禍で社会環境が大きく変わる中、地方移住促進に向けたリモートワークの環境整備と企業誘致にどう取り組むか質問しました。
 知事は、「移住した社員の打ち合わせに活用できる場を市町村とともに整備を進めている。また、社員の移住を推進する企業への出張費用の一部助成制度を創った。今後も、大分に移住すれば豊かな自然環境のみならず、東京と同じ水準で仕事ができることを積極的にPRしてゆく」と答えました。
 子どもの下校時における通学路の安全確保について、下校時間に合わせた「進入禁止」や「30キロ速度制限」などの対策をとってはどうかと質問しました。
 警察本部長は、通学路の交通実態により車両を減少させる対策や一定区域を低速度とするゾーン30規制などの安全対策をとっているが、速度低下を促すハンプや狭さくといった物理的デバイスの設置も組み合わせ、安全・安心な通行区間の整備に向け協議連携すると回答しました。
 教育現場の課題として、まず発達障がいが疑われる子が年々増えてきたことに対し、適切な指導を行うため教職員への研修の必要性と時間的ゆとり、そして人員の確保を訴えました。その上で、最近の学校現場の長時間労働とさらに「持ち帰り業務」があるなどの過酷な労働環境について、正確な実態把握と教育委員会としての「働き方改革」の取り組みの成果と課題について質しました。
 教育長は、「特別な教育的支援の必要な児童生徒は通常学級に約七千人在籍し、4年間で千五百人以上増加。市町村でも特別支援教育支援員を約六百人配置し人員確保に努めている。WEB研修を取り入れ移動時間の削減を図った」「職員団体と勤務実態改善検討会において、負担軽減に向けた業務改善を図ってきた。研修・会議や調査文書の削減・精選、部活指導員の配置、産休代替者の早期配置など改善に努めた。しかし依然長時間勤務や持ち帰り業務が存在することは課題」とし、引き続き働き方改革を一層推進すると答えました。

 小嶋 秀行 議員(大分市選出)
「高齢者の自立支援と介護人材の確保が重要課題」と広瀬知事が見解
 ほぼ1年ぶりに一般質問を行いました。質問項目等は、以下のとおりです。
 1点目は、介護保険制度の今後の展望についてです。
 2000年度に介護保険制度が創設されて20年が経過しました。途中、紆余曲折を経て今日に至っています。これから10年、20年先どのような制度になるとお考えか知事に質問しました。
 これに対し「高齢化率が32.9%となり、制度を支える生産年齢人口が減少することから、如何にして制度を持続させるか」、また「高齢者の自立支援と介護人材の確保が重要」と応えました。また、2040年時点では、6700人の介護職員が不足すると想定されることから、対策が必要と答えました。
 また、関連して、介護者(ケアラー)の支援について質疑しました。
 本年6月大分市内で、介護していた母を介護疲れが原因で殺めるという事件がありました。県内には、要介護3以上の特別養護老人ホーム入所希望者が、2年4月現在で3422人いることから、ケアラーと言われる家族などの実情調査を行う必要がないか質問しました。
 これに対し県は、「民生委員や自治会等と連携し、地域包括支援センター等による高齢者世帯見守り活動で実態把握を行い、二度と事件を繰り返さない環境づくりを行う」と述べました。
 この他、「市町村の避難判断支援」、「教育におけるICT活用」、「自動水栓による感染症対策」等について質疑しました。
 2点目、市町村の避難判断支援については、広域化する大量降雨による被害を最小限にするため、今回は、振興局単位で気象予報士の活用を要請しました。
 3点目、教育におけるICT活用は、国のGIGAスクール構想が取り組まれる中、地域間や学校間で取り組みの格差が無いようどのように取り組むか等を質問しました。
 4点目、自動水栓による感染症対策については、高等学校などでは、校舎の大規模改修などの際に自動水栓化が進んでいるが、小中学校への対策はどうするかを聞きました。これに対し、「県教育委員会は、県立学校での対策を中心に実施し、小中学校では、本年度中に各市町村の全ての学校で自動水栓が設置されるのは10市町が予定している」とのことでした。
 新型コロナウイルス感染対策のみならず、インフルエンザ対策にも有効なことから、今後も学校の自動水栓化について、全県で完全に実施できるよう求めていきたいと考えています。

 尾島 保彦 議員(宇佐市選出)
流域治水対策について
問 流域治水対策について
 近年、梅雨前線や台風によって県下では甚大な被害を受けている。今後の流域治水の対策についての考えは。
答弁 知事 気候変動により頻発・激甚化する水害に対し「防災・減災が主流となる社会」の実現に向けて取り組む必要がある。流域に関わる市町村や地域の企業、住民等、あらゆる関係者が協働して水害を軽減させる流域治水を推進している。県内を流域ごとに8つのエリアに分け、治水対策の全体像を「流域治水プロジェクト」としてとりまとめ公表した。「氾濫をできるだけ防ぎ、減らす対策」「被害を減少させる対策」「被害の軽減と早期の復旧復興への対策」の3つの視点から、流域全体で総合的かつ多層的に対策を講じていく。各流域の関係者が総合力で流域治水対策に取り組んでいかなければならないと思っている。
問 県立学校教職員の人材育成につて
 学校統廃合・専門家の縮小などで採用数が減ったり、採用試験自体が行なわれていない職もあり、臨時職員に依存している現状がある。職員の高齢化も進んでおり、技術・技能・知識・教え方などの貴重な経験を継承して行くためにも、必要な職種の採用試験を実施し、正規採用者を増やす必要があるのでは。
答弁 教育長 学校の教育目標の達成に向けては、教員のみならず、様々な職が必要であり、それらの職の重要性は認識している。今後、生徒数等の減少に伴い、職員定数も減少することが見込まれることから、一定数の臨時的任用職員や会計年度任用職員を配置せざるを得ない。正規職員の採用にあたっては、定年引き上げの導入が予定されていることから、長期的な必要数の見込み等を総合的に勘案しながら、計画的に行っていく。
問 県立学校における部活動の在り方について
 教職員の働き方を見ると、時間外在校時間の上限である45時間を越えている人の大きな要因は部活動指導です。部活動改革についての考えは。
答弁 教育長 令和元年度に中学校、高校それぞれの顧問、生徒、保護者を対象に実施した運動部活動の実態調査によると、中学、高校ともに50%強の顧問が部活動に負担を感じていることがわかった。中学校において、複数校の生徒が拠点となる学校で活動する「拠点型運動部」の拡充とともに、今年度、総合型地域スポーツクラブとの連携による部活動の地域移行に向けた調査研究を始めた。中学校を対象に実施しているが、高校における改革も見据えながら、県立学校の部活動改革を推進していく。

 羽野 武男 議員(日田市選出)
地方公務員の定年引上げについて
 地方公務員の定年年齢を2023年度から2年に1歳ずつ引き上げる制度が2023年4月1日に施行され、2031年度に65歳定年制が完成する予定だ。
 その他、管理監督職に就く職員の年齢に、上限を設ける「役職定年制」や、60歳に達した日以後、定年前に退職した職員を、本人の希望により、65歳任期の短時間勤務の職に採用する「定年前再任用短時間勤務制」等が導入される。
(質問)条例化までのスケジュールを伺う。
(答弁)今後、国家公務員の取扱を踏まえるとともに、職員への制度説明に要する時間も十分に考慮し、22年の適切な時期に改正議案を上程できるよう準備する。
(質問)今回の法改正は、基本的には全員が65歳定年となる制度を導入するものであり、その上で、希望する者が定年前再任用短時間勤務を選択できる制度という認識でよいか。
(答弁)基本的には全員が65歳定年となる制度を導入した上で、60歳で退職する方が希望できる定年前再任用短時間勤務制度の取扱については、現在検討を進めているが、多様な働き方のニーズに対応するため有用な制度であると認識している。
(質問)今後、定年の段階的引き上げに伴って、2年ごとに新規の採用人数が抑制されることが懸念されるが、定員管理上、新規採用の平準化に対する考えを伺う。
(答弁)定年の引き上げ期間中においても、採用の平準化などにより、一定の新規採用を継続的に確保することは必要と考えている
今後とも、23年4月の改正法施行に向け、当該制度がより良いものとなるよう、十分に調査、検討を行いながら制度を構築し、丁寧に説明していきたい。
(質問)地方自治体が雇用する教職員や警察職員の定年についても同様の取扱なのか。
(答弁)地方公務員法が適用されるので、同様の取扱となる。
(質問)制度開始後は新たな定年年齢までスタッフ職として継続して働くことになる。最後まで意欲を持って働き続けられる職場体制作りはするのか。
(答弁)これまで部課長等ライン職にいた方がスタッフ職になって働くということなので、本人のモチベーションをどう維持するかということも大事だし、年下の方がどういうふうに接するかということも大きな課題だ。今回の改正と同様この体制の整備も重要な論点だと思うので、その点もしっかり検討し、より良い制度にしていきたい。
 この他、「人口減少に対する認識と第2期総合戦略」「建設業就労者の人材確保」等について質問した。
6月15日(火)から30日(水)にかけて、2021年第2回定例大分県議会が行われました。今定例会では、開会日初日に補正追加分として、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種を担う医療機関への支援策や、生活福祉資金の原資拡充などを盛り込んだ補正額19億2,500万円の補正案を先行審議し、原案通り可決しました。
 6月15日(火)から30日(水)にかけて、2021年第2回定例大分県議会が行われました。今定例会では、開会日初日に補正追加分として、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種を担う医療機関への支援策や、生活福祉資金の原資拡充などを盛り込んだ補正額19億2,500万円の補正案を先行審議し、原案通り可決しました。


 

2021年第2回定例会(2021/6/15~30)

ワクチン接種を加速、ホーバー調達費、「さくらの杜高等支援学校」を来春開校
 6月15日(火)から30日(水)にかけて、2021年第2回定例大分県議会が行われました。今定例会では、開会日初日に補正追加分として、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種を担う医療機関への支援策や、生活福祉資金の原資拡充などを盛り込んだ補正額19億2,500万円の補正案を先行審議し、原案通り可決しました。
 最終日には、18億9,287万円と最終日に緊急提案された25億6千万円の補正を可決しました。内容は、大分空港(国東市)と大分市を結ぶホーバークラフトの調達費や関連事業費などです。船体は約42億円を上限に3隻を導入する方針で、船体の調達費は年度をまたぐ支出となるため残額は債務負担行為注1を設定しました。さらに、大分市側のホーバー発着地整備に向け、大分港西大分地区の民有地を取得します。
 また、来年4月に現在の聾学校(大分市東大道)の敷地内に、産業技術専門で、一般就労を目指す知的障がいがある生徒を受け入れる高等特別支援学校の名称を「さくらの杜(もり)高等支援学校」と決定しました。
 今定例会では、県民クラブから、一般質問に浦野英樹議員(大分市選出)、馬場 林議員(中津市選出)、木田 昇議員(大分市選出)、守永信幸議員(大分市選出)が登壇しました。

一般質問

 浦野 英樹 議員(大分市選出)
孤独死といかに向き合うか
 私は、孤独死をされた方の手続に行政書士の仕事等で携わったことがあります。印象に残っているのが、戸籍には死亡日時が記載されますが、孤独死をされた方は、「〇月〇日から〇月〇日頃までの間」といった記載をされることが多いこと。命日がわからない形で多くの人が亡くなっていることに、衝撃を受けた記憶があります。
■防止と早期発見
 「孤独死とは、身の回りに起きうること」を周知し、「孤独死に至る前に必要な支援や情報を当事者に届ける」ことが必要。家族友人職場地域等「人とつながり」を維持することが重要で、孤独死してしまったとしても、周囲の人とのつながりがあれば早く孤独死を発見し、遺体の損傷や金銭的負担を少なくすることが可能。知事からは、地域の中での人とのつながりを創出し、若年層に対してはひきこもり支援等を通じて、孤立を生まない為の取り組みを続けてゆく旨答弁がありました。
■検視について
 孤独死の発見後、警察により身元、事件性の有無の確認である「検視」が行われます。遺族に最初に死の事実を伝え、故人の最終的な生活状況や死亡日時を推定するのは警察の仕事になります。県警本部長からは、事件死の可能性を見逃さない、そして、遺体には礼をつくす対応をしている旨、答弁がありました。
■死亡届の届出人不在問題
 遺体を引き受ける親族が不存在の場合、戸籍の死亡届を提出できず火葬ができない問題が起きています。最終的には身元不明者と同様、市町村が戸籍の手続と火葬を行います。死亡届の届出人は任意後見受任者でも可能となる等、対象は広がっていますが、孤独死が増える現状に戸籍法が追いついていません。市町村レベルで起きている問題を県としても把握し、国に制度改善の提案をして欲しい旨、要望しました。
■孤独死と住宅問題
 孤独死現場の居室は「特殊清掃」が必要となるケースが多く、家財撤去清掃後に部屋を明け渡すまでの家賃が必要。遺族、家主には大きな負担となります。部屋の原状回復には「孤独死保険」という商品があり、周知を拡大すべきであると要望しました。また、特殊清掃に関して、感染症対策も必要であり、事業者のレベルを確保する為の対応が行政としても必要ではないかと問題提起しました。


 馬場 林 議員(中津市選出)
5項目について質問

今回の一般質問では、①コロナ禍の社会的影響として、雇用の維持、最低賃金、差別・偏見の防止、②児童養護施設退所者等への支援、➂働き方改革として、県内企業の働き方改革、県職員・教職員の働き方改革、④教育について、特別支援学級の配置基準、県立高校の定員内不合格、⑤中津日田道路の進捗状況の5項目について質問しました。
 県職員・教職員の働き方改革について
 (質問)現職で亡くなられた方は、2011年からの10年間で、知事部局41人、小・中・県立学校で76人にも上ります。病気休職者は、知事部局で2011年度末10人、2020年度末22人と増加し、一方教職員の病気休職者は、2011年度119人、2020年度末82人と減少傾向にありますが、ここ数年は減少幅が小さくなっています。そこで、県と県教育委員会は、これまでの働き方改革をどのように評価し、これを踏まえて今後の取り組みをどのように行っていくかお尋ねします。
 (総務部長答弁)県では、平成30年3月に長時間労働の是正に向けた職員行動指針を策定し、勤務時間の適正管理や公務能率の向上等の働き方改革に取り組み、一定の成果をあげてきた。具体的には、勤務時間管理システムの導入により、個々の勤務実態を把握し、恒常的に時間外勤務が多い班には、定数配分を増やすなど対応。また、新型コロナへの対応では、保健所等の職員や兼務職員の配置など、業務負担が偏らないよう努めてきた。病気休職等を未然に防ぐことも重要であり、長時間勤務職員に産業医がきめ細かく面接指導を行うほか、メンタル相談の窓口強化等、職員に向き合いながら体制を充実。県職員の働き方改革には、これがゴールというものはなく、不断に組織を挙げて取り組むことが必要であると考えている。今後とも、明るく風通しの良い職場づくりをはじめ、職員が健康で意欲ややりがいを持って職務を遂行できるよう取り組んでまいる。
 (教育長答弁)教育委員会では、教員が子どもと向き合う時間を拡充するため、平成20年に「学校現場の負担軽減PT」を設置し、研修・会議の縮減や学校現場への調査文書の削減等、教職員の負担軽減に取り組んできた。また、教員が本来担うべき学習指導や生徒指導等に専念できるよう、SC、SSW及びSSS等の外部人材の活用も進めてきたところ。さらに、部活動指導員の配置や適切な休養日等を設定するなど、部活動改革にも取り組んできた。これらの取り組みにより、県立学校では時間外在校等時間及び長時間勤務者数ともに令和2年度は前年度から減少しており、一定の成果もみられる。今後は、在校等時間の上限等に関する方針に基づき1年単位の変形労働時間制の適用を見据え適正な勤務時間管理の徹底を図る。併せて、ICTの活用により、オンライン研修等の充実のほか、全市町村共通の校務支援システムが順次導入されることで、負担軽減や業務効率化がさらに進むものと考える。引き続き、市町村教育委員会と連携し、教職員の働き方改革を一層推進していく。


 木田 昇 議員(大分市選出)
「デジタル技術も使い方が肝心」

□教育分野でのデジタル技術の活用について
①GIGAスクールについて
(質問)今年度予算では「未来を創るGIGAスクール推進事業」が計上され、個別最適化された学びのためのデジタル教科書やAIドリルの導入に取り組んでいる。
 デジタル教科書やAIドリルは、児童生徒の転校時にデータの引継ぎや使用するソフトの違いにより、在校生と転入生に学ぶ環境に差が生じないか懸念する声も聞かれる。GIGAスクールの推進における課題や留意すべき点等について見解を伺う。
(教育長:答弁)現時点での推進上の課題については、大きく二つある。一つは、ネットワーク環境。通信速度低下や接続できないとうの事象が発生しており、タブレット端末専用ネットワークへの分散化を図るよう調整している。二つは、教員のICT活用指導力の向上。県教育センターで、様々な研修にICT活用授業の内容を取り入れ、教員の指導力向上を図る。なお、転校時の引継ぎについて、県立高校に試験的に導入しているAIドリルの場合、同一契約の学校間であれば、データ移行は可能。指導の継続性は重要であり、学習記録等の引継ぎができるよう進める。
②デジタル文化遺産について
(質問)本県の歴史・文化財や先人のことを学ぶには、県立歴史博物館、県立埋蔵文化財センターあるいは県立先哲史 料館でそれぞれを調べ、研究する必要がある。
 現在、県立埋蔵文化財センターで県内の主な遺跡のVR 動画がネット上で公開されているが、古代から中世、近代までの本県の文化的資源をデジタル化して情報をリンクさせ、大分の歴史・人物を一気通貫で学ぶことのできる「デジタル博物館」を構築してはと思う。
(教育長:答弁)本年度より、国・県指定の文化財をデジタル化し情報発信する「大分デジタル図鑑」の制作・運用に取り組んでいる。その際の留意点として、①小学校高学年から楽しく学べる、②学校教育との連携、③「最新情報」へ適宜更新、④歴史博物館、先哲史料館、埋蔵文化財センター、また、国や県内市町村との連携。この連携については、できるだけ開放的に広げられたら面白いと考えている。

 その他の質問項目:「九州ブランドのPR拠点づくり」、「電気自動車シフトに伴う影響等」、「ツール・ド・九州2023」、「デジタルトランスフォーメーション」、「避難者の良好な生活環境の確保」、「災害時における重度障がい児者へのケア体制」



 守永 信幸 議員(大分市選出)
誰もが心豊かに暮らせる大分県へ
障がいのある人もない人も
 障がい者への差別を禁止するために、大分県では『障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる大分県づくり条例』が2016年に制定されています。差別をしないという施策は、様々に講じられてきていますが、私はともすると障がい者への支援施策と受け止められているケースを少なからず感じています。障がいのある方々が暮らしやすい環境は、歳を重ねて体に不自由を感じながら暮らす高齢者や、ストレスの多い現代社会の中でメンタルヘルスを維持しづらい方々にも暮らしやすさを感じてもらえる地域共生社会を構築することにつながることを訴え、県民の皆さんの理解を深める取組について質問しました。
県民同士が支え合える社会
 広瀬知事からは、障がいのある人もない人も相互に尊重しながら共生する社会の実現をめざし、①障がい者に対する県民理解の促進、②スポーツや芸術を通した障がい者との交流、③障がい者とのコミュニケーションの円滑化に取り組むことが示されました。大分県では車いすマラソンなどの実績もあり、三つの取組によって、障がい者への理解が一層深まり、障がいの有無にかかわらず、県民同士が支え合い、安心して心豊かに暮らせる大分県づくりに取り組むとの答弁でした。
JR駅無人化への対応
 このことを踏まえ、JR駅の無人化によって障がい者が移動の自由が侵害される問題にも触れました。企画振興部長からは、鉄道駅については、障がい者や高齢者をはじめ、全ての人が不自由なく利用できる環境を整えることが重要。これまでもJR九州に対して、無人化にあたって必要な安全対策等を講じるよう働きかけてきた。国土交通省が駅の無人化等に係るガイドラインの策定を進めており県もその内容を注視している。県はJR九州大分支社に対して、ガイドラインの適切な運用を含めこれまで以上に利用者の要望に耳を傾け、利用実態に応じた対策を実施するよう働きかけるとの答弁がありました。

 この他に、コロナ禍の下での高齢者対策や木造建築物の耐震診断・改修、県の人材育成等について質問しました。



 

2021年第1回臨時会(2021/5/31)

 59億円の補正予算、ワクチン接種対策強化や対策認証制度創設
 5月31日(月)、2021年第1回臨時会が新型コロナウイルス対策を計上した本年度一般会計補正予算案が提案され、審議の結果、全て可決されました。

 補正額は59億5,765万5千円。内容を報告しますと、高齢者へのワクチン接種を7月末までに完了させるため、市町村と連携し、医療従事者のさらなる確保、個別接種会場の休日開設や集団接種会場の追加など接種体制の強化に取り組むほか、休日に集団接種会場に医師等を派遣した医療機関への助成として「ワクチン接種体制緊急強化事業」(2億3,200万円)を進めます
 「中小企業・小規模事業者事業継続支援金給付事業」(21億9,534万円)は、不要不急の外出自粛や飲食店の営業時間短縮等の影響を受けている中小企業・小規模事業者の事業継続を支援するため、売上が大きく減少している事業者に対し、支援金を給付するものです。
 「宿泊施設受入環境整備緊急支援事業」(20億8,450万円)では、今後の誘客に向けて受入環境の整備に取り組む宿泊事業者を支援するため、感染症対策機器の導入、施設改修、通信環境整備等に要する経費に対し助成します。
 飲食店における感染症の拡大を防止するため、第三者による認証制度を創設するとともに、飲食店が行う設備導入に要する経費に対して助成する「安心はおいしいプラス」認証制度推進事業」(12億8,477万円)は、政府が推奨するいわゆる゛山梨モデル゛を大分県にも導入するものです。
 さらに、芸術文化活動継続緊急支援事業(3,000万円)で、感染状況がステージ3以上の期間に芸術文化イベントを中止・延期した団体には、キャンセル費用として最大300万円を助成することになりました。
 県民クラブ会派を代表して、高橋 肇議員(臼杵市選出)が議案質疑に登壇し、ワクチン接種に関わり県と基礎自治体との連携などについて質問しました。

議案質疑


 高橋 肇 議員(臼杵市選出)
ワクチン接種に関わる様々なな課題について質問
1.ワクチン接種に関する市町村への支援について
 65歳以上でワクチン接種を終えた人の割合は大分県は7%台。接種は市町村が実施主体だが、県としてどのように連携していくか?
(知事)接種を加速するため、3つを柱として取り組む。一つは医療従事者の確保支援。時間外・休日に医師等を派遣した医療機関に協力金を準備する。二つめは接種回数の増加対策。休日にも接種する場合の協力金制度を創設する。三つめは接種について県の基本的な方向性を示す。高齢者への接種は特別養護老人ホームの入所者や従事者を優先的にする。小中学校の教職員や保育士等の優先順位を早め、夏休み中の完了をめざす。
2.複数ワクチンの摂取について
 厚労省はモデルナワクチンを職場での接種にも活用する方針だが、複数のワクチンを使用することについてはどう考えるか?
(福祉保健部長)モデルナのワクチンはファイザーと同様の効果があるとされている。しかし、7月以降のワクチン供給計画は未だ明らかになっていない。極力早期に必要なワクチン総量を確保し、接種を加速したい。
3.医療現場等のワクチン不接種に対する差別について
 ワクチン接種は強制されるものではなく、様々な理由で接種出来ない方や接種したくない方もいる。他県では、ワクチン接種を断った看護師が退職を強要される事例が発生した。本県では、そうした差別事案を把握できるような体制がとられているか?
(福祉保健部長)総合相談窓口を設置し、相談を随時受け付けている。昨年11月からは差別等についての専用相談窓口も開設している。ワクチン接種が強制ではないことなど県民啓発に努めるとともに、差別事案を速やかに把握できるよう相談して窓口の周知を図る。
 この他にも、子どもたちと接する機会の多い「放課後児童クラブ」の職員なども、早期接種の対象とすることなどを求め「対象とする」との回答を得ました。


 

2021年第1回定例会(2021/2/25~3/26)


 2月25日(金)、2021年度第1回定例会が開会し、3月26日(金)に閉会しました。
 本会議で上程された2021年度当初予算案の総額は7,027億3,100万円で、当初予算案が7千億円を超えるのは平松守彦前知事時代以来20年ぶりになります。


県税の大幅な減収を補うために‥
 歳入は景気悪化に伴い、県税収入を前年度比10・7%減の1,143億円と見込み、地方交付税は前年度比4・1%増の1,790億円、国庫支出金は前年度比16・6%増の1,257億6千万円を充てています。
 これは、政府がコロナ感染症対応を最優先と位置づけ財政再建を棚上げし、地方に対しても地方交付税を増やしたことによるものです。さらに、政府は自治体が借金をして国が実質的に返済する臨時財政対策債の発行可能額の増額を認めたことから、県はこの臨財債を67%増の332億円を発行。県債残高は1兆1,009億円に達しています。臨財債を除く実質残高は行財政改革推進計画の目標(6500億円以下)を維持しているものの6,328億円になっています。
 また、貯金にあたる財政調整用基金も65億円取り崩しています。財政調整用基金の2021年度末残高は236億円と予想され、残高目標とする330億円の確保は引き続き大きな課題です。
 今定例会では、県民クラブから代表質問に羽野武男議員(日田市選出)、一般質問に二ノ宮健治議員(由布市選出)、藤田正道議員(大分市選出)、成迫健児議員(佐伯市選出)、平岩純子議員(大分市選出)が登壇しました。

あの日を忘れない
 
東日本大震災の発生から10年目。議会においても、3月11日(木)の冒頭、犠牲となった方々へ鎮魂の思いを込めて全員で黙祷を行いました。



 羽野 武男 議員(日田市選出)
豪雨災害からの復旧・復興について
➀ 復旧・復興推進計画の進捗状況について
 昨年の7月豪雨災害における復旧・復興推進計画の進捗状況と今後の見通しを伺う。
(答弁)事業者には「なりわい再建補助金」で施設・設備等の復旧を支援し、8割を超える事業者が再建にこぎつけている。
 隈川の屋形船も復旧が進んでおり、流出防止対策も検討されている。
 玖珠川や花合野川では、改良復旧を計画している。
 農地・農業用施設は、被災面積の8割で今年の作付けができるよう取り組みを急ぐ。
 引き続き、災害予防も含め復旧・復興を着実に進める。
➁ 天ヶ瀬温泉街の復旧について
 天ヶ瀬温泉街の復旧について、景観を守りつつ泉源にも影響しない方法として、上流部にトンネルによるバイパスの建設を求める声があるが、県の見解はどうか。
(答弁)土砂等による埋没の恐れに加え、流れの速い洪水をトンネルへ導く構造など技術的な課題が多い。さらに、トンネルが複数必要で、分流・合流施設も大規模となり、事業の長期化も懸念される。
 現在、国や学識者と協議し、市と検討を進めている。
災害対策の推進について
治水の広域的な取組について
 治水対策を進めるには治山をしっかり行う必要がある。また、治水に関する専門的知識を備えた人材確保や遊水池など治水施設の整備に要する財源の確保などに対応するため、本県と福岡県、筑後川流域の自治体で広域連合を設立し、人材、財源の確保などに協働し、治水対策に積極的に取り組んではどうか。
(答弁)昨年9月、県内6つの一級水系で国・県・市町村の河川管理者と農政、森林、まちづくりの担当部局等が参画する「流域治水協議会」を立ち上げた。筑後川流域治水協議会では本県と福岡県、流域自治体の関係者が参画し、各分野の施策を共有した。
 治水対策を計画的に推進する「流域治水プロジェクト」には、森林整備や治山対策などの施策を盛り込む予定。
今後は、新たな技術や知見も取り入れ治水対策に取り組んでいく。
新型コロナウイルス感染症対策について
➀ 感染拡大に備えた保健所の体制強化について
 新型コロナウイルスの感染拡大に対応するためには、県内保健所の段階的な人的バックアップ体制についてあらかじめ構築しておく必要がある。
 感染拡大時の保健所の体制について、どのようなバックアップ体制を考えているのか。
(答弁)これまで、保健師や事務職員の追加配置や検体搬送を他所属へ依頼、夜間休日電話受付の外部委託、相談室の整備、患者搬送車の追加配備等を行った。また、一時的に業務量が増大した場合は、本庁から保健師等を派遣している。
 本年2月から、県や市を退職した保健師や看護師約20名の協力を得て支援する仕組みをスタートさせた。
 来年度は、ワクチン接種もあるため、保健師や事務職員をさらに増員し体制強化を図る。
② 感染した労働者への制度周知について
 従来、感染症が労災と認められるのは、容易ではなかったが、新型コロナウイルス感染症は、労災給付の対象として柔軟な取り扱となり、厚生労働省から労使団体に対して、労災請求者への助力と合わせ、業務に起因して感染したと思われる労働者から積極的に請求を勧奨するよう要請されている。しかし、アルバイトやパート労働者はそもそも請求できることさえ知らないのではないか。
 労災に関しては本来労働局がその役割を担うものだが、県としても連携して、新型コロナウイルス感染症の労災補償の取り扱いや労災請求について、事業者及び労働者への周知・勧奨に取り組むべきと思うがどうか。
(答弁)労災認定により休業期間中の賃金に対して補償が受けられるため、今回の措置を活用することは従業員確保の観点からも重用だ。
 本県の認定者数の全国比率は感染者数の全国比の2倍となっているが、大分労働局と連携し、保健所等関係機関を通じて周知を図る。


一般質問
 二ノ宮 健治 議員(由布市選出)
SDGs推進の県キャッチフレーズに
「OITAの煌めく未来へSDGs」
 国連サミットでSDGsが採択されて5年が経過し県も推進に力を入れているが、県民の認知度は全国の最下位に位置するほど低い。目標年まで10年を切るなかで、目標を達成するためには「SDGsを知る」ことが第一歩であり、県民の認知度を上げるために次の提案をしたい。 
・「SDGsバッチ」着用運動の展開
 県市町村職員や県市町村議会議員が、率先して「SDGsバッチ」を着用。SDGs推進のスポークスマンとして行動することで、県民の認知度を高めることが出来るのではないか。
・SDGs推進「県キャッチフレーズ」の設定
 「温泉県おおいた」に続く、SDGsのキャッチフレーズとして「OITAの煌めく未来へSDGs」を提案。
(知事回答)県事業とSDGsの目標の関係性を明確にして県民の認知度を高め、持続可能な社会の実現に向けた県づくりを進める。提案のキャッチフレーズも積極的に使用していきたい。

高温に強い米「なつほのか」の導入
 令和2年産水稲の作況指数では、大分県は77と全国で2番目に低く、2年連続の「不良」という結果になり、病害虫等の被害もあったが地球温暖化による高温障害の影響も大きいと言われている。県の主力品種であるヒノヒカリも高温による品質低下が指摘されており、今後さらに温暖化が進む中で、高温に強い新品種が望まれるが、開発状況は如何か。
(部長回答)令和3年度に設立される、地域気候変動センターを活用し農産物全体の気候変動に対しての適応策を検討していく。
水稲についは、ヒノヒカリと比較して、暑さに強く、強風で倒れにくく、収量が約1割多い上に、食味は同程度の「なつほのか」の実証栽培を始めて、早期の導入を目指す。

「大分川水系河川整備計画」の策定

 昨年7月の記録的豪雨で5人の死者を出した大分川水系上流圏域における、中期的な護岸工事や環境保全の目標を定める、「大分川水系河川整備計画」の素案が示された。4月の住民説明会などを経て、本年11月の策定を目指しているが、河川は下流域からの工事が原則であるのに、大分市内下流部の工事が進んでおらず、着工が大幅に遅れるのではと心配している。今後も、大規模な災害が想定され早急な対応が求められるが、今後の着工見通しも含めお聞きする。
(部長回答)国と県が連携し「河川整備計画」の早期実現を図っていく。併せて、災害が想定される区域の河床掘削や築堤工事を早期に実施する。 


 藤田 正道 議員(大分市選出)
「カーボンニュートラル」と「電力の安定供給」の両立を
 国は昨年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、その達成に向けた対策を積極的に行うことで、産業構造や社会経済を変革し、大きな経済成長に繋げていく「グリーン成長戦略」を描いています。近年多発する自然災害など人類の存亡にも関わる地球温暖化を早期に食い止めるため、世界各国が協調し脱炭素社会を目指すべきだと考えます。一方で、今後30年という短期間でのエネルギー構成や産業構造の大変革で、日常生活と産業活動を支える電力の安定供給が危うくなるのではと危惧されます。
 この年末年始、電力の現場はかつてない「緊急事態」に陥り、全国の需給を統制する電力広域的運営推進機関は1月6日に「非常災害対策本部」を発足させ、需給ひっ迫がピークとなった1月12日には、電力の供給力に占める需要の割合である使用率が、関西99%、四国98%、九州、東北97%と、まさにブラックアウト寸前の状態でした。電力各社は発電可能な全ての発電所で最大出力運転を行い、自家発電設備を持つ事業者に発電を要請し、離島の発電機を動かし本土に逆送し、非常用の発電機車も動かすなど、極限の緊張下で綱渡りの需給調整に追われました。直接の原因は、寒波襲来による消費電力の急増ですが、これまでの再生可能エネルギーの導入促進による太陽光発電シェアの急拡大、調整力であるLNG火力の役割の急な高まり、原子力発電所の停止によるベースロード電源の厚み不足といったアンバランスな電源構成の中で、燃料不足によるLNG発電所の出力低下、調整力不足、太陽光稼働率低下、火力発電所も燃料調達が間に合わず半分近くが停止状態、といった負の連鎖によりかつてない非常事態が発生し、専門誌には「世界屈指の安定供給体制に赤信号か」との見出しとともに、電力市場のシステム制度の欠陥や電源構成偏重の問題が一気に露呈した、との記事が掲載されました。
 「カーボンニュートラル」を目指す国のエネルギーミックスに関する議論や、県の新エネルギービジョン見直しにおいては、「脱炭素」ばかりがクローズアップされることで、国民生活と経済を支えるライフラインである電力の安定供給が損なわれることがないよう、それぞれの電源が抱えるリスクを的確に検証・分析したうえで、供給安定性、経済合理性、環境適合性、そして安全性という評価軸で、多面的な検討が冷静、慎重に行われる必要があると訴えました。


 成迫 健児 議員(佐伯市選出)
3つの日本一への挑戦について
 今回の一般質問では、◆大分県が目指す3つの日本一への挑戦について、◆コロナ禍における児童福祉施策と自殺対策について、◆教育に関する諸課題について、◆離島の振興について、の4点について質問をしました。
 大分県民の「平均寿命」は全国でもトップクラスであるのに対し、「健康寿命」は中位にとどまっていることから、大分県が目指す3つの日本一の一つである、健康寿命日本一を目指す県として今後どのような方針で取り組んでいくのか質問をしました。
知事の答弁では、「運用3年目を迎え、5万4千人にまでダウンロード数を伸ばしている「おおいた歩得」をより楽しく達成感を得られるような機能を追加しバージョンアップしていく。また、栄養・食事の面で「うま塩メニュー」や「もっと野菜メニュー」を提供する飲食店の拡充を図ってきた。今後は学校給食にも取り入れるなど、県内全般で食を通じた健康づくりの機運を高めていきたい。」とのことでした。また、佐伯市の小野明組の取り組みを例に「事業所ぐるみで働き盛りの従業員の健康づくりに取り組む健康経営事業所の拡大を図っていく。」との答弁もいただきました。東京オリパラが近づくにつれて県民のスポーツへの関心も高まっていきます。多くの人が日常生活の中で無理なく運動ができる環境づくりや健康づくりへの取り組みを引き続き進めてほしいと思います。
 また、教育に関する諸課題については、県内の不登校児童生徒数が過去最高の1,843名となっている現状を踏まえ、子どもたちの成長や自立のために力を尽くしている「フリースクール」への安定的・継続的な運営の支援について質問をしました。
 教育長からの答弁では、「補助金については、単独で制度を設けている県もあるが、多くは既存の起業型補助金等を活用している。団体ごとに多様な活動が行われ、一定の基準設定に困難も伴うことから拡大していないが、今、国で不登校児童生徒の経済的支援のあり方に等に関する調査研究が進められているので動向を見守りたい。」とのことでした。
 フリースクール側の運営に関する諸課題や保護者への経済的な問題を踏まえた上で知事に見解を伺ったところ、知事からは「支援が拡充してけるよう県としても動いていく。」との前向きな答弁をいただきました。学校に通えていない子どもたちにとっての「居場所づくり」は喫緊の課題となっています。県と力を合わせて希望あふれる子どもたちの選択肢を増やしていけるように努力を続けていきます。 


 平岩 純子 議員(大分市選出)
「いのちが大切にされる社会を願って」
 質問日は、東日本大震災から10年を迎えた3月11日でした。
 あの日起こったこと、震災後に歩いた東北の地やいまだに故郷に帰れない人たちのことを想いながら質問しました。

1.県民と政治について

国民の社会的発言は減少し、若者も含めて政治離れが進んでいます。コロナ禍
で、自助努力をしてきた人々にも「同調圧力」は強まり、自己責任にされています。選挙の投票率は年々下がり、国民と政治が分断されている状況認識を知事に尋ねました。
知事は、県の様々な機関の中で傾聴に重きを置き、施策に反映させ「県民中心の県庁」をつくってきたと答弁しました。
 市議会議員選挙に行った高校生が誰に投票してよいか判断できず、自分の出席番号の人の名前を書いたという話は笑い事ではありません。私は、政治は生活と最も密接な関係にあると思っています。若者に対するシティズンシップ教育の必要性も訴えました。県には声に出せない人たちの思いをしっかり受け止めていただきたいと願います。

2.コロナ禍における女性への支援について

 コロナ禍で、多くの非正規の女性が「実質的失業者」になりました。その6割は、「休業手当」を受け取れることを知らず、暮らし向きが苦しいと感じています。現状をどう捉え、取り組みを進めるのか、また、DV被害の深刻な状況をどう分析し、支援していくのかを質問しました。
 
県では、市町村やハローワークと緊急会議を持ち、求人情報や手当の申請方法が速やかに届くように発信を行っています。DV被害者の7割が誰にも相談していない実態があることからウェブ広報等を活用して周知に努めるとのことです。
 コロナによって女性が急に困難な状態になったのではなく、構造的な問題として、女性の立場の弱さが浮き彫りになりました。制度の谷間にいる人たちに
救済制度があることを知らせることが急務です。

3.教育問題

 モンスターペアレントで疲弊している学校の実態を伝えました。
40年ぶりに公立小学校の少人数学級が導入され、2022年度から順次1学年ごとに35人学級が実現します。これにより学級数は100程度、教員も100人程度増員になります。しかし、現実的には、働き方改革は進んでいません。仕事量が削減され、現場に教職員がきちんと配置できる状況がまず求められています。
 その他、発達障がい者の就労・発達障がいのある親への支援について質問しました。詳細は、HPに掲載しています。



 

2020年第4回定例会(2020/11/25~12/11)

 11月25日、2020年第4回定例会が開会し、12月11日(金)に閉会しました。今定例会では、補正予算として、大分空港と大分市中心部を結ぶホーバークラフトの導入経費に充てる本年度一般会計補正予算案(補正額2億8,334万1千円・累計7,757億763万4千円)が提案されました。
 予算案は全額がホーバー復活に関するもので、運航事業者の第一交通産業(本社・北九州市)と協議して船体の仕様書を作成するというものです。予算案可決後、大分市西大分地区など発着地の整備に向けた測量、調査、設計に入るとしています。財源は県有施設整備等基金を充当します。
 この他、防災・減災対策などの公共工事を進めるため、債務負担行為として計50億円の設定を提案。河床掘削、河川の護岸強化、斜面の崩落対策など計23事業に充てます。
 本年度中に工事の入札・契約を終え、新年度の早い時期に工事に着手できるようにするものです。これらの事業は、いずれも新年度当初予算案に計上する方針とのことです。
 予算外議案については、大分県自転車安全適正利用促進条例制定案が上程されました。これは自転車の安全上の措置や保険加入について定め、事故防止と被害者保護を図るものです。
 最終日の12月11日(金)に採決が行われ、原案通り可決されました。また、県民クラブが提出した「すべての子どもに豊かな学びを保障するために少人数学級の実現等を求める意見書」案が全会一致で可決されました。1月25日、2020年第4回定例会が開会しました。
 今定例会では、県民クラブから一般高橋 肇議員(臼杵市選出)、小嶋秀行議員(大分市選出)、玉田輝義議員(豊後大野市選出)が登壇しました。

 定例会冒頭、10月に御逝去された濱田 洋議員(自由民主党・九重町玖珠町選出)に対し、議員団を代表して馬場 林議員(県民クラブ・中津市選出)から追悼演説が行われました。衷心より哀悼の意を表します


一般質問

 
高橋 肇 議員(臼杵市選出)
1年5ヶ月ぶりの質問で訴えたこと
 今回、一年五カ月ぶりの一般質問となりました。大きく以下の五項目について、県の見解を質しました。
1 少子化対策について
2 日出生台実弾射撃訓練について
3 医療現場の課題について
4 横断歩道での運転マナーの向上について
5 学校現場の課題について
(1)少子化対策について、未婚者や晩婚者への支援策と多子世帯への支援策について質しました。
 知事は、現在県として取り組んでいる出会いサポートや不妊治療への費用の上乗せ、保育料の助成制度等の支援策を紹介し、引き続き結婚、妊娠・出産から子育てまでの切れ目ない支援に取り組むと答弁しました。
(2)日出生台実弾射撃訓練について、日米合同委員会の話し合いと今後の対応について質しました。
 知事は、「日米合同委員会での協議が整い次第、説明する」と返答があったと明かした上で、将来にわたる縮小・廃止が県の基本スタンスと答弁。引き続き確認等の順守を強く求めていきたいと述べました。
(3)医療については、特に白血病の現状と骨髄ドナー登録が少ないことを取り上げ、今後の取り組みについて質問しました。
 福祉保健部長は、啓発用リーフレットの配布やSNS等の活用、企業への支援制度も創設し、関係者の連携強化を図っているということでした。
 また、医療従事者の確保や労働環境の整備については、健康で安心して働ける環境整備は重要と認識し、ICTを活用した業務効率化の支援や特定医療行為を行えるナース・プラクティショナーの養成を推進していることやAI問診システム導入等の先進事例の紹介に取り組んでいるということでした。
(4)信号機のない横断歩道での車の一時停止について、大分県が九州・沖縄で最も低い現状を指摘し、横断歩道は交通弱者の歩行者が優先とのルールを徹底することの必要性について見解を求めました。
 警察本部長は、街頭における交通指導取り締まりや歩行者への正しい横断指導の強化、「マナーアップ」の広報啓発や交通安全教育、横断歩道の高輝度化などに努めると述べました。
(5)学校現場の課題の一つとして、コロナ禍における今後の修学旅行について質問しました。日田市中津江の鯛生金山が中学校の修学旅行先として誘致を始めたことを紹介し支援を求めました。
 観光局長は、可能な限り県内実施等も検討するよう県立・私立・市町村教委に依頼したところ、小220校、中39校が県内で実施し好評だったと報告。引き続き情報を提供し、修学旅行の県内実施を働きかけていくと答弁しました。
 教職員の広域人事の弊害について、少子化対策と絡め、見直しの時期ではないかと教育長に迫りました。
 教育長は、複数勤務地を経験させることは、キャリア形成において大事な取り組みとメリットを強調。その上で、結婚等個人的事情については可能な限り配慮していると答弁。今後とも、個別事情に配慮しながら、広域人事をあくまで進めたいと述べました。
 しかし、多くの教職員が「それでも、この人事ルールは早くなくしてほしい」と声をあげています。ルールは人が作ったもので、お金も人もかからず、やる気があればすぐ見直せるもの。そうしなければ、少子化も今後の教職員の確保も解決しないことを最後に強く訴えました。


 小嶋 秀行 議員(大分市選出)
県には追い風
 一般質問の機会は、ほぼ年に一度です。今回、第4回定例会(11月議会)で機会を得ました。主要な質問内容は以下のとおりです。
 はじめに、エネルギー政策の推進です。
『政府の2050年に温室効果ガス実質ゼロを目指す方針が、大分県のエネルギービジョンにどのような影響を与えるか』との質問に対し広瀬知事は、『既に再エネ自給率全国一位を達成しており、その上で、さらなる導入推進をビジョンの目標としている大分県にとっては“追い風”以外の何物でもなく、(県)エネルギービジョンの目標である2025年に向け着実に取り組む』と応えました。
再質問の際、エコエネルギーの取り組みに関し、水素利用の拡大にむけ、児童・生徒が水素に関する理解促進できるよう展示室の設置について提案しました。
 次に、薬物乱用防止について、『全国的には、5年前と比較し大幅に検挙件数が増加しているが、県の現状と乱用防止の取り組みはどうか』との質問に『本年10月末での薬物事犯お検挙人員は88人(前年同月比24人増加)。内、大麻の検挙人員は人(前年同月比8人増加)。4月と6月には大量栽培事案も相次いで発生している。未然防止については、大麻使用に対する若者の意識の変化が懸念されることから薬物の恐ろしさを知ってもらう為、県警等と連携し薬物乱用防止教室や「ダメ!ゼッタイ」のヤング街頭キャンペーンを実施している。437名の薬物乱用指導員を委嘱して取り組みを進めている。』と答弁。
 3点目に、防災インフラ整備について質問しました。
『治水対策では、天ヶ瀬温泉や国道210号が被災した玖珠川などで改良復旧による再度災害防止に加え、流域の自治体や国、企業、住民などあらゆる関係者で、治水機能を分担する流域治水の取り組みを進めている』との答弁でした。また、土砂災害対策では『治山や急傾斜地の事業にあたり、保全対象の個数などに応じて、県と市町村が役割分担しながら整備を進めると共に、住民の適切な避難行動を促すため、河川水位計や監視カメラの整備、ハザードマップの作成など、市町村と連携した防災情報提供にも取り組んでいる』とのことでした。
 4点目は、直轄道路区間の管理改善についてです。
 東九州自動車道の内、佐伯~北川の間は、国交省による「新直轄」という建設手法でしたから、『一般の高速道路と比較して管理が遅れている点がないか』と質問しました。
 『管轄は延岡河川国道事務所の管理であるが、路面に課題のある区間も見受けられる。大分県としても適切な維持管理を国に求めていきたい』と応えました。
 最後、5点目は、近隣商業地域でのマンション建設について再度質問しました。
 広大に広がる「第一種低層住宅専用地域」の都市計画区分にある「近隣商業地域」に高層マンションが立てられる道理がないとの問題意識で、再度、県の考え方を質しました。これに対し『現在の用途地域指定による土地利用規制のみでは、今後、多様化する課題に対応できなくなることから、広域的な見地で都市の将来像や方向性を示す都市計画区域マスタープランの改定を進めているところである。市町での計画策定は、県との協議が必要であることから、今後適切な助言をしていく』と応えました。今後、同様の問題が発生しないよう強く求めました。
 質問時間が30分間と制約はありますが、県の見解を質せる重要な機会であり、今後も積極的に質問・提言していきたいと考えていま


 玉田 輝義 議員(豊後大野市選出)
ヤングケアラーについてご存知ですか?
 ヤングケアラーとは、国レベルの統一的な定義はありませんが、一般的に、「本来、大人が担うと想定されるような家族の介護、世話、家事等を行っている18歳未満の子ども」とされています。家族の介護等によって、学校に行けない、友達と遊べないなどの状況が生まれ、本来守られるべき子どもの権利が侵害されることがあります。そしてその結果、成長する機会や心身の健康が損なわれ、その将来に影響を及ぼす可能性があります。
 しかしながらヤングケアラーの状況は、自らが置かれた環境が当たり前だと考えていること、家庭のことは知られたくないと思っていること、どうせ言っても理解されないという諦めや思春期の羞恥心などから表面化しにくいと言われます。
 また虐待被害などで保護が必要な子どもを支援する、要保護児童対策地域協議会に対して行われた厚生労働省の調査では、ヤングケアラーの概念を認識している協議会は、平成30年度が27.6%、令和元年度が46.7%となっているように、福祉・教育関係者などの支援者の側の認識は徐々には高まっていますが、一般的にヤングケアラーに対する認識は高まっていないのではないかと思います。
 学校の先生や地域の大人に対して自分が置かれている状況を伝えることを諦めたヤングケアラーが県下にいるかもしれないと思うと胸が痛みます。
 そうした中、国は今年12月にも、初の実態調査を、学校を通じ、児童・生徒に直接アンケートをとる形式で行う予定と聞いていますが、県でも、必要な補足調査を実施するなど、より正確に実態を把握するとともに、ヤングケアラーに関する社会の理解を促進し、支援につなげる環境を整える必要があると考えます。
現在の県下のヤングケアラーの現状と取組状況について尋ねました。
 質問に対して、福祉保健部長から次の答弁がありました。
①ヤングケアラーのうち、家事・育児・介護等のため、欠席や遅刻が多いなど学業に差しさわりが出ている場合や本人の清潔が保たれていないなどの子どもについては、市町村要保護児童対策地域協議会(以下「要対協」と表記します)が支援していること。
②要対協では、児童福祉担当課や学校、スクールソーシャルワーカーをはじめ、福祉サービス事業所など関係機関と連携を図ることで、世話しているきょうだいの保育所入所や、家族の福祉サービス利用等に繋げていること。
③また、本人が望んでも登校できないほど子どもの負担が重い場合などには、児童相談所が子どもを一時保護したうえで支援方法を検討し、状況によっては施設等での生活を勧めることもあること。
④一方で、本来大人が担う介護等を周辺に気付かれないまま日常的に行っている子どもの実態は十分に把握できていないこと。
⑤こうしたヤングケアラーは表面化しにくく、孤立している可能性があるため、今後実施される国による実態調査の結果をもとに、教育委員会とも連携して対応を検討していくこと。

 要約すると以上の5つになりますが、このうちで重要なのは④だと思います。私は、国の調査に上乗せして介護現場のケアマネージャーや障がい福祉の現場の相談支援員への調査を行うべきだと思います。ヤングケアラーに対する支援政策はこれからが本番。多くのかたに関心を持ってもらいたいと思います。



 

2020年第3回定例会(2020/9/9~29)

 9月9日(水)、大分県議会2020年第3回定例会が開会し、7月豪雨の復旧・復興と新型コロナウイルス対策を計上した本年度一般会計の8月専決補正予算と9月補正予算案が提案され、9月29日(火)の閉会日に可決されました。
過去最大の予算に

 8月27日付けで専決処分したのは緊急性の高い5事業の144億4,183万8千円。9月補正は566億8,035万1千円となっています。総額計711億2,218万9千円と補正予算としては異例の規模になり、併せて豪雨の復旧・復興推進計画と新型コロナ対策の社会経済再活性化戦略も公表されました。
 これで、既決予算と合わせた本年度累計は過去最大の7,754億2,429万3千円となり、これまで最大だった平松守彦前知事時代の7,692億円(1998年度12月補正後)を上回っています。
 内容を見ると、豪雨関連は15事業の234億261万円。災害の再発防止へ玖珠川(日田市天瀬町)などで護岸のかさ上げをする他、被災した道路、河川、砂防の復旧工事を進めるとしています。また、被災した中小企業の支援で、国と県が復旧費を補助する「なりわい再建補助金」は県独自で補助率を上乗せ。観光地の誘客回復では、旅行代金の半額を割り引く支援を政府の「Go To トラベル」終了後に始める予定としています。
 新型コロナ感染症対策は42事業・447億7,127万円を提案しています。医療機関の設備費や物品購入費を助成。新型コロナ関連の融資を受けた事業者に給付する応援金の引き上げ。観光地でテレワークをする「ワーケーション」の推進。県産品のウェブ物産展を開き、割引クーポンを発行するとしています。
 歳入は、国庫支出金359億5,680万円、県債51億1,900万円、繰越金31億7,334万円などとなっています。
厳しくなる財政運営ですが‥
 貯金にあたる財政調整用基金は本年度末の残高見込みで約249億円と、前年度末より101億円の減。借金にあたる県債は約1兆608億円で187億円増えます。財政運営は厳しくなりますが、広瀬勝貞知事は会見で「県民のために水害や新型コロナ対策にしっかり手を打つのが大事だ。ある程度貯金が目減りしても仕方ない。時間をかけて財政を立て直していく」と述べています。
エッセンシャルワーカー